谷川岳馬蹄形縦走 
たにがわだけ

標高 1977m
茂倉岳→20分→一ノ倉岳→25分→ノゾキ→35分→奥の院→20分→オキの耳→15分→トマの耳→20分→ザンゲ岩→45分→巌剛新道分岐→1:40→西黒尾根登山口→20分→土合駐車場

谷川連峰馬蹄縦走の最後は谷川岳山頂を踏んで下ることになる。山頂から土合に下る西黒尾根はすさまじく急峻で、岩場や鎖場が連続するのだ。
オキの耳から望む谷川岳山頂(トマの耳)

 茂倉岳からオキの耳へ 1999年谷川岳〜仙ノ倉山縦走の記録

茂倉岳から一ノ倉岳に向かう


一ノ倉岳山頂


一ノ倉岳から一旦下る


ノゾキに着いた


奥の院からオキの耳への登り


オキの耳山頂

BACK 茂倉岳

2009年10月13日

茂倉岳から一ノ倉岳に縦走する。尾根を緩やかに下って、そして登り返す。
20分ほどで一ノ倉岳山頂に着いた。このころ雲が空を覆うようになった。谷川岳山頂まで天気がもってくれるか心配になった。
一の倉岳山頂は笹原を切り開いた広場になっていて、その一郭にカマボコ型の避難小屋があった。中は荒れていて、とても泊まる気にはならない。すぐ近くに茂倉岳避難小屋があるのだから、これを使うことはほとんどないのだろう。

一ノ倉岳から谷川岳までの稜線はすさまじく険しいかった。行く手には左側がすさまじい絶壁の谷川岳が聳えたっている。左下は有名な一ノ倉沢である。
山頂からはすぐに急下降で、ほとんど真っ逆さまといった感じの下りが続く。鞍部を見下ろすと、団体が上ってくるのが見えた。今、1120分、これから蓬峠まで行くつもりなのだろうか。
鞍部に降り着いて振り返ると、一ノ倉岳は鋭い三角峰としてそびえ立っていた。その急な尾根を、さっきすれ違った団体が登って行くのが小さく見える。
左側は断崖である。痩せた尾根を歩いて行くと、「ノゾキ」という標識がたっていた。ここから下を覗くと一ノ倉沢が見えた。すごい眺めである。白い岩盤で谷はできているのだ。それが断崖の遙か下に見える。足がすくんでしまう景色である。
ノゾキからは痩せた岩稜を登って行く。行く手には鋭く岩峰がそびえ立っていて、振り返って見る一ノ倉岳はすごくなだらかに見えてしまう。
鎖で岩盤をよじ登ると石の鳥居がたっていて、登山者が二人休憩していた。ここが奥の院で小さな石の祠があった。ここからは茂倉岳・一ノ倉岳そしてこの奥の院へとなだらかな円弧を描いて続く稜線が眺めることができる。あんなに険しい稜線だったのにひどく緩やかに見えるのが不思議だ。
奥の院からは登山者が多い。谷川岳に登った人がここまで足をのばして来るのだ。
行く手にたくさんの登山者がいる三角ピークが見えてきた。谷川岳の最高点オキの耳である。標高1377mで、肩の小屋のすぐ上にあるトマの耳よりも14m高いのだ。谷川岳の山頂はトマの耳ということになっているので、知らない登山者は小屋のすぐ上にあるトマの耳に立って谷川岳に登ったとしてしまうのだ。
オキの耳で記念写真を撮ってもらって、少し休憩した。すぐ隣にトマの耳が鋭い三角峰となって聳えいる。すごい迫力である。
雲が出てきて、仙ノ倉岳方向は真っ白になってしまい、茂倉岳の山頂も雲で隠れてしまった。でも、私のいる山頂は雲がかかることはなかった。念願の「晴れた山頂に立つ」ことができたのだ。晴れの日を麓で三日間も待った甲斐があったというものである。

山頂にはたくさんの人がいたのだが、私がのんびりパンをかじっているうちにほとんどいなくなってしまった。


 トマの耳(谷川岳山頂)からザンゲ岩へ
オキの耳からトマの耳に向かう


谷川岳山頂(トマの耳)


ザンゲ岩


風も冷たくなってきたので、トマの耳に向かうことにした。痩せた岩稜を下る。さっき私と一緒に休憩していた登山者が列をなして下っているのが見える。

トマの耳に着いたのは13時35分、オキの耳より標高が低いのだが、ここが谷川岳山頂である。(ここに三角点があったはずなのだが、写真を撮りそこねてしまった)
振り返るとオキの耳には雲がかかり始めていた。山頂にはドーム形の方位盤があって、展望できる山々を特定できるのだが、残念ながら周りの山々は雲に覆われてほとんど見ることはできない。
トマの耳から下って行く。下には肩の小屋が見えて、小屋の前には登山者が何人か見える。私は小屋まで下らずに、まっすぐに西黒尾根にむかった。肩の広場には昔見た(1999年だから10年も前だ)指導標が今も現役でたっていた。けっこううれしい。

いよいよ西黒尾根の降り口に着くと、そこには「初心者下山不向き、中級者以上(健脚者向き)」という標識があった。この尾根ってそんなに険しいんだったっけと思った。(考えたら、私はこの尾根を2回登ったが、下ったことはなかったのだ。)
ここから見下ろすと、急な痩せた尾根が湯桧曽川まで下って行くのが見える。遠くから見るとそんなに険しい尾根には見えない。でも、下り始めたら、すぐにとんでもなく険しい尾根だということがわかった。岩場がひたすら続くのだ。
10
分ほど下ったところに「ザンゲ岩」という標識があった。標識はあるのだが、どの岩のことなのかわからなかった。



 西黒尾根を下山
最初は緩やかな下り


すさまじい岩稜になった


巌剛新道分岐


こんな鎖場もある


樹林の中に入った


西黒尾根登山口


ザンゲ岩から傾斜はさらにきつくなって、岩につかまって必死で下って行くのだ。スラブを下るところもあって、かなり怖い。私の前を若いカップルが下っていたのだが、女性の方は素人らしくて、下って行くルートを決めかねて時々立ち往生する。男性もあまり頼りにならないみたいだ。私が追い越して先を歩いて行くと、私の選んだルートに従って下ってきた。

黄色ペンキの矢印に従って、急な岩場を下る。すごい道である。下りと違って、登りではこの険しさに気がつかなかったのだ。1時間ほど必死で下って、行く手にコブが見えてくると、そこが厳剛新道の分岐であった。ここで休んでいた二人の登山者に、どっちのルートがラクか訊いたら、西黒尾根のほうがまだマシだという。そのまま西黒尾根を下ることにした。下ってきた尾根を振り返ると、すごい岩場の連続であることがわかる。でも、急な下りはまだ続くのだ。隣の尾根を見ると、天神平のロープウェイ駅が、ほぼ同じ高さに見えた。まだ3分の1しか下っていないのである。
コブを越したその先はスラブの壁を鎖にすがって下る。その後、少し平坦な道を行くが、再び絶壁を長い鎖で下る。もうヒザがガクガクしてくる。振り返ると、カップルが必死で鎖にすがって下るのが見える。
1515分、下り始めて1時間20分、ようやく道は樹林の中に入った。後ろからついてきていた二人は、これで安心したのか、休憩して私とは離れてしまった。私はけっこう焦っている。この調子で行ったら土合に着くのは17時半か18時くらいになってしまう。今の時期、17時を過ぎると薄暗くなるのだ。18時だとほとんど真っ暗である。紅葉の樹林の中を走るようにして下って行くと、家族連れの登山者がいて、あとどれくらいかかるのかと訊かれた。高度計を見たら1380mになっている。土合の標高は680mなのであと700m下らなければいけない。ちなみに、山頂からは600m下ったことになる、まだ半分来ていないのだ。この家族も明るいうちに土合に着けるのか心配になった。
1545分、指導標がたっていて、そこには土合まで1時間と書いてあった。この先に岩場はないので、距離はあっても時間はかからないらしい。ほっとした。後ろからくるグループも、これなら明るいうちに下ることができるだろう。ちなみにここから山頂までは3時間となっていた。
送電線の鉄塔の下を過ぎたのは167分、そこから7分ほど下ったところに水場があった。きれいな自然林の中を走るように下って行くと、下に舗装道が見えてきた。やっと西黒尾根登山口に着いたのだ。1620分であった。この指導標に「茂倉岳避難小屋は工事中で使用できない」という案内があった。
舗装道をターンを繰り返して下って行くと、「谷川岳登山指導センター」に着いた。この前には水場があるので、水を飲ませてもらった。うまかった。
さらに下って行くと、「谷川岳山岳資料館」があったが、人でいっぱいのため立ち寄らなかった。ロープウェイ駅の前を過ぎて、さらに下ると遭難者慰霊公園がある。ここには谷川岳で亡くなった人の名前が刻まれた石碑があるのだ。この前で手を合わせた。ここから雪除けのトンネルを抜けて、5分ほど行くと土合の駐車場であった。時間は1648分、車が3台停まっているだけであった。谷川岳は厚い雲に隠れていた。


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