私の近畿の山百選
せっぴこさん

標高 915m
キャンプ場登山口→50分→出雲岩→30分→大天井岳→30分→雪彦山山頂→20分→鉾立山→10分→ジャンクションピーク→405分→虹の滝→20分→出合→15分→キャンプ場駐車場

雪彦山はすさまじい岩峰が屹立して、古くからの信仰の山なのだ。雪彦山という特定の山頂はなくて、三辻山・鉾立山・岩峰群の洞ヶ岳の三山を総称して雪彦山というのだ。幸いなことに岩峰の洞ヶ岳を登山道は通過しない。…とはいえ、すさまじい岩場の連続なのだが。
雪彦山山頂から見下ろす大天井岳

 登山口から出雲岩へ
路肩の駐車スペース


ここから登り始める


巨岩の間を抜ける


落書きのようなガンバレの文字


大天井岳を指す指導標があった


出雲岩に着いた

BACK 石巻山

20091120

昨夜は高速のパーキングエリアに泊まって、朝の6時に車を発進させた。福崎ICで降りて、登山口に車を走らせる。前回一度きているので、どんどん走って行く。
雪彦山の登山口に着いたのは7時頃であった。
今日の天気は晴れ。雪彦山はすさまじい岩峰の山で、それが楽しみなのだが、天気が悪いときには登れない。なんとしても晴れた日に登りたかったのだ。
登山口の手前には駐車場がある。有料という看板がいくつもたっているのだが、その徴収のための施設は何もない。おまけに金額も書いていない。これはいったい何ナノだと思ってしまった。
車道が右にカーブするところに登山道入口がある。これを歩いて行くとキャンプ場の管理室があって、その前に登山口があった。
階段の道を登る。丸太を渡したしっかりした階段で、これなら登山道もしっかり整備されているのだろうと安心したのだが、すぐに階段は終わって、岩礫の登りになった。少し登ると、巨岩の下に祠があった。登山道には大きな岩が多くなる。
鬱蒼とした植林の中を登って行くと、大きな岩が道を塞いでいる。これが不動岩であった。この巨岩を左から回り込むと、巨岩に隙間があって、この間を抜けるのだ。
このあたりで植林から自然林の中に入る。木の根が網のように張り出す急な斜面を登ると、突然、林から抜け出して露岩の上に出る。真っ正面に大絶壁の岩峰が聳えている。洞ヶ岳の岩峰群である。何だこれは…と思ってしまうのだが、幸いなことに登山道はこの岩峰を越えて行くのではないのだ。よかった。
景色を堪能して再び登山道を行こうとしたら、この露岩のすぐ先に「行者堂跡」という標識があるのに気がついた。さすが、修験の山である。
狭まった尾根を登って行くと、大きな槇の幹に「ガンバレ」という字が書かれていた。ここまでも、赤いスプレーで杉の幹や岩に矢印がうるさいほど書かれていたのだが、これを見たら、ほとんど落書きに近いのではないかと思ってしまった。
このガンバレの先から急な登りになった。木の根が張り出す急斜面を登って行く。
ようやく傾斜が緩まると、大きな倒木があって、そこに大天井岳をさす指導標がたっていた。その指導標にはポイントNO A-4の標識もつけられている。遭難や事故があったときにはこの番号を知らせると遭難場所が特定できるとわけである。この標識の上には「携帯OK」という標識もあった。
ここで道は右に曲がって、杉林の尾根を登って行く。5分ほど急登すると、行く手にすごい岩峰が立ちふさがる。これが出雲岩かと思ったが標識はなくて、登山道はこの岩峰の下を左に行く。大つぶの岩礫の道になって、これを過ぎると、道は下りになった。露岩に鎖が下がっているので、これにすがって下る。その鞍部から登り返すと、巨大な岩壁が見えてきた。オーバーハングの巨大な絶壁で、その下には「出雲岩」という標識がたっていた。



 大天井岳へ
ペンキ印に導かれて岩を越えて行く


見晴らし岩


虎縞のロープに従って登る


ここから馬の背の岩稜が始まる


大天井岳山頂


この絶壁に沿って行くと、道には大きな岩が重なっていて、岩に書かれたペンキの矢印に従って歩いて行く。絶壁の下には黒い柵があって、その奥に小さな石仏が置かれていた。ここも修行場だったらしい。

岩場の登りになった。ペンキ印に導かれて、岩場を登ると右折の印、その先は岩壁に狭い溝があって、鎖が下がっている。鎖にすがって登るのだが、岩溝はすごく狭くて体がつかえたりして、とんでもなくきつい登りであった。
これを越えた先は木の根が網のように張り出す急な登り、その向こうには巨岩が二つそそり立っている。この巨岩の前で道は右に折れるのだが、そこに覗岩という標識があった。この先は岩が庇のように突き出していて、頭をぶつけないように横を過ぎると「セリ岩」の標識があった。このすぐ先には露岩の見晴し岩があって、足下には深い谷、その向こうに稜線が見える。
登山道はこの露岩の手前で左に折れるのだが、その先は巨岩の間の細い裂け目であった。この間を通り抜けなかればいけないのだ。メダボはとても通れそうもない狭さである。ザックを背負っていてはつかえてしまうので、手に持って奥に進んだ。つっかえながらも、何とか通過することができた。ダイエットの必要を痛感した。

この先は岩場を急登する。道には虎縞のロープが張ってあって、これに従って登って行く。露岩の道を登って行くと、この露岩に一直線の溝がつけられている。これを慎重に急登して登り着いたところには馬の背の標識があった。この先は露岩の痩せ尾根で、これを慎重に通過する。馬の背の名の通りの難所であった。
この先も露岩の急登である。岩につかまって必死に登り、7分ほどで山頂に着いた。ここが大天井岳で、お堂と雪彦山の説明板がたっていた。
「雪彦山は洞ヶ岳・鉾立山・三辻山を総称したものであり、一般的に洞ヶ岳を雪彦山と呼んでいます。洞ヶ岳はさらに大天井岳・不行岳・三峰岳・地蔵岳の四つに分かれている。国土地理院地形図記載の三角点名(三辻山)の雪彦山とあたかも二つあるようですが、三山の総称が雪彦山です。」
だから、この山頂にも雪彦山の標識があるのだ。
山頂からは南の展望が開けていて、谷間に集落が見える。その谷の左に聳えるのが、次に登るつもりの七種山である。その右に坊主頭のように突き出ている山が見えるのだが、これが笠形山だろうか。(違ってた)



 雪彦山(三辻山)山頂へ
天狗岩の標識がたっていた


新下山道の分岐


鹿ヶ壺の分岐


雪彦山山頂


大天井岳からは露岩の急な道を下る。すぐに平坦になって、
5分ほど行くと天狗岩の標識がたっていた。矢印に従って左を見ると、巨大な岩峰が聳えていた。
ここには指導標がたっていて、右が地蔵岳・虹ヶ滝、左が鹿ヶ壺・峰山となっている。この指導標をよく見たら、マジックで小さくホコ立山・雪彦山三角点と書いてあった。これで、左へ行ったらいいことがわかった。でも、右の地蔵岳というのは、さっき展望台からみた岩峰群の中の一つで、すさまじい岩場の道のはずである。怖いもの見たさで行ってみたい気もしてしまう。(もちろん行かなかった)
ともかく左の道を行く。樹林の中の尾根道で、時々露岩が現れるのだが、ほとんど平坦な道である。行く手には樹林のピークが見える。これが三角点ピークのようだが、すごく登らなければいけないようだ。
分岐から7分ほど歩いたところで指導標があった。露岩には赤いペンキで「新下山道」と書いてある。ここから三角点ピークを往復して下るとずいぶん時間短縮になるとおもうのだが、滝まですさまじい急斜面を下るのかと思うと、とてもこれを下山路にしようという気にはならない。
道は鬱蒼とした杉林に入って、アップダウンすると分岐があった。左に下ると鹿ヶ壺なのだ。さらに少し行くと平坦地があって、登山路の案内図がたっていた。進行方向は「雪彦山・鉾立山・峰山」となっている。
道には露岩が現れ、杉林を急登するようになった。息を切らせて登って行くと、山頂まで1000mの標識がたっていた。まだ1kmも歩かなければいけないのかと思ってがっかりしたのだが、よく見たら鉾立山山頂までのことであった。ここから5分ほど杉林を急登すると樹林から抜け出して、そこが三角点山頂であった。山頂は広場になっているのだが、樹林に囲まれていて展望はない。そして、三角点というのは四等三角点であった。



 鉾立山から虹ヶ滝へ
鞍部に立つ指導標


鉾立山山頂


ジャンクションピーク


虹ヶ滝への降り口


すごい倒木であった


虹ヶ滝が見えてきた


雪彦山山頂から下って行く。そんなにきつい下りではなくて、
10分ほどで指導標がたつ鞍部に着いた。右に下ると虹ヶ岳で55分と書いてある。でも、その文字をマジックで消して、登山口まで100分と書いてあった。
ここまでは比較的緩やかな下りだったのだが、突然、急な登りになった。樹林の間に広い急な道が続いている。5分ほど登ると山頂まで200mの標識があって、6分ほど登ると展望の開けた鉾立山山頂に着いた。鉾立山の標高は950mで、三角点山頂(915m)よりも高いのだ。
北側が開けていて、そこに眺望図がある。このおかげで見える山の特定ができる。鉢伏山や氷ノ山が見えるらしいのだが、遠くは霞んでいてよくわからない。西北には後山、日名倉山、大山、那岐山の名前があるのだが、おなじく霞んでわからなかった。でも、ここ記載される山々にはほとんど登ってきたことに大満足。南側を見たいのだが、樹林で見ることはできない。
鉾立山から5分ほど下ると、南側の展望が開けて眺望図がたっていた。私が最初の展望で笠形山かと思ったピークは明神山であることがわかった。さらに東側には次に登る七種山が見える。この左に少しはなれて七種槍が聳えている。私はこの間を縦走しようと思っているのだが、ずいぶん距離がありそうだ。眺望図ではこの七種山山系の後ろには明石大橋が見えるようなのだが、霞んでまったくわからなかった。
すぐ近くの山腹を見たら鋭い岩峰が見える。大天井岳・不行岳・三峰岳の岩峰であった。
これで四方を展望できたので大満足である。
眺望図の尾根から少し行くと指導標がたつピークに着いた。ここがジャンクションピークである。直進すると峰山で、私はここから右折して虹ヶ滝に下るのだ。
倒木で視界が開けた尾根を少し行くと、滝への降り口があった。杉の植林の急斜面をジグザグに下り、傾斜が緩まってくると、すごい倒木であった。こんなので通れるのかと思ってしまうのだが、意外と迂回路がしっかりしていて、苦労せずに通過できた。
どんどん下って行くと、小さな流れと合する。あとはこの流れを縫うように徒渉を繰り返して下って行くのだ。
沢に沿って12分ほど下ると、三角点ピークと鉾立山の中間にあった下山路と合した。ここからさらに下って行くと、流れがきれいなナメ滝となって流れ落ちている。ちゃんと「ナメ滝」の標識があった。
このナメ滝から5分ほど下ると、流れがりっぱな滝になって流れ落ちている。これが虹ヶ滝かと思ってしまったが、無名の滝なのだ。
沢の右岸を下って行くと、流れは巨岩を挟んで二筋に分かれて落ちる。これが虹ヶ滝のようである。この滝の右をロープにすがって急降下して、滝の下に着いた。見上げると二筋の滝がすばらしい迫力である。私は滝が大好きなのだ。
ここからさらに、急な岩場を下ると指導標がたつ滝の下に着いた。ここから見上げる流れは、すごい滝という感じではないのだが、ここに虹ヶ滝の標識がたっていた。



 虹ヶ滝経由で下山
ベンチのある休憩所に着いた


指導標に従って右に下った


沢に沿って下る


出合に着いた


キャンプ場に戻った


虹ヶ滝の下で登山道は流れを渡るのだ。大きな岩を越えて、なんとか靴を濡らすことなく徒渉すると、今度は対岸の急な斜面を登るのだった。
登りきったところに広場があって、指導標やベンチが置かれていた。以前の登山道はここから流れに下ることなく、滝の左岸につけられていたようだが、その道は通行止めになっている。今、私が下ってきた道は新たにつけられた道なのだ。だから、崩れやすい険しい道だったのだ。

ここからは、谷を右に見ながらのトラバース道が続く。
どんどん下って行って、ふと右を見上げたら、すさまじい岩壁がそそり立っている。洞ヶ岳の岩峰群なのだ。すごい…と思ってしまう。
道は杉林に入って、どんどん下って行くと、指導標があって、右折して急降下するようになっていた。指導標に従って右折したのだが、あとで考えたらガイドブックとは違う道であった。ガイドブックではこの道を直進して林道に出て、林道を歩いて登山口に戻るように書かれているのだが、私が間違えた道は、沢に下って、沢沿いに下る道だったのだ。でも、この道のほうが変化に富んでいて、結果的には正解だったと思う。
どんどん下って行くと沢に下り着いて、そこには石垣を組んだしっかりした道があった。この先はちゃんとした道なのかと思ったら、すぐに道は消えて沢の合流点に着いた。流れを徒渉するのだ。大きな岩にすがって流れを渡る。渡ったところには「出合」という標識がたっていた。
巨岩が累々とする谷で、その渓流はすばらしくきれいであった。
右岸に苔むした石垣が現れ、少し行くと道の谷側に鉄柵がつけられている。このすぐ先に巨大な砂防ダムがあった。でも、変わっているのは、堰堤がなくて、鉄筒の骨組みが設けられているのだ。この砂防ダムの右岸を急下降して、下に着くと、「雪彦川第二ダム(鋼製格子枠砂防ダム)」という説明板がたっていた。オープンタイプ(透過型)の砂防ダムというのは初めて見た。

このダムの上には洞ヶ岳の岩峰が聳えていた。
ここからキャンプ場まではすぐで、車の前に戻ったのは1115分であった。朝は私以外の車はなかったのだが、駐車場はほとんど満杯になっていた。


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