ミクリガ池展望台から地獄谷に下る道があるのだが、それは通行止めになっていた。火山活動が活発で、有毒ガスを噴出しているらしい。
石段を登って「みくりが池温泉」の建物の前に着いた。この前を通ってさらに石段を上るとエンマ台展望台に着く。ここからは地獄谷を一望できるのだ。
下には硫黄で白くなった平原が広がっていて、あちこちで白い噴煙があがっている。ここまで硫黄の強烈なにおいが流れてくる。これってもしかしたら有毒なのかと心配してしまう。ここから振り返ると立山連峰の眺めがすばらしい。「国指定天然記念物
立山の山崎圏谷」という石碑があった。
展望台から石畳の遊歩道を行くと、右下に湿原があって、池塘も見える。池の中が赤くなっているので、ガイドマップを見たら、これが血の池であった。道の左下にも池が見える。水がほとんど涸れかかっているのだが、リンドウ池であった。
石畳の階段を下って行く。細い尾根に続く石畳の遊歩道は尾瀬ヶ原に続く木道のようでもあって、これはこれでけっこういい眺めなのだ。
鞍部から雷鳥荘に向かって上って行くと、道ばたのハイマツが赤く枯れていた。これも火山ガスのせいなのだろうかと、有毒ガスが心配になった。
雷鳥荘はすごく新しくて、最近落成したばかりのようである。雷鳥荘の前の広場からはテント場の雷鳥平が一望できて、テントがちらほら張られている。また、ここからは地獄谷も眺めることができるのだ。
石段をどんどん下って行く。左に雷鳥沢ヒュッテを見て、さらに下ってようやく雷鳥平に着く。テントを張り終えたのは13時45分。あとはのんびりするだけである。
テントは丸太のベンチのすぐ横に張ったので、これに腰掛けて雷鳥平を囲む山々を眺めてウィスキーを飲んだ。真っ青な空が広がっていて、紅葉が始まった立山の眺めはすばらしい。つい酒を飲み過ぎてほろ酔いになってしまった。
次第に日が傾き始めると立山の上に月が見えた。ため息が出るような絶景である。
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