甲信越百名山甲信越百名山
なぎそだけ

標高 1677m
南木曽キャンプ場→40分→喉の滝→1:30→南木曽岳山頂→10分→避難小屋→35分→摩利支天→2:00→キャンプ場

この山の登山道は一方通行なのだ。登山道には桟が多いのだが、朽ちていてけっこう怖い。でも山頂から下ったところにある展望台からはすばらしい中央アルプスの大パノラマを眺めることができる。
左奥が南木曽岳山頂

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2006年1018

登山口にある駐車場に車を停めて寝た。
家を出てから今日で10日目である。毎日山に登っているので、さすがに疲れてきた。どこかで休養日を設けたいのだが晴れた日が続いていて、天気がいいのに山に登らないなんて耐えられない。でも、この週末は天気が崩れるみたいなので、その時は丸一日温泉でのんびりしようと思っている。

南木曽岳登山口にはよく整備された大きなキャンプ場があって、その駐車場から100mほど歩くと小屋がたつ広場がある。林道はさらに続いているが右に遊歩道入口があり、登山道近道と書いてあった。
樹林の中を遊歩道が続く。東屋を過ぎると再び林道に出てしまって、ここからはしばらく車道を歩く。砂が敷かれた歩きやすい林道を行くと「金時の池」があった。金時はこの池で産湯をつかったという。金時(金太郎)というのは関東の足柄山で生まれ育ったと思っていたのだが、ここにも金時伝説があるのだ。この山に住む山姥が生んだのが金時童子で、青年になってから京に上って源頼光になったというのだ。

金時池のすぐ先が登山道入口で、ここからは深い樹林の中を緩やかに登って行く。15分ほどで上りのコースと下りのコースの分岐に着いた。南木曽岳の登山道は上下一方通行になっているのだ。登りのコースは左なのでこの道を行く。
分岐から少し行ったところに金時の洞窟があった。大きな岩があって、その下が岩屋になっている。これは登山道から眺めるだけにした。
道はだんだん急な登りになってくる。この山は花崗岩で覆われていて、いたるところに巨岩が突き出ているのが見える。そのため道はデコボコしていて、所々に桟がかけられている。桟が多いのがこの山の特徴なのだが、それが古くてなって朽ちているため渡っていくのが怖い。はじめは慎重だったのだが、だんだん慣れてきて、いつのまにか平気で渡るようになっていた。
登山道を30分ほど登って「喉の滝」に着いた。私は滝が大好きなので、どんな滝だろうと期待していたのだが、水がまったく流れていない。喉の滝という名は、流れ落ちた水がここで地下に浸透してしまうことからつけられたそうだが、ともかく滝なんてどこにもなかった。
さらに5分ほど上ると最後の水場の「金明水」なのだが、ここもまったく涸れてしまっていて水の痕跡すらない。
樹林の中の急登になる。巨木が林立する中を行くと説明があって、この林は高野槙なのだそうだ。高野槙は、ついこのあいだ秋篠宮家にお生まれになった悠仁親王のお印である。皇室典範が改正されて女系天皇が認められないかぎり、悠仁親王が天皇に即位されるはずである。そのお印の高野槙なのでしみじみ見てしまった。(余談だが、私はかなり保守的な考えの持ち主で、天皇家は絶対に男系で貫くべきだと思っている。最近はジェンダーフリーだとか、ゆき過ぎた男女平等の考えが蔓延していて、けっこう怒りを感じているのだ。)
高野槙の巨木の中を急登する。道はますます急になり、これをあえぎながら登ってようやく広場に出た。そこからは50mの鎖場を登るはずなのだが、今はこの鎖場は通行止めになって、代わりに手すりのついた桟がつくられていた。
この前で休憩して呼吸を整える。
桟を過ぎるとさらに厳しい登りが続く。急な登りの中、振り返ると鯨のように横たわる恵那山が見えた。
登山道の右には大きな花崗岩がいくつも突き出た山が見える。これが南木曽岳かと思って地図で確認するとどうも違う。南木曽岳のとなりの摩利支天のピークであった。
登山道にカブト岩の説明板がたっていたが、どれがカブト岩なのかよくわからない。摩利支天の山腹に見える大きな花崗岩のことなのだろうか。
ようやく傾斜がゆるやかになると、金時池の分岐があった。どんな池だろうと池への道に入ったがすごい笹薮で、背の高さの笹を掻き分けて行かなければいけない。すぐに引き返してしまった。
ここからはすぐに山頂であった。山頂は樹林の中で展望はまったくきかない。三角点と山名の書かれた石碑がたっていた。少しだけ休憩してすぐに出発した。ガイドブックによるとこの先にすばらしい展望台があるというのだ。
すぐに南木曽大明神の石碑がたつ巨岩の前に着いた。左に見晴台という案内がるので行ってみると、そこは巨岩の上で、南木曽岳と書かれた板も置かれている。さっきの山頂よりもこっちのほうが高いような気もする。ここから御嶽山がきれいに見えた。でも展望は御嶽山の方角だけで、あとは樹林が視界を遮っている。ガイドブックには中央アルプスも一望できると書いてあるのに何故なんだと叫びたくなった。(ガイドブックの展望台はここではなかったのだ)
先に進む。樹林の中を緩やかに下って行くと、行く手に展望の開けた丘と赤い屋根の小屋が見えた。これがガイドブックのいう展望台であった。
小屋から少し行くと広場に大きな岩があって、その上に登ると中央アルプスの大パノラマが広がっていた。真っ青な空のもと、左の木曾駒ケ岳から始まって空木岳、南駒ケ岳、越百山、摺古木山まで一望できるのだ。そのすばらしさに、いつか中央アルプスを全山縦走したいと思ってしまうのだ。
中央アルプスの左遠くには穂高・槍、そして乗鞍岳、その左に大きく御嶽山が聳えている。ともかくすばらしい眺めだ。
この時期にアルプス周辺の山に登ったのは大正解であった。秋晴れの天気に恵まれて、鉢伏山では北アルプス、入笠山では八ヶ岳、そして今日の南木曽岳では中央アルプスだ。本当にうれしくなってしまう。

コーヒーを飲みながら、この素晴らしい景色を長い間眺めていた。
名残はつきないが下山開始。笹の草原の中を下ってゆく。振り返ると南木曽岳は緑の笹原に覆われ、そのなかに花崗岩の巨石が点在し山頂は濃い緑の針葉樹、すばらしい眺めだ。
下に古い避難小屋が見えた。新しい小屋があるのだから今は使われていないはずだ。その分岐を過ぎると緩やかな登りになって、頂稜に着くと摩利支天大神展望台への分岐があった。行ってみることにした。
潅木の中を行くと突き当たりは巨岩が重なっていて、これが展望台である。この巨岩の上に立った。怖かったが、すばらしい眺めである。紅葉もきれいだ。南木曽岳の特徴は山腹に多くの花崗岩が突き出していることなのだが、それが紅葉とあいまってものすごく美しいのだ。
振り返るとすぐ傍の岩の上に摩利支天の石碑がたっているのが見えた。
分岐に戻ると、あとはひたすら下りである。すさまじく急な下りで、いたるところに木の梯子がかけられ、鎖も下がっている。桟も多いのだが、そのいくつかは朽ちていて、これを渡るのはけっこう怖い。ともかく、このマッ逆さまといった感じの道をひたすら下って行く。きつい下りだったがきれいな紅葉が疲れを忘れさせてくれる。
ひたすら下り続け、高野槙の自然林に入る。摩利支天の分岐から45分、ようやく登りコースと下山コースの分岐に着いた。ここから傾斜は緩やかになる。
男滝女滝の分岐に着いたので、予定通り滝に寄っていく。
樹林の中を緩やかに登ってから右折して下る。沢の流れを渡るとその上流が滝であった。滝は二段になって流れ落ちて水量は少ないが素敵な滝である。これが男滝で、女滝はこの沢の隣の沢にある。かなり奥まったところに滝が見えた。沢を遡って滝の真下まで行った。絶壁の岩盤に流れが広がって落ちる滝であった。
滝も見て満足して登山口を目指す。
駐車場に戻ったのは1120分である。

今日はこれから飯田経由で奥茶臼岳の登山口に向かう。疲れもたまっているので、途中で温泉を探すつもりだ。


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登山口


東屋に着いた


金時の産湯の池


登山道が始まる


いたるところに桟がある


金明水、まったく水はない


高野槙の林


鎖場ではなく桟の道を行く


登山道から摩利支天を望む


南木曽岳山頂


展望台、御嶽山の眺めがすばらしい


小屋とその向こうが本当の展望台


恵那山が展望できた


摩利支天からの展望


こんな道をひたすら下る







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