BACK 美ヶ原
2001年7月29日
今日の行程は長い。
針の木の大雪渓を登って針の木峠まで行って、そこから東西に聳えている「針ノ木岳」と「蓮華岳」を往復するのだ。時間的には11時間ほどかかりそうだ。
明るくなったらすぐに出発しようと思っていたのだが、なんか頭がすっきりしない。昨日の夜中、1時半頃に目を覚ましてしまって、それから3時まで星をみながらウィスキーを飲んでいた。これで睡眠不足のうえ、酔いも残っているようなのだ。
扇沢バスセンターで水を補給して、登山口向かう。
しばらくは舗装道路に沿って、これをなんどか横断しながら歩いて行く。
大きな広場に着くと、そこからようやく山道になる。
その広場の登山道入り口から、高い山並みが見えた。あれが針ノ木だろうか。今日は天気もよくて、山がすばらしくきれいだ。
林の中を沢に沿って登って行く。どうも調子がよくない。足が重いのだ。
途中に湧き水があった。冷たい水が勢いよく湧き出している。ここで休憩。
水をたくさん飲んでしまった。そうしたら、なんか調子が良くなってきた。どうも朝、水分の補給が足りなかったようだ。私は、山では喉が渇いたら水をどんどん飲んでしまう。水を飲むとバテるという話があるが、これはウソだと思っている。喉が渇いて、水を飲まずに我慢するほうが、よっぽどバテる原因になると思っている。
大沢小屋に着いたのは6時半。この小屋の前の岩にレリーフがあって、そこに木暮氏の「山を想えば人恋し、人を思えば山恋し」の文が刻まれていた。
この小屋から雪渓はすぐだと思っていたら、40分もかかった。
いよいよ針ノ木大雪渓を登る。
白馬大雪渓、飯豊の石転び大雪渓、そしてこの針ノ木を日本三大雪渓というのだ。
この雪渓登りに備えて軽アイゼンを持ってきたが、登りではアイゼンはつけない。
ゆっくりと登って行く。
思ったより雪渓は短くて、あっさりと通過できた。でも最後は傾斜がすごくきつかった。とは言え、この5月に登った毛勝山の登りに比べたらまるで簡単。
雪渓が終わると、すさまじく急な登りが待っていた。そこをジグザグに登って行く。
ようやく針ノ木峠に着いたのは10時少し過ぎた頃であった。ここには針ノ木小屋があって、たくさんの登山者が休憩していた。
針の木峠ではすばらしい展望が待っていた。北アルプスが一望できるのだ。
真っ正面に槍ケ岳が見える。その横に連なっているのは穂高の吊尾根。
この槍ケ岳から左に鷲羽岳、黒岳。そして赤茶けた赤牛岳が続いている。
黒岳から手前に連なっているのは野口五郎岳。私はこの山並みのすべてを歩いている。なつかしい。
ともかく天気は快晴で、アルプスがくっきりと見える。来てよかった。
|