静岡県の山
旧天城トンネル→寒天橋→二階滝→平滑の滝→宗太郎園地→宗太郎杉並木→猿田淵→河津七滝→河津七滝ループ橋→吊り橋→福田屋→伊豆の踊子文学碑→湯ヶ野バス停

川端康成の小説「伊豆の踊子」の舞台となった天城越えの道がハイキングコースとして整備されている。浄蓮の滝から天城峠を越えて湯ヶ野まで続く20kmの道程である。
初景滝前の踊子像

 天城トンネルから二階滝へ
旧天城トンネルを抜ける


これが寒天橋


二階滝

BACK 浄蓮の滝から天城隧道へ

2013年4月23日

踊り子歩道は旧天城トンネルの中を通って行く。真っ暗なのかと思ったが、中にはちゃんと明かりがついているのだ。トンネルを歩いて行くと、思いがけず、車が走ってきた。重要文化財のトンネルを車が通っていいのかと思ってしまった。

トンネルを抜けて振り返ると、こちらには天城隧道のプレートはなかった。こちらにも駐車場があって、観光客がきていた。
広い林道は曲がりくねりながら緩やかに下って行く。15分ほど行くと、石造りの橋を渡る。バス停があって、寒天橋とかかれていた。石川さゆりの「天城越え」の歌詞にある寒天橋がこれなのだ。ここにも「日本の道100選 天城路」の石碑があった。
さらに林道を歩いて行く。時々車が通るのだが、舗装されていないのが救いだ。アスファルトの道は本当に足に負担がかかるのだ。
林道に歩道部分が現れて、これを行くことで車の心配がいらなくなった。
すぐに「二階滝(にかいだる)」の説明板の前に着いた。道の一段下に展望台があって、そこから立派な滝を見ることができる。名前の通り、二段になって流れ落ちる滝なのだが、上部は木に隠れてよくみえなかった。



 宗太郎杉並木へ
林道から右に下る


鉄の橋に着いた


滝見台休憩所


東屋が見えてきた(宗太郎園地)


宗太郎杉林道を行く


二階滝から
5分ほど行くと指導標がたっていて、ここから下ると二階滝駐車場となっていた。下に大型バスが何台も停まっているのが見えた。もちろん立ち寄ることはせずに、まっすぐに林道を行く。
滝から30分ほど歩いたところで、ようやく林道から右に下る分岐があった。ここからは山道になる。樹林の中、階段道を下るとすぐに舗装道路に出た。これは国道414号線で、渡ったところに踊り子歩道の指導標がたっている。
再び、山道をどんどん下って行く。大きな石がゴロゴロする荒れた道が続き、
5分ほどで鉄の橋が見えてきた。この橋のたもとに指導標がたっていて、平滑の滝100mと書かれている。私は滝が大好きなので行ってみる。
歩き始めて振り返ると、川の流れが滝となっているのに気がついた。これではないかと、少し引き返すと、下って行く道があった。通り過ぎてしまうところであった。
広い河津川全体が段差を持って流れ落ちているのだ。規模は全く違うがナイアガラのような形で、こうした滝もすばらしい。満足して分岐に引き返した。
鉄の橋を渡ると、そこにはわさび畑があった。わさびの緑の葉がきれいだ。
深い林の中を歩いて行く。小さな沢を何度か渡るが、ちゃんと橋がかかっていて、整備されている。でも、アップダウンも多くて、階段を上ったり下ったりするのだ。林の中に「滝見台休憩所」があった。ここから眺めると、樹林の間に滝らしきものがちらりと見えた。何という滝なのかわからない。

落石注意の標識があったので注意しながら階段を下り、鉄の橋を渡ると下にわさび畑と、砂防ダムがつくる滝が見えてきた。
階段を下って林道に降り立つが、これを横切って、さっき見た砂防ダムの滝のすぐ下を橋で渡る。
5分ほど行くと東屋が見えてきた。道の右には長い鉄橋がかかっている。この橋を渡って登って行くと二本杉峠に至るのだ。二本杉峠というのは、昨日伊豆山稜線歩道の登山で通過した旧天城峠のことである。
このすぐ先が園地になって、さっきから見えていた東屋がたっている。「宗太カ園地」というのだ。大きな木が聳えていて、その下に石仏が二体置かれていた。二本杉峠のほうから老夫婦が降りてきた。このコースはけっこう人気があるらしい。
杉林の中に道が真っ直ぐに続いている。「宗太カ杉林道」というのだ。7分ほど行ったところには休憩所・トイレがあって、さらに5分ほど行くと、林道から右に下る。林道を直進すると水垂のバス停があるらしい。
下り口にはたくさんの案内板があって、この先が「河津七滝」になるのだ。楽しみでワクワクしてしまう。でも、このコースは最近まで、大雨の被害で通行止めになっていたらしい。



 河津七滝
長い階段を下る


釜滝が見えてきた


河津踊子滝見橋


蛇滝


初景滝の踊り子像


お土産屋さんが現れた


きちんと整備された階段を下って行く。これはけっこう長かった。

ようやく渓谷に降り立つと、そこが猿田淵である。谷川がしぶきを上げて流れ、その先に大きな淵をつくっていた。この淵には天狗のモデルと言われる猿田彦にまつわる伝説があるのだ。
整備された歩道を歩いて行く。手すりや階段も新しくて、すごく歩きやすい。
渓谷を遙か下に見るようになると、「だるだるだんだんばし」があった。伊豆地方では滝を「だる」と呼ぶそうで、漢字にすると「滝々段々橋」ということになるのだ。この橋は下りになっているのだが、驚いたことに渡って行くと揺れる。吊り橋になっているのだ。下に降りてから振り返ると、確かに吊り橋であった。
急な階段をどんどん下って行くと、大きな滝が見えてきた。これが河津七滝の最初、「釜滝」であった。下まで下ると分岐があって、釜滝〜エビ滝を巡るコースに入る。吊り橋を渡った先に、釜滝の展望所がある。鎌滝が流れ落ちる巨大な断崖は顕著な柱状節理で、その眺めもすばらしい。滝の展望所には七福神の一つ、毘沙門天の石像があった。七つの滝にはそれぞれ七福神の一体が祀られているのだ。
釜滝から石段をアップダウンすると、再び吊り橋があって、その橋の上から「エビ滝」を眺めることができる。二段になって流れ落ちる滝で、ここには恵比寿が祀ってあった。(エビ滝に恵比寿とはシャレなのか…)
このすぐ先で、さっき分岐した道と合流して、再び下りになった吊り橋を渡る。この橋には「河津踊り子滝見橋」と名がつけられていた。この吊り橋は微妙なカーブを描いて下っているモダンな吊り橋であった。
次に現れるのが「蛇滝」である。高さは低いのだが、滝が落ちた先が大きな淵をつくっていて、その神秘的なまでの蒼がすばらしい。
渓流に沿って歩いて行くと、急な階段の下りになった。降り着いたところが広場になっていて、そこから「初景滝」が見えた。この滝見台には踊り子像があるのが特徴で、伊豆の観光パンフレットに使われる図である。
川に沿って歩いて行くと、川の中に注連縄が張られた大きな岩があった。岩の上に受け皿のような窪みが見える。岸から小石を投げて、これに入れることができたら幸運ということらしい。小石3個が100円となっていた。
再び踊り子像があった。こちらは新しいもののようだ。そのすぐ先に「カニ滝」があった。そんなに大きいものではないが、岩の間を激しく流れ落ちている。
この先はお店が現れて賑やかになった。すぐに車道に出てしまったが、その先に「出合滝」の入口があった。
階段を下って行く。
岩を噛む激しい流れがあって、その先で狭い溝を流れ落ちている。この狭い回廊を流れ落ちる姿は見ることができない。さらに先に進むと、もう一つの滝があった。要は二つの滝が出合っているので「出合い滝」なのだ。
車道に戻って、観光客の中を歩いて行く。最後の「大滝」があるはずと思って、探しながら歩いたのだが、驚いたことに、大滝に下る道は崩落したために閉鎖されているのだった。小さな広場に弁天像だけを見ることができた。



 終点湯ヶ野へ
ループ橋をくぐる


藪をかき分け強引に下った


古い指導標を見つけた


吊り橋から振り返る


石畳の遊歩道に入る


東海バス


湯ヶ野バス停


さて、この先、踊り子歩道の指導標がまったく見つからない。ともかくカンで歩いて行く。
緩やかに下って行くとループ橋の下に着いた。見上げるループ橋はすごい。
このあたりで右に分岐するはずなのだが、どうにも指導標がない。それらしき分岐はあったのだが、指導標がないので通過してしまった。(本当はこの道でよかったのだ。)

車道をどんどん歩いて行って、ループ橋の向こうの道に出てしまった。どうもおかしい。スマホの写真で地図を確認したが、明らかに通り過ぎてしまっている。車道をこのまま歩いても湯ヶ野に着くことはできるのだが、やっぱりゴールは踊り子歩道を歩いて迎えたいではないか。
スマホの地図では車道が大きくカーブするところで、踊り子歩道が一番接近するようになっている。そのカーブまで行って、下を見下ろしたら道が見えた。ここから下ることはできないのかと探したら、藪の中にかすかな踏み跡があった。これを下ることにした。すさまじい藪で、倒木が遮っていたりで、引き返そうかとも思ったが、強引に藪をかき分けて、なんとか下の道に出ることができた。ほっとした。

あとは舗装された田舎道を歩いて行く。
道祖神の祠を見て、少し行くと石橋を渡る。その少し先で、石壁に打ち付けられた踊り子歩道の標識を見つけた。すごく古いもので、朽ちかけていた。(あとで手に入れた踊り子歩道ハイキングマップでは、河津七滝のバス停で踊り子歩道は終わっているのだ。今、私が歩いている道はもう使われていなくて、指導標も整備されていないということなのだ)
指導標から少し行くと民家の間を抜けて田んぼが広がった。ここにも古い指導標がたっていて、湯ヶ野まで1.6kmと書かれていた。もうすぐである。
田んぼを眺めながら歩いて行くと、舗装道は尽きて、その先に吊り橋があった。歩行者が一人通れるだけの幅しかないがけっこう長い吊り橋である。
吊り橋を渡って石段を上るとグランドのような広場に着いた。これを横切って下ると舗装道に出て、そこに踊り子歩道の指導標があった。湯ヶ野まで1.2kmであった。
車道を少し行くと、右に下る指導標があって、橋を渡って、再び林道に出る。少し行ったところに石仏や石碑があって、そこには「下田街道小鍋峠」の標識があった。
視界が広がって、町が見えてきた。これが目指す湯ヶ野である。小鍋橋を渡って町の中に入って行くと、右に下って行く指導標があった。細い道は石畳で整備されていて、手すりもきちんとつけられている。
緩やかに下って行くと、右に橋があって、その先正面に「福田家」という旅館が見えた。これは伊豆の踊り子の宿として有名なのだ。
橋を渡って福田家の前で写真を撮り、その右にある「伊豆の踊子文学碑」を見に行った。この石版には伊豆の踊子の湯ヶ野での場面が刻まれていた。
橋に戻って、少し行くと、左に上がって行く整備された道がある。上りきると国道で、そこに湯ヶ野のバス停があった。ちょうど15時になったところであった。バスの時間をみると、次は1514分であまり待つ必要はない。よかった。バス停の向かいにコンビニがあるので、買い物にいった。別に欲しいものはないのだが、1万円札しかなくて、バスの料金を払うため崩す必要があったのだ。2分ほど遅れてバスはやってきて、車を停めた浄蓮の滝駐車場に戻ったのは16時ちょうどであった。
バスに乗ってから、踊り子歩道終点の標識を確認しなかったことに気がついた。すごく悔やまれるのだが、後の祭りである。



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