少し休んでから先に進む。鮮やかな朱のツツジが咲いていて、きれいだった。…と思っていたら、左に林道が見えた。こんな山の上にも林道が通っているのかと驚いてしまう。この林道は登山道に平行してどこまでも続いている。少し登ってピークに出たら、そこは樹林が切り払われていて、行く手に丸い山が見えた。次に目指している安堵山だろうか。
ちょっと登山道がわからなくなったが、道は左に少し曲がるのだ。下って再び樹林の中に入ったが、背の高い笹が道に覆い被さっていた。葉がほとんど枯れて、枝だけになった笹藪である。これを掻き分けて行くと腕が痛かった。この笹の間を歩いて行くと、笹が道を完全に覆ってしまって、もう林道に出てしまうしかなくなった。ガイドブックにも、林道を歩くと書いてあるので、そこからは林道歩きになった。ただ、どこで登山道に戻るのかがわからない。林道は左に大きくカーブしていって、展望の開けたところに出た。ショベルカーが道端にあって、工事の真っ最中のようである。山腹を道がうねるように続いているのだが、左側は伐採された裸地である。そのおかげで北に広がる山々が展望できた。
林道歩きが続く。登山道がないか注意しながら歩いて行くのだが、なかなかみつからない。
再び樹林の道に入って少し行くと、右に赤いリボンがあった。ここから山道を歩くことができた。登って行くとすぐに安堵山山頂に着いた。ここには三等三角点があった。
和田の森から1時間ほどかかったが、その半分以上は林道歩きであった。
安堵山から下って行くと再び林道のすぐ横に出て、そのすぐ先で道は笹に覆われてしまった。また林道を歩くしかなかった。
再び、笹の間に登山道を見つけて、一つのピークを越える。でも、道はしっかりしていなくて、踏み跡のようなものである。林道を歩くべきなのかもしれないと思った。この山にはシャクナゲはきれいに咲いていた。
ピークから下ったら再び林道に出て、右にも舗装された林道があって、これが接していた。鎖でしきってあるのだが、この鎖を越えて右の林道に出ると、そこに階段で上って行く道がある。舗装された林道は本宮に通じる広域林道で、この階段を上がったところが展望台のようになっていた。南の山々の眺めがすばらしい。振り返ると、今越えてきたピークとその奥に安堵山も見えた。
展望台の左奥に山道があった。この道はすごくしっかりと踏み固まった道で、いままでのあやふやな踏み跡のような道とは違う。安心して登って行くことができる。
しばらく背の高い笹藪の間を行く。急な登りになって、ようやくピークに着いたが標識は何もない。ここからは緑の林のアップダウンを繰り返す。道には岩がゴツゴツするようになった。この岩の目立つピークを越えるときれいなブナ林が広がっていた。次のピークは黒尾山なのだが、なかなか現れないので通過してしまったのかと思いながら登って行く。
ブナなどの緑の樹林を登って、もしかしたら次のピークは水冷山なのではないかと思いながら登って行ったら、標識のある山頂に着いた。でも、その標識は黒尾山であった。ここに三角点はなかった。
|