日本の道を行く
浄蓮の滝→島崎藤村文学碑→横山利一文学碑→皇太子(現天皇)お手植え杉→道の駅天城越え→滑沢渓谷→井上靖文学碑→天城遊々の森→旧天城トンネル

川端康成の小説「伊豆の踊子」の舞台となった天城越えの道がハイキングコースとして整備されている。浄蓮の滝から天城峠を越えて湯ヶ野まで続く20kmの道程である。
浄蓮の滝の踊り子像

 浄蓮の滝からスタート
浄蓮の滝入口


滝に向かってジグザグに下る


浄蓮の滝


踊り子歩道起点

BACK 伊豆山稜線歩道

2013423

私の書斎の書架には川端康成「伊豆の踊子」の初版が収まっている。(復刻版だが…)10編からなる短編集で、その最後が伊豆の踊子である。時々、ページを開いては天城の美しい自然のことを考えたりするのだ。機会があったら歩いてみたい…。ずうっと、そう思っていた。

昨日は伊豆山稜線歩道の登山にすごく時間がかかって、「道の駅天城越」に着いたのは暗くなってからである。

朝になって、今日は「登り尾」に登ろうと準備をしていたら、「踊子歩道」の大きなイラストマップ看板が目に入った。詳しく見ると、浄蓮の滝から天城峠を越えて湯ヶ野まで続く20.7kmの遊歩道で、途中には文学碑があったり、滝があったりで、すごくおもしろそうなのだ。これなら登り尾に登るよりは遙かに楽しそうだ。一気に予定変更。今日は踊り子歩道を歩くことに決めた。
コースを歩くにあたって、車をゴールの湯ヶ野に置こうと思ったのだが、浄蓮の滝までバスで引き返すと、出発がすごく遅くなってしまう。そこで、今回は浄蓮の滝の駐車場に車をおいて歩き始めることにした。ゴールの湯ヶ野では最悪、バスを1時間ほども待つことになるかもしれないが、これはガマンすることにした。
浄蓮の滝の駐車場に着いたのは650分。私は滝が大好きなので、まず浄蓮の滝を見物する。
滝への降り口には伊豆の踊子の銅像がたっていた。そのそばに「懐徳碑
」という石碑がある。湯ヶ島の安藤藤右衛門という人が明治39年に私財を投じて浄蓮の滝遊歩道を開き、休憩所を造ったのだそうだ。
長い階段を下って行く。滝まではかなりの距離で、5分以上下らなければいけなかった。
浄蓮の滝は水量が多くて、すさまじく迫力のある滝である。浄蓮の滝といったら、石川さゆりの「天城越え」をすぐに思い出してしまい、つい口ずさんでしまうのだが、その石碑があったのには驚いた。
長い階段を上って駐車場に引き返す。踊り子歩道の入口は国道を渡った向かい側にある。そこには「踊り子歩道起点」の標識があって、うれしくなってしまった。



 「道の駅天城越え」へ
花が咲く集落を行く


車道の手前で左折する


天皇陛下お手植えの杉がある休憩所


沢に向かって急下降する


道の駅に着いた


集落の中の舗装道を歩いて行くと、すぐに文学碑らしきものがあった。地図では「穂積忠」というひとのものらしいが、何と書いてあるのかよくわからなかった。

少し行ってから右折して、南に向かって歩いて行く。行く手には山が連なっていて、これを越えるのが天城越えなのかと思ったりする。
静かな集落の中を歩いて行くと、軒先に花が咲いていたりして、すごくのどかである。
緩やかな上りになっていて、ゆっくりと歩いて行く。アスファルトの道は急いで歩いたりすると、あとでダメージが大きく効いてくるのだ。
左に神社の鳥居を見ると、すぐ先に島崎藤村の文学碑があった。藤村の「伊豆の旅」の一節が刻まれていた。
この先、道は杉林の中に入って行き、緩やかに下ると、車が頻繁に行き来する国道に出てしまった。ここから国道を歩くのかと思ったら、国道の直前に左に入る細い道がある。踊り子歩道はここから国道に平行して続くのだ。
鬱蒼とした林の中を行くと、横山利一文学碑の指導標があった。歩道から左に上って行く。道には杉の落ち葉がいっぱいで、訪れるひとはほとんどいないようだ。
横山利一の文学碑は国旗掲揚台のように長い竿が4本突き立ったもので、その台座に「寝園」の一節が活字印刷されていた。この文章を読むだけでは、舞台が伊豆なのかどうかわからなかった。
少し行くとベンチの置かれた広場に着いた。東屋があって、大きな二本の杉がたっている。これは現在の天皇陛下が皇太子のとき、お手植えされた杉なのだそうだ。
広場から少し行くと、木の階段で沢に向かって急下降する。岩の間から湧き出す清水が小さな流れをつくっているのだが、ゴミがいっぱいであった。がっかりしてしまう。
このすぐ先で、国道に出てしまった。
国道を少し歩くと、右に踊り子歩道の標識があって、そこから山の中に入って行く。ところが、国道のすぐ先には「道の駅天城越え」の標識が見えている。踊り子歩道は道の駅を通るのだが、そこへは遠回りをするらしい。

深い林の中を行き、ちょっと長い橋を渡る。橋から緩やかに上ると道の駅構内であった。今朝、車を停めていた場所に帰ってきたのだ。
ここで、スマホで踊り子歩道のイラストマップを写真に撮った。このスマホの写真を地図として活用するのだ。



 天城遊々の森へ
道の駅の踊子歩道入口


直進するのが踊子歩道


本谷川を渡る


天城ゆうゆうの森入口バス停


昭和の森会館の横から再び踊り子歩道に入る。すぐに、整備された庭園と古い宅があった。これは井上靖旧邸なのだ。柵がめぐらしてあって中に入ることはできない。これを見学するのは有料であった。
道ばたに「御礼杉」の説明板があった。徳川幕府時代に木材の禁伐制度「天城七木制」があったのだが、森林に対する感謝の意を示す杉がこれなのだ。古いものは樹齢200年を越えるという。
すぐ先に踊り子歩道のゲートがあった。

深い林の中をのんびり歩いて行くと、右に神社があった。小さな祠があって、「山神社」というのだった。
この先もきれいな林が続く。「天城七木制」で、木々が守られたおかげで、今の美しい森林があるのだ。

すぐに森林から抜け出ると広場があって、その先で未舗装の林道に出た。これを歩いて行くと、道が大きく右にカーブするところに指導標が立っている。林道から外れて直進するのが踊り子歩道だが、右に行くと「滑沢渓谷」なのだ。渓谷のほんのさわりだけでも見たいと思ってそのまま林道を行った。すぐに橋を渡ると、正面に「井上靖文学碑」があった。ここに刻まれているのは、井上靖デビュー作「猟銃」の一文であった。
文学碑から右に少し行くと本谷川に合流する沢があって、これがきれいな渓流であった。これを見ただけで分岐に引き返した。
分岐からは急な階段を上る。それからは右に本谷川を見ながら、樹林の中を歩いて行く。
静かな林の中に「天城街道」の説明板があった。
天城街道は文政2年(1905)に板垣仙蔵の努力で下田までの主要街道として完成したのだ。明治38年に旧天城トンネルが開通するまで、たくさんの文人墨客や歴史上の人物が行き交ったのである。
さらに林の中を歩いて行くと、国道のすぐ横を通ったが、そこには「天城ゆうゆうの森入口」のバス停があった。
ここから簡易舗装された道を行くようになって、すぐに小さな園地に着いた。ここが「天城遊々の森」のようである。ここにはかっての森林鉄道の機関車保存されていた。



 天城トンネルへ
高架が見えてきた


天城峠トンネルに向かう旧道


しら橋を渡ると八丁池分岐


天城トンネルまでの距離標識


旧天城トンネル


簡易舗装された道を少し行き、それから指導標に従って左の山道に入る。とつぜん「がけあり!足元注意」の標識がたっていて驚いたが、そんなに危険とは思えない道であった。
左に本谷川が流れていて、この川に沿って歩いて行く。

橋を渡って、左側に移る。橋はすごくしっかりした新しいものであった。今度は川の流れを右に見ながら行くと「わさび田あり 立入禁止」の標識があった。伊豆はわさびの名産地でもあるのだ。たしかにわさび田があった。私は松本に住んでいたときに安曇野の大王わさび畑をみているので、そんなに規模の大きいものには見えない。
行く手に高速道路の高架のようなものが見えてきた。これは天城トンネルに向かう国道414号線なのだが、このあたりが水生地である。指導標には「水生地下駐車場」と書かれているのだが、私は地下に駐車場があるんだと思っていた。でも、それは「水生地」の下にある駐車場のことなのだ。
国道の高架をくぐってから、急な階段を上って国道に出る。振り返ると駐車場が見える。私が勘違いした地下駐車場なのだ。踊り子歩道は、国道から旧天城トンネルに向かう旧道に出たのだ。ここからはこの旧道を歩いて行く。広いしっかりした道で、もちろん車も時々通る。
緩やかな上り道で、大きなカーブが何度かある。のんびり歩いて行くと短い橋があった。なにげなく橋の名前をみたら「踊り子橋」であった。なにか由緒があるのかと思った。
踊り子橋からほんの少し行ったところに川端康成の文学碑があった。川端の顔のレリーフもあって、石版には伊豆の踊り子の冒頭の文章が彫られていた。
道が大きく右にカーブするところで「しら橋」を渡る。ここには「日本の道100選 天城路」の石碑がたっていた。ここからは八丁池に至る遊歩道も分岐しているのだ。
ふと気がついたのだが、道ばたに1kmと書かれた標柱がたっている。これは天城トンネルまでの距離表示なのだ。このあと500mの標柱もあった。
少し行くと今度は双眼鏡を手にした人物のレリーフのある記念碑に着いた。天城を愛してその保護に努め、「熊親父」と呼ばれた江藤延男の碑であった。
このすぐ先が旧天城トンネルであった。昨日、ここから伊豆山稜線歩道の登山をスタートさせたのだ。
時間は
1025分になっていた。ここが踊り子歩道の最高点であり、中間点といっていい。ここで少し休憩することにした。


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