甲信越百名山甲信越百名山
おくちゃうすやま

標高 2474m
青木林道入口→2:10→地獄谷林道分岐→1:20→林道終点→1:40→奥茶臼山山頂→1:10→林道終点→2:50→青木林道入口

この山へはひたすら林道を歩き続けるしかない。片道13.5kmの林道歩きは本当にイヤになってしまうのだが、山頂直下からは南アルプスの大パノラマを眺めることができる。この眺めで4時間の林道歩きは報われる。
林道から奥茶臼山

BACK 南木曽岳


2006年1019

今日は「日本三百名山」の奥茶臼山に登るのだが、私は日本山岳協会が選定した三百名山には極めて批判的なので、意識して三百名山を登ろうとは思わない。
ただ、近くまで行ったらついでに登ることにしている。この奥茶臼山もそうした山である。
冒頭に言ってしまうと、この山の良さはたった一つ、山頂のすぐ下の伐採地からみる南アルプスの展望である。しかし、そのためには13.5kmの長い長い林道歩きをしなければいけない。もし雲りや雨で展望ができないようだったら、この山に登るのは止めたほうがいい。展望ができてこそ、片道4時間の長い林道歩きが報われるのだから。
私が登った日は素晴らしい天気で、しかも紅葉真っ盛りであった。

国道315号線を上村に向かって走って行くと、地蔵峠の手前に青木林道の入口がある。ここが登山口である。この林道入口のすぐ傍に材木を積み上げた空き地があったので、ここに車を停めた。
歩き始めたのは625分である。
林道入口はしっかりとゲートが閉まっている。
このゲートから長い林道歩きが始まる。最初はかなり傾斜がきつい。20分ほど登ると視界が広がって、朝日を受けた山々が見えてきた。
林道にはカーブ毎に番号がつけられていて、1番カーブ、2番カーブと表示がされているのだ。結論からいうと、このカーブは29番まであるのだ。そして、ゲートからの距離も書かれていて、自分がどれだけ歩いたかわかるようになっている。
このカーブナンバーのほかにも500m毎に白い杭がたっている。ともかく、これを目安にひたすら林道を歩いてゆくのだ。
1時間ほど歩いたところが第9番カーブであった。右には深い谷があって、その向こうに聳える山に朝日があたっている。山肌は紅葉に包まれていた。
歩いている林道にも朝日があたるようになって、まわりの紅葉が輝きはじめる。すばらしくきれいである。
14カーブを過ぎたところに林道の分岐があった。右の道に工事の現場入口という看板が立っている。道幅は同じくらいで、左が登りになっている。どっちだろうと迷ったが左の道を行ってみた。樹林の中を登って行くと、工事現場に出て行き止まりであった。引き返すしかなかった。
歩き始めて2時間、いいかげん疲れてきた頃に地獄谷林道の分岐に着いた。ここは第19カーブで7.3km地点であった。
このあたりから紅葉がめちゃくちゃにきれいになった。谷を埋めつくす紅葉、林道は黄色く色づいたカラ松の林を抜けて行く。どこを向いても美しい紅葉なのだ。おかげで単調な林道歩きも少しは慰められる。
行く手に大きな花崗岩を山肌に抱えた山が見えてきた。これが奥茶臼山かと思ったら、そうではなくて前茶臼山なのだ。
10kmを過ぎて、29番カーブからは遠くに中央アルプスの山並みが展望できた。今日は快晴で、くっきりと展望できる。
29番カーブから林道終点までは真っ直ぐで平坦な道である。行く手には左に前茶臼山、右に奥茶臼山が展望できる。この二つの山を結ぶ稜線が実は奥茶臼山への登山道なのだ。
林道終点に着いたのは105分である。
ここで休憩した。今までは林道を歩くだけだったが、これからが登山なのだ。ガイドブックには「登山道は踏み跡程度のもの」と書いてあるので、気を引き締めないといけない。
呼吸を整えて登山道に踏み込む。すぐに前茶臼山への分岐があったが、その道はまったくわからなかった。踏み跡すらないという感じであった。でも奥茶臼山への道は明瞭で、迷う心配はなさそうである。
少し行くと崖が行く手を遮ったが、そこには新しい桟橋がつけられていた。道はきちんと整備されているようで、これなら大丈夫である。
次に大規模な崩落地を通過するが、そこにつけられた踏み跡もしっかりしていた。
林道終点から20分ほど歩いたところで大規模な伐採地跡に着いた。この伐採地では踏み跡が細くなって、ルートを慎重に確認しながら歩かなければいけなかった。
急登するとようやく稜線に着いて傾斜は緩やかになる。樹林の中の平坦な道が続くのだが、これがけっこう長い。稜線の左には南アルプスが見えるのだが、樹林がジャマをしている。ちゃんと展望できるところがあるのか、それだけが心配で気がせいた。
急な登りになると行く手に岩壁が見えてきた。茶臼山は樹林におおわれただけの山と思っていたのだが、岩壁も持っているのだ。絶壁の横を急登する。
登りきるとに伐採地の台地で、すばらしい展望が開けていた。
左には仙丈ケ岳、その右奥に白い甲斐駒ケ岳、そして高くそびえる北岳。そこから間ノ岳、塩見岳と連なって、赤石岳、聖岳までの山並みが一望できるのだ。真っ青に晴れ渡った空の下に、南アルプスが悠然と連なっている。ただ、ため息。長い13.5kmの林道歩きが報われてという感じである。
ともかく、まず山頂を目指す。ここからは近いのだ。
急な伐採跡を登って樹林の中の山頂に着く。1147分であった。
山頂には山名の標識はなくて、三角点に奥茶臼山と刻まれていた。
展望はできないのかとさらに奥までいってみると、南アルプス南部の一部が展望できた。
展望のない山頂にいてもしかたがないので、さっきの展望の伐採地跡まで下って、ここで休憩した。
30分ほど、コーヒーを飲みながら大パノラマを眺めていた。
今回の登山旅行は、日本アルプス展望の山旅といった感じで、しかも天気に恵まれている。北アルプス、八ヶ岳、中央アルプス、そして今日の南アルプス。すべての展望を見ることができた。本当にラッキーである。
ここで携帯を操作したら電波が通じていた。天気予報を確認したら、これから3日間は晴れが続くという。雨になったら休養しようと思っているのだが、あと3日は山に登り続けなければいけない。
下山開始。林道終点に戻ったのは1325分。あとはひたすら林道を歩く。途中、ショートカットできるところは、どんどん樹林に踏み込んで急な斜面を下った。奥茶臼山を振り返ったり、きれいな紅葉の写真を撮ったりしながら下ってゆく。
車の前に戻ったのは1535分であった。16時は過ぎるだろうと思っていたのだが、比較的早く帰って来れた。よかった。

さて、明日は熊伏山に登るのだが、地図ではこの先の地蔵峠で道は行き止まりになっている。このためカーナビは来た道を引き返して大きくまわりこんで、地蔵峠のすぐ先に出るようになっている。
でも、昨夜は車で寝ていたのだが、峠の方から来る車がけっこうあった。通り抜けれるのではないかと思う。
行ってみることにした。
カーブを繰り返して地蔵峠に着く。そのさきにも舗装道路は続いていた。よかった。
この道を走って上村に下り、そして南信濃村に着いた。ここのスーパーで買い物をしてガソリンを満タンにした。
南信濃村から秋葉街道に入る。この終点が熊伏山の登山口である。


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青木林道入り口。ゲートはしっかり閉まっている


旭があたり始める


第9カーブ。ひたすら林道を歩く


林道にはこんな標識がたっている


第19カーブ。地獄谷林道との分岐


紅葉の道を行く


10km地点


前茶臼が近づくと林道終点は近い


林道終点


伐採地を登る


崖の横を登る


展望の伐採地に着いた


奥茶臼山山頂


山頂の三角点





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