私の近畿の山百選
なぐさやま

標高 683m
旧山門→25分→八龍滝→10分→七種滝(七種神社)→40分→七種山山頂→35分→鞍部→40分→七種槍→1:05→393峰→1:00→野外活動センター→25分→旧山門

七種山のおもしろさは山頂往復ではなくて、その先、七種槍への縦走にある。岩稜の険しい縦走路は絶対お薦めである。そして、登山口には私の大好きな滝が三つもあって、特に落差72m、幾段にもなって流れ落ちる七種滝は必見なのだ。
縦走路から振り返る七種山

 登山口から八龍の滝へ
山門前の駐車場


右の細い道に入る


雌滝


林道終点


鳥居がある


太鼓橋を渡る

BACK 雪彦山

2009年11月20日

さて、まだ
12時前なので、もう一つ登ろうと思う。すぐ近くに聳える七種山である。
雪彦山の登山口からは直線距離で10kmもないのだが、尾根を大きく回り込むため25kmほども走らなければいけないのだ。
一旦、福崎町に戻って、それから七種山に向かって北上する。七種山の登山口は「旧山門」にあって、ここからなら1時間ほどで山頂にたつことができる。でも、ガイドブックを読むと、この山の面白さは七種山山頂から七種槍に縦走して、その先の岩稜が核心部のようなのだ。走って行くと、すさまじい岩壁の尾根が見えてきた。これがその七種槍からの岩稜である。これを歩かずして七種山を登ったとはいえないではないか。
七種山の稜線は馬蹄型に連なっているので、福崎町青少年野外活動センターから歩き始めて、ここに下ってくればいいのだが、帰って来るのは暗くなってしまいそうだ。そこで、野外センターから2.5kmほど先の旧山門に車を停めることにした。この分は帰りに歩くことになるのだが、しっかりした車道なので暗くなっても大丈夫だ。
旧山門に着くと、そこには駐車場や簡易トイレがあって、七種山案内図もたっている。そして名前の通り、本当にりっぱな山門がたっていた。この先にお寺があるのかと思ったら、あるのは神社である。神門なのかと思ったが、門の傍には十三丁と刻まれた地蔵尊がたっている。案内図をよく見たら、金剛院寺跡という表示があるので、そのお寺の門だったのかと納得した。でも、こんなしっかりした門が残っているのだから廃寺ということはないと思うのだが、火事にでもあったのだろうか。
身支度を終えて歩き始めたのは125分。
鬱蒼とした杉林の中、林道を歩いて行くと分岐があって、そこには「七種山自然公園」と刻まれた石碑がたっていた。左の林道を行くと雌滝という標識があり、樹林越しに滝を見ることができた。
道の左に石垣が現れると、そこに弁慶のノコギリ岩という標識がたっている。苔むした大きな岩があるのだが、その下に確かにノコギリで切ったような割れ目があった。

ノコギリ岩から少し行くと林道終点で、車が2台停まっていた。簡易トイレもあって、案内図もたっていた。
七種の滝の説明板もあった。「ここから300mで虹ヶ滝・八竜滝を経て七種の滝に至ります。落差72mで兵庫県の名勝に指定され、七種神社からの眺めの美しさは県下八景・県観光百選の一つに選ばれています。」私は滝が大好きなので、これにはうんと期待してしまう。ワクワクしながら先に進むことにした。
山道に入ると、すぐに石の鳥居をくぐる。その先には太鼓橋がかかっていて、それを渡ると滝があった。これが虹ヶ滝である。
この滝を左下に見て、自然石でつくられた階段のような道を上って行くと、八龍の滝に着いた。岩壁を幾筋もの流れになって落ちる滝であった。



 七種山山頂へ
七種神社の拝殿


神社の左奥に登山口がある


岩場を登る


展望台に着いた


七種山山頂


八龍ノ滝から自然石の階段道を登ると石垣の下に着いて、左に大きな滝が見えた。
これが七種ノ滝である。
さすがに落差72mの滝は見上げるような高さで、すごい迫力である。オーバーハングの絶壁から落ちる水が途中の岩壁に落ちて何段もの滝をつくる。滝が大好きな私には、うれしくてたまらない眺めなのだ。
石段を上って神社の境内に着くと拝殿があり、その左に滝の展望台があった。ここから見る滝の眺めもすばらしい。展望台には兵庫登山会の案内板があった。「七種を愛するあなたへ−大雨の後など水流多き時、落差72mの岩壁を落下する豪快な白の瀑布、迫力ある水の躍動!それが播磨の名瀑七種滝の滝姿なのだ!その景観に心が満たされてゆく。自然とは実にすばらしい−。しかし雨なく流れなき岩壁を見上げるあなたの心境を察すれば、残念の一言あるのみ…」。
私は流れ落ちる滝を眺めることができたのだが、涸れることも多いようだ。ラッキーだったと喜ぶことにした。

神社の左奥に登山口がある。新しい指導標があって、山頂まで50分と書いてあった。私のガイドブックには40分と書いてあるのだが…。
この先はすさまじい急登になった。露岩の急斜面を登って行くのだ。ロープも下がっている。最後は一直線の筋が入った露岩を登る。ようやく岩場の登りが終わったところには指導標がたっていた。兵庫登山会の標識があって、「山頂への(40分)急登に耐えるのもまたあなたの人生です。頑張れ!」と書いてあった。
ここからは自然林の尾根を登って行くのだ。木の根が張り出す急な登りで、時々露岩が現れる。25分ほど登ると、樹林から抜け出して、露岩の展望台に着いた。南が開けていて、七種山の山稜を一望することができた。
ここから再び急斜面を登ると、意外とすぐに七種槍との分岐に着いた。ここから右に少し行くと山頂広場であった。山頂からはすばらしい展望である。私がこれから辿ろうとしている稜線も見えるのだが、そんなに険しい道には見えない。(それは歩いてみて初めてわかるのだ。)
ここまでの指導標や山頂標識に「つなぎ岩」という名前があったので、行ってみることにした。指導標に従って下るのだが、露岩をロープにすがって下らなければいけない。止めようかとも思ったが、ここまできたのだから行ってみる。スラブを下ったすぐ先に露岩の展望台がある。これがつなぎ岩かと思って、そこに行こうとしたら足下の岩が裂けている。この裂け目を覗いてみたらすごく深い。裂け目の幅はたいしたことないので、軽く跳んだら露岩の上に行けるのだが、止めにした。
山頂に引き返す途中で、左に灌木に囲まれた大きな岩が見える。これが笠岩のようなのだが、めんどうになって行くのは止めにした。



 七種槍から険しい岩稜へ
薬師峰の分岐


市川町の分岐


ネットに沿って下る


七種槍山頂


すさまじい岩場の連続になった


山頂で一息いれて、それから七種槍への縦走を開始した。時間はもう
1321分になっている。ガイドブックでは野外活動センターまでは3時間20分もかかるので、車に戻るのは17時くらいになりそうだ。急がないといけない。
山頂から七種槍分岐に戻る。ここにたつ指導標には「七種槍まで3.5km、健脚コース。500m下を右に曲がれ」と書いてある。気を引き締めて、急な斜面を下って行く。この下りから「つなぎ岩」を見上げることができて、岩壁に大きな裂け目が見えた。
10分ほど下ると新しい指導標があって、左が薬師峰、右が七種槍となっていた。
樹林の中を下って行く。最初はけっこう急な下りであったが、すぐに傾斜は緩まった。10分ほどで、左に市川町へ下る指導標があったが、その登山道は通行止めになっていた。
さらに15分ほど緩急の下りを繰り返して行くと、突然、左にネットの柵が現れて、その向こうは開けている。植林が伐採されたばかりのようで、展望が広がっていた。ネットに沿って急降下して鞍部に着くと、そこには七種槍まで1.5km(標高差200m50分という標識があった。まだ50分もかかるのだ。七種槍の標高は577mなので、今、私は400mにも満たない鞍部に立っていることになる。
七種槍への登りが始まる。でも、極端に急な登りではなかった。自然林の中を登って行くと、道には次第に岩が現れてくる。露岩の狭い尾根を登り、最後に急斜面を息を切らせて登りきると、そこが七種槍山頂であった。1440分になっていた。
山頂は樹林に囲まれていて展望はないのだが、四等三角点があった。
山頂から少し下ると展望が開けて、これから辿る尾根と福崎の市街が見えた。でも、視界が開けたのは、この先の尾根がすさまじい岩場になっていたためであった。
スラブの痩せた尾根を慎重に下る。
岩尾根を急下降してゆくと、行く手にはすさまじい岩峰が聳えたっている。登山道はこの岩峰にまっすぐに続いていて、とんでもない岩場が見える。あの岩壁をどうして登るんだ…と思ってしまう。七種槍からの岩稜をたどるために縦走コースを選んだのだが、いざ、この険しい岩場を下ることになると、止めればよかった…と悔やんでしまった。
岩稜を下って行く。行く手の岩峰がどんどん近づいてくるのだが、近くなればなるほど、険しい道であることがわかってくる。私はとんでもないコースを選んでしまったのではないかと思ってしまった。
険しい岩場を登って行くのだが、振り返ると七種槍を眺めることができる。七種槍自体は紅葉につつまれた山なのだが、そこからこちらに続く尾根はすさまじい岩稜であることがわかる。左側は断崖絶壁である。
傾斜が緩まって灌木の中に入って、ようやく山頂に着く。私はここが393m峰と思っていたのだが、なんの標識もなかった。



 393m峰から野外活動センターへ下山
七種池が見えた


393m峰山頂


露岩の尾根を下る


ここから野外活動センターに下る


七種池が見下ろせる


旧山門の駐車場に戻った


樹林の中の尾根を歩いて行く。樹林が途切れたところからは、右下に七種池が見えた。

樹林の尾根を緩やかに登ると、露岩のピークに着いた。その先には再び痩せた岩尾根が続き、その先にピークが見える。これが393m峰のようである。
岩尾根を下って行く。スラブの急な下りもあって、すさまじく険しい道であった。
ピークに上り着いて、行く手の尾根を眺めると、送電線の鉄塔はすごく下に見える。ガイドブックでは送電線をくぐった先で、尾根から野外センターに下るのだ。まだ先は長い。
再び露岩の痩せ尾根を下る。振り返ると、今登ったピークの左は岩壁であった。
緩やかに登って樹林のピークに着くと、そこに三角点らしきものがあった。見たら四等三角点であった。三角点があるということはこのピークが393m峰ということになる。
地図で確認すると、まだ先は長い。それなのに時間はもう1540分になっている。これは本当に暗くなるのを覚悟しなければいけないようだ。
樹林の尾根を緩急で下って行く。三角点から3分ほどで露岩のピークを越え、さらに3分ほどで再び巨岩のピークに着く。ここから行く手にはすさまじい岩尾根が続いていて、その先に送電線の鉄塔が見える。まだ岩場は続くのだ。
この露岩の尾根を下って、巨岩を右から回り込むと、その先に鎖場があった。スラブを慎重に下って、鞍部に着くと、新しい指導標があった。直進方向には野外活動センター1kmとある。でも、その道はビニールテープで閉鎖されていた。
右に赤いテープがあるので、これに従って樹林の中を急下降する。どんどん下って行くと、突然踏み跡がはっきりしなくなった。よく見ると、かすかな踏み跡が、急な斜面をトラバースしている。足場が崩れやすくて、すごく怖いトラバース道である。他に赤テープも見あたらないので、この道を行くしかないようだ。灌木につかまったりして恐る恐るこのトラバースをした。トラバースした先で尾根に出て、はっきりした踏み跡があった。
尾根を下って行くと、5分ほどで新しい指導標があって、左からしっかりした道が合流する。ほんとうはこの道を下って来るはずだったのだ。ここから野外活動センターまでは600mであった。
しっかりした登山道を緩やかに下って行くと、ベンチのある広場に着いて、ここからは七種池を真下に見ることができる。
ここからは階段道で、ジグザグに急下降する。杉林に入って、さらに急な階段を下ると、指導標のたつ平坦な広い道に着いた。ここから少し行くと野外活動センターの広い施設に着く。

あとは、車道を旧山門に向かって歩くだけである。でも、この車道歩きはすごく長く感じた。途中、二本杉の巨木を眺め、車に戻ったのは1645分である。


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