八龍ノ滝から自然石の階段道を登ると石垣の下に着いて、左に大きな滝が見えた。これが七種ノ滝である。
さすがに落差72mの滝は見上げるような高さで、すごい迫力である。オーバーハングの絶壁から落ちる水が途中の岩壁に落ちて何段もの滝をつくる。滝が大好きな私には、うれしくてたまらない眺めなのだ。
石段を上って神社の境内に着くと拝殿があり、その左に滝の展望台があった。ここから見る滝の眺めもすばらしい。展望台には兵庫登山会の案内板があった。「七種を愛するあなたへ−大雨の後など水流多き時、落差72mの岩壁を落下する豪快な白の瀑布、迫力ある水の躍動!それが播磨の名瀑七種滝の滝姿なのだ!その景観に心が満たされてゆく。自然とは実にすばらしい−。しかし雨なく流れなき岩壁を見上げるあなたの心境を察すれば、残念の一言あるのみ…」。
私は流れ落ちる滝を眺めることができたのだが、涸れることも多いようだ。ラッキーだったと喜ぶことにした。
神社の左奥に登山口がある。新しい指導標があって、山頂まで50分と書いてあった。私のガイドブックには40分と書いてあるのだが…。
この先はすさまじい急登になった。露岩の急斜面を登って行くのだ。ロープも下がっている。最後は一直線の筋が入った露岩を登る。ようやく岩場の登りが終わったところには指導標がたっていた。兵庫登山会の標識があって、「山頂への(40分)急登に耐えるのもまたあなたの人生です。頑張れ!」と書いてあった。
ここからは自然林の尾根を登って行くのだ。木の根が張り出す急な登りで、時々露岩が現れる。25分ほど登ると、樹林から抜け出して、露岩の展望台に着いた。南が開けていて、七種山の山稜を一望することができた。
ここから再び急斜面を登ると、意外とすぐに七種槍との分岐に着いた。ここから右に少し行くと山頂広場であった。山頂からはすばらしい展望である。私がこれから辿ろうとしている稜線も見えるのだが、そんなに険しい道には見えない。(それは歩いてみて初めてわかるのだ。)
ここまでの指導標や山頂標識に「つなぎ岩」という名前があったので、行ってみることにした。指導標に従って下るのだが、露岩をロープにすがって下らなければいけない。止めようかとも思ったが、ここまできたのだから行ってみる。スラブを下ったすぐ先に露岩の展望台がある。これがつなぎ岩かと思って、そこに行こうとしたら足下の岩が裂けている。この裂け目を覗いてみたらすごく深い。裂け目の幅はたいしたことないので、軽く跳んだら露岩の上に行けるのだが、止めにした。
山頂に引き返す途中で、左に灌木に囲まれた大きな岩が見える。これが笠岩のようなのだが、めんどうになって行くのは止めにした。
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