帰りは東に延びる尾根を下る。ネットの柵の間を急降下するのだが、このネットの向こうはブナの林である。本州南限のブナ林と知ったので、写真を何枚も撮ってしまった。
それにしても緑がすばらしくきれいである。
けっこう痩せた尾根を下って行く。最初は急な下りであったが、すぐに緩やかなになって、そこには「足郷トンネル」とかかれた指導標がたっていた。緩やかなアップダウンが続く。20分ほど歩いたところで、急な登りになった。木の根が網のように張りだした尾根を急登すると、展望の開けたピークに着いた。振り返ると、ブナ林におおわれた大塔山山頂を見ることができた。
このピークから下って行くと、大塔山ハイキングコースという指導標があって、山頂まで1kmと書いてあった。1kmの道を私は30分かかって下ったことになる。時間がかかりすぎなのだが、途中何度も立ち止まって写真を撮っていたのだからしかたがない。
ここから200mほど行くと赤倉岳との分岐があった。ここがガイドブックにある「赤倉辻」のようである。
きれいな樹林の尾根が続く。赤倉辻から20分ほどのところには「山頂まで2km、登山口まで5km」という指導標があった。登山口ってどこのことなのだろう。船見峠のことだろうか。
さらに照葉樹林の尾根を20分ほど下ると、ピンクの花が咲いているのを見つけた。シャクヤクの花であった。このあと頻繁にシャクヤクを見ることができるようになった。ガイドブックにはアケボノツツジなどが見られると書いてあるのだが、これを見ることはなかった。もう花の時期は終わったのだろうか。
シャクヤクの咲く尾根を少し急登したら、少しだけ展望が開けたピークに着いた。釈迦岳・玉置山・笠捨山などと見える山の名前が書いてあるのだが、どれがどれなのかよくわからなかった。ここがガイドブックの905mピークかとも思うのだが、私の高度計では870mほどしかないので、確信がもてない。ここには山頂まで3kmという標識もあった。
このピークから下って行くと杉林に入って、杉の切り株の上に「中間点、あと3.5km」という標識が置かれていた。
ここまで尾根の上を忠実にたどってきたのだが、尾根の右を巻くところがあった。足郷山の山頂は捲くと書いてあるので、もう足郷山かと思ったら間違っていた。再び尾根に出て、急な道を登って行くのだ。行く手にはかなり高い山が聳えている。地図をよく見ると、山頂を捲くのだが、それは山頂のすぐ傍まで登ってのことなのだ。急な登りが平坦になって下りになるところに左に踏み跡があった。これが足郷山山頂への道だった。山頂といっても、標識も何もないかもしれないのだが、一応行って見ることにした。
尾根を100mほど緩やかに登ると、三角点があって、その奥に足郷山880mと書いた標識がたっていた。樹林に囲まれているが、りっぱな山頂である。記念写真を撮った。
山頂から少し奥に行くと南側が開けていて、山々を見ることができた。
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