熊野古道 大峰山奥駈け道をゆく
大森山 1078m
五大尊岳825m
玉置神社→→犬吠檜→→玉置辻→20分→水呑金剛→40分→旧篠尾峠→45分→大森山→30分→篠尾峠→30分→五大尊岳→15分→五大尊岳南峰→1:10→金剛多和

午前中は霧雨だったのだが、午後はしだいに晴れてきた。キャンプ予定地にしていた水呑金剛はまったくダメで金剛多和まで行ってしまうことにした。五大尊岳からは蟻の戸渡りなどの難所があるということだったが、そんなところはなくて、走るように下って金剛多和に着くことができた。
五大尊岳山頂

 水呑金剛(九番靡)
犬吠檜に着いた


玉置辻に着いた


水呑金剛への道

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2009年8月13日

玉置神社本殿正面の石段を下るとT字路で、参道が左右に続いている。そこに奥駈けの石標があって、右が奥駈け道である。大森山まで
4.4km、熊野本宮まで15.1kmと書いてあった。
杉林の中のトラバース道が続く。20分ほど行くと、右に鳥居があって、犬吠檜という石標があった。石段の上には大きな木の根元だけが残っていた。
ここから5分ほど行くと、林道が左右から合流するその間に出る。ここが玉置辻である。
車道を斜めに横断すると、通行止めになった林道がある。私のガイドブックはこの林道を歩くように書いてあるのだが、右に指導標があって山道が奥駈け道となっていた。指導標に従って山道を行くことにする。
植林の中を歩いて行くと、左のすぐ上にはさっきの林道が見える。
5分ほどで林道に出て、あとはこの林道を歩いて行く。林道には落石が多くて、通行止めの理由がよくわかる。これでは車は通れないだろう。5分ほど行くと再び指導標があって、林道から右の山道に入る。
山の右斜面をトラバースするように10分ほど行くと、石標が立つ分岐に着いた。ここが水呑金剛であった。左から合流する道があったが、それはさっきの林道でここが林道終点である。当初、ここにテントをはるつもりであったがあまり快適とはいえない。時間もまだ1220分である。六道の辻まで行くことにした。



 大森山
尾根に出た。大森山まで500m


大森山山頂


大水ノ森山頂、三角点がある


杉林の中を
30分ほど登って行くと、古い道標があった。文字はくずしているので私には読めない。でも、古い道標が置かれているのだから、ここが「旧篠尾峠」かと思ったがどうも違うようである。ここから5分ほど行くと尾根に合流する。ここが旧篠尾峠にしては地図と違う。地図では旧篠尾峠で西に直角に曲がるはずなのだが、尾根からは真っ直ぐに歩いて行くのだ。そうするとさっきの古い石標が峠だったのかとも思う。
尾根を20分ほど行くと左から道が合流するが、この道は通行不能となっていた。ここにたつ石標には大森山500mとかかれていた。
杉林の急な尾根を15分ほど登ると、大森山の山頂に着いた。平坦な尾根の途中で、山頂という感じはない。樹林に囲まれて展望もなかった。ガイドブックを読むと、大森山には二つのピークがあって、この先に三角点のある南峰があるらしい。ここの標高は1078mで三角点のある南峰は1044mである。標高は低くても三角点のあるほうが本当の山頂だと思っているので、先を急ぐことにした。
歩き始めて磁石で方向を確認したら、道を引き返していた。ドジだ。平坦な道なので、どっちもほとんど同じに見えるのだ。

方向を西に変えて、樹林の中を緩やかにアップダウンすると、10分で三角点のある山頂に着いた。三等三角点の横には「大水ノ森」という標識がたっていた。大森山とは違うのかと思った。



 五大尊岳(七番靡)
シャクナゲの群落を下る


篠尾峠


下りぎみにアップダウンを繰り返す


五大尊岳山頂


大水ノ森山頂から
10分ほど下ると指導標があって、尾根から右に下る。道にはシャクナゲも多くて、急な下りが続く。ロープが張られた急な道を下って篠尾峠に着いたときは山頂から25分たっていた。この途中に八番靡の「岸ノ宿」があったはずなのだが、気がつかずに通過してしまった。篠尾峠では左から林道のような道が合流してくるのだが、これは「この先通行不能」となっていた。
林道のような尾根道を右に行く。尾根の左斜面を斜めに登って、20分ほどでピークを越える。これが地図にある853m峰だと思うのだが、標識や三角点はなかった。
ここからは下りぎみにアップダウンを繰り返す。途中、樹林が途切れたところから近くの山を見ることができた。天気は回復してきていて青空も見える。天気がよくなると、心も明るくなるのだ。
狭まってきた尾根を、アップダウンを繰り返して行くと木の根が張り出す急斜面を登るようになった。これを息を切らせて登って、ようやく五大尊岳山頂に着いた…と思ったがここは山頂ではなかった。ここからもう少し登ってようやく山頂であった。
五大尊岳山頂には新しい不動明王像があった。その横に碑があって、古い石仏は盗まれてしまったので設置しなおしたと書かれていた。石仏はすごく重いだろうに、よくこんな険しい山頂から盗んでいったものである。それにしてもフラチな奴がいるもので、きっと仏罰があたっているだろう。
山頂は細長いのだが、けっこう狭い。右側が開けていて、西に連なる山々が展望できた。果無山塊のはずである。そして、すぐ下には広い河原を持つ川が蛇行して流れているのが見える。これが熊野川であった。吉野を出発して
10日目、やっと熊野川が見えるところまで来たのだ。感動的である。



 六道ノ辻(金剛多和 六番靡)
南峰山頂の標識


南峰からの展望。すっかり晴れた


樹林の中を走るように下る


傾斜が緩まると金剛多和は近い


金剛多和(六道ノ辻)にテントを張った


時間は
1540分になっている。五大尊岳から宿泊予定の六道ノ辻までは1時間40分である。たいした距離はないのに、どうしてこんなに時間がかかるのかと思ったら、途中には蟻の戸渡りというすごい岩場があるのだった。気を引き締めて出発。
地図では山頂からひたすら下るだけなのに、道は平坦な尾根が続き、それから突然、急な登りになった。行く手には樹林に覆われた高いピークが見える。
五大尊岳山頂から
10分ほどで標識がある山頂に着いた。木の枝に下げられた札には「五大尊南峰 標高825m」とかかれていた。さっきの山頂と同じ標高である。地図を何度も見たが、よくわからない。私はいったいどこにいるんだと思ってしまう。でも、ちゃんと熊野本宮への方向を示す指導標はあるのだ。
ここから急下降して行くと、樹林が途切れて展望が広がる。すっかり青空が広がっていて、遠くの山々を見ることもできる。これから進む南の方向には樹林に覆われた高い山が見える。これが明日最初に登ることになる大黒天神岳のようだ。ほとんど快晴になって、午前中の雨がうそのようだ。

天気がよくなってうれしいのだが、すさまじい岩場の下りになった。樹林の中なのだが、崖のような急斜面を立ち木につかまりながら慎重に下らなければいけなかった。この露岩の急下降ですごく時間がかかった。
ガイドブックには、
609m峰を越えた先に蟻の戸渡り・貝ずりという難所があると書いてある。腕時計の高度計を確認しながら下って、609mだろうと思うピークを越えた。さらに下って行ったがガイドブックにあるような難所は現れなかった。さっきの岩場が蟻の戸渡りだったのだろうか。行く手に大黒天神山と思っていたピークが大きく迫ってくる。もしかしたら、これが609m峰なのかと心配になったころ鞍部に着いて、そこで林道を横切る。ふと振り返ったら、道の横に広場があって、石を積んだ祠がたっている。立木には金剛多和と書いた標識があった。ここが六道の辻であった。時間は1650分になっていた。
どう考えても私が歩いてきたルートがよくわからない。もしかしたら、道がつけかえられたのではないかと思ってしまった。

祠の前の広場にテントを張って中に落ち着いたのは1740分。テントの中で残った食料を確認したら、レトルトのカレー1袋、米がコップ1杯分、キャンディが10粒ほど、インスタントのコーンスープが1袋だけで、あとはきれいさっぱりなくなっていた。


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