猫越岳山頂から灌木のトンネルを下って行く。道に朽ちた杭が二列並んで続いている。これはかっては丸太の階段を支えていたものらしい。さすがに伊豆の山は歴史があるのだ。
5分ほど下ると「猫越岳山頂の池」をさす指導標がたっていた。道のすぐ左に池が見えるので行ってみた。けっこう広い池だが、水は濁っている。
池から少し行くと階段が現れて、これを登ると視界が開けた。ここは猫越岳展望台と呼ばれるところであった。360度の展望が広がっているのだが、富士山は見えなかった。これから向かう北の山並みが一望できるのだが、一昨日登った達磨山などの特定はできなかった。
展望台からは崩れかけた階段の下りで、ロープも下がっていた。長い階段の下りになって、平坦になると馬酔木などの灌木のトンネルを抜けて行くのだ。緩やかなアップダウンを繰り返して、後藤山山頂に着いたのは14時10分であった。ここも山頂らしからぬところで、稜線のアップダウンのなかのちょっとしたピークという感じであった。
長い階段を下って行く。5分ほどで、行く手の視界が開けて、広大な草原が見えた。この草原は天城放牧場なのだ。その先には草原の丸いピークが見え、そこに登山道が続いている。一昨日の達磨山の雰囲気に似てきた。
下って行くと、突然、舗装道に出た。ここが仁科峠かと思ったらそうではなくて、この道は横切って、再び草原の道を緩やかに上るのだ。
笹の草原の中に広い道が真っ直ぐに伸びている。振り返ると後藤山とその後ろに猫越岳が見える。すばらしい眺めだ。
大きな岩のあるピークに着いた。ここは「仁科峠展望台」で、行く手には車道が見えて、駐車場も見える。これが仁科峠であった。
展望のピークから階段道を下って、仁科峠に着いたのは14時半であった。
もう14時半、この仁科峠から車をおいた船原峠までは9km以上もあるのだ。本当に暗くなってしまいそうだ。でも、ともかく行くしかない。
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