私の近畿の山百選
しずがたけ

標高 421m
岩崎山登山口→30分→中川清秀の墓→10分→猿ヶ馬場→40分→賤ヶ岳山頂→10分→飯浦分岐→10分→国民宿舎余呉湖荘→30分→岩崎山登山口

賤ヶ岳といったら豊臣秀吉と柴田勝家との古戦場である。登山路にはその史跡がいたるところに残っているのだ。山頂からは琵琶湖と余呉湖を一望できる。下山して振り返ると鏡のような余呉湖に賤ヶ岳がきれいに写っていた。
余呉湖から賤ヶ岳

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2007年914

昨夜は登山口の余呉湖観光館駐車場に車を停めたのだが、夜はものすごく蒸し暑くて、車のクーラーを入れるしかなかった。
天気予報通り夜中から朝にかけて雨が降って、やっぱり登山は無理かなと思っていたのだが、
6時頃に雨は止んだ。空も明るくなってきたので賤ヶ岳に登ることにした。往復でも3時間ほどの登山なので、途中から雨になってもたいしたことはない。
観光館の前から歩き始めようとしたが、登山口まで車で行ってみることにした。これは正解であった。登山口の前にはちゃんと駐車スペースがあったのだ。
賤ヶ岳の岩崎山登山口には、昔、大岩があったらしいのだが、道路工事で撤去されてしまったのだそうだ。ここから眺める余呉湖は鏡のように静かで、山影をきれいに写している。でも、賤ヶ岳はどれだろうと思う。
登山口から階段の道を急登する。鬱蒼とした杉林の中を10分ほど登ると稜線に着く。ここからはほとんど平坦な道である。すぐに分岐があって稜線を辿る道と合流する。
右が杉林、左が自然林の稜線をのんびり歩いて行く。道は林道のように広いしっかりした道で、登山をしているような気がしない。賤ヶ岳古戦場の遊歩道を散策しているような感じである。
合流点から10分ほどで林道に出てしまった。でも、この道を少し行くとすぐに左に登山道の入口があった。少しだけ急な登りをすると中川秀清の墓の入口に着いた。せっかくなので立ち寄る。中川清秀というのは大阪の茨木城主だったのだが、この合戦において、柴田勢の佐久間政盛の奇襲にあって、主従全員が壮絶な戦死をとげてしまうのだ。この戦いによって賤ヶ岳の合戦が始まるのだが、豊臣秀吉はこの戦で柴田勝家を破り、織田信長の後継者としての地位を確立するのだ。中川家はその後、九州の岡城に移封される。岡城といったら、滝廉太郎が「荒城の月」作曲の構想を練った城である。
分岐から少し上ると広場があって、その奥に鉄柵に囲われた墓がある。目を引いたのは、柵につけられた紋が十字をあしらっていることだ。中川清秀は切支丹大名だったのか?
分岐に戻って少し行くと再び林道に出る。でも、すぐに林道終点で、ここからは登山道になる。杉の林の中を下ると「首洗いの池」の標識があった。50mほど下ったところに中川清秀の首を洗った池があるのだそうだ。行ってみたら池というようなものではなくて、水場のようなものだった。
さらに5分ほど行くと今度は「猿ヶ馬場」の標識がある。秀吉が賤ヶ岳合戦で最初に陣を敷いた場所なのだ。こんな山の中の鬱蒼とした林の中で指揮ができるのかと不思議に思った。昔は視界が開けていたのだろうか。
「賤ヶ岳まで1km」の標識のあたりから傾斜がきつくなる。これを登りきったところには一ノ宮橋への分岐があった。
杉林の道から、しだいに自然林が多くなる。ガイドブックには、コナラ・アベマキ・クリ・アズキナシなどの落葉広葉樹林と書いてあるのだが、私は木の名前はさっぱりわからないのだ。傾斜がきつくなって、ブナの林の中に入る。ブナ林は本当にきれいだ。
この林を登りきって、傾斜が緩やかになったところには「熊出没」の看板がたっていた。賤ヶ岳に熊がいるのかと驚いてしまった。
すぐに丸太小屋のようなトイレがあって、その先が山頂である。

山頂は広くて、展望台が二つある。右の展望台からは余呉湖を見下ろすことができるのだが、余呉湖は半分霧に隠れていた。左の展望台からは琵琶湖を眺めることができて竹生島も見えた。
賤ヶ岳といったら秀吉と柴田勝家の古戦場なのだが、陣立ての立派な図がたてられている。この戦いでは秀吉子飼いの武将が勲功をあらわすのだが、それが賤ヶ岳七本槍である。その彫像が置かれていた。
山頂には三角点があって、それは三等三角点であった。
一番奥に東屋があるので、そこで休憩。自販機があったので、冷たいジュースを飲むことができた。

東屋のすぐそばに下山路がある。樹林の中を階段の急な道が続く。10分ほど下ると琵琶湖の北岸、飯浦に下る道との分岐に着く。ここでは余呉湖のほうへ下る。杉林の中をジグザグに急降下して、10分ほどで余呉湖湖畔の国民宿舎へ着く。
あとは湖畔の車道をのんびり歩いて行くだけである。この道は近江北陸自然歩道でもある。湖畔の所々に園地が設けられていて、山口誓子の歌碑もあった。
振り返ると、鏡のような湖面に賤ヶ岳が映っているのが見えた。
登山口に戻ったのは105分である。


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岩崎山登山口


階段の道を登って僚船に出る


稜線の道に合流する


中川秀清の墓への道


首洗いの池分岐


猿ヶ馬場


賤ヶ岳山頂


山頂の東屋、この右が下山路


飯浦分岐




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