熊野古道 大峰山奥駈け道をゆく
山上ヶ岳
さんじょうがたけ

標高 1719m
洞辻茶屋→40分→鐘掛岩→15分→西の覗→30分→山上ヶ岳→35分→地蔵の辻→15分→小笹宿

洞辻茶屋の先はいよいよ大峰修験道の核心部で、鐘掛岩や西の覗の険しい岩場をたどるのだ。日本三百名山の山上ヶ岳は大峰山寺のある山で、この地が女人禁制なのだ。
大峰山寺本堂

1999年5月の登山記録
 油こぼしから西の覗きへ
洞辻茶屋の中


木板の階段を上る


鐘掛岩に着いた


鐘掛岩からは広い道を行く


右西の覗の石標

BACK 足摺宿から洞辻茶屋へ

2009年8月5日

シャッターの閉じた商店街のようなアーケードを行き、これを通り抜けたところには再び不動明王の銅像がたっていた。小雨の中を歩いて行くと、道には石碑がたくさんたっている。大峰参拝の講の碑なのである。
15
分ほど行くと小屋が見えてきた。陀羅助茶屋だと思うのだが、さっきと同じ長屋のような造りで、このアーケードの中を行く。これを過ぎて少し行くと再び小屋があった。ここには「ダラスニケ丸 松清店」という看板がかかっていた。
これを抜けると
字路で、登山道のイラストマップがあった。右が平成新道で主に下山路として使われる易しい道である。左は行者道で、油こぼしなどの岩場のある急峻な道、もちろん左の道を行く。ただ、小雨のなか、濡れた岩場を登ることにはちょっと不安なのだが…。
道にはたくさんの石碑が並んでいて、これを眺めながら緩やかに上って行くと、木板でつくった階段になった。この急な階段はけっこう長くて、途中に踊り場があって、右折したりするのだ。
急な階段が終わると、目の前には鎖の下がる岩壁が立ちふさがった。標識はないが、ここが「油こぼし」の難所なのだ。これを越えると「鐘掛岩」という石標がたっていた。鐘掛岩には左の岩場を登るらしいのだが、見るとすさまじく険しい。この岩場を捲くように、右に階段道が続いているのでこれを上ることにした。露岩を削って造った階段を上って、仏像のたつ小広場に着いた。ここから左の岩尾根を行くと鐘掛岩の上に出るらしい。小雨が降っているのでそこに上るのは止めにした。

木の階段で緩やかに下って、広い尾根を行く。すぐに仏像(役行者?)のたつ階段の前に着いた。お亀石という標識がある。階段の左には石の柵があって、その囲いの中には細長い露岩があった。
さらに進むと関所の門のような等覚門があった。

樹林の広い尾根には石碑がいくつも立っている。そこから右に少し入ると露岩の上に出て、行く手にすさまじい断崖が見えた。これが西の覗きである。霧が薄くかかっているのが残念である。
露岩の道を登って行く。かなり急な道が続いて、ようやく傾斜が緩まると、「右
西の覗き、左 大峰山寺」と刻まれた石碑がたっていた。この前にザックを置いて、西の覗きに向かった。露岩の道を登って行くと樹林から抜け出して、石柱や石の不動明王の立つピークに着く。西の覗きはこのピークを右に回りこんだところにある。断崖絶壁の上にたつ。修験者はここから逆さまに吊されるという荒行が行われるのだ。霧が流れ視界が広がると、すぐ隣に鋭くそそり立つ岩稜が見えた。すごい眺めである。大峰山というのは、本当に岩峰の連なる山なのだ。



 山上ヶ岳(67番靡)
石段を上ると龍泉寺


明覚門を振り返る


大峰山寺本堂


山上ヶ岳山頂


分岐に戻って、樹林の尾根を緩やかに登って行く。

すぐに古い石段が見えてきて、大峰山寺周辺のマップがたっていた。ここで左に行くと竹林院・東南院などの宿坊寺院群を抜けて尾根に出るのだが、私はまっすぐに登って行くことにした。竜泉院の前の広場に着くと、そこに蛇口が並ぶ水場があった。ここで水を補給して、さらに参道を行く。
広い石段の道を緩やかに上って行くと、大きな木柱を組んだ門があって、そのすぐ先に妙覚門があった。
急な石段を上って広場につく。大峰山寺の境内であった。広場の左に本堂がある。本堂の前にベンチがあったので、ここにザックを置いて、まず本堂にお参りをした。中からはホラ貝の音が聞こえた。練習中のようで、すごく下手であった。
ザックを置いて山頂に向かう。目の前に樹林のピークがあるので、これだろうと見当をつけて踏み跡をたどる。樹林のピークには石の柵に囲われた巨岩が鎮座していた。湧出岩と書かれていた。この石柵の前に三等三角点があって、山上ガ岳という木札が置かれていた。私は一度この山頂には来ているのだが、どうも記憶と違うような気がしてならない。ともかく、三角点の前で記念写真を撮った。
登って来た道の左側の踏み跡を下ると、草原の中に出た。霧で霞んで遠くは見えないのだが、ここがお花畑のようである。しっかりとした登山道に合流して、これを右に行くと、「大峰山上ガ岳頂上お花畑」という石柱があった。その横には「山上ガ岳
1719.2m」の標識がたっている。知らなかったら、ここを山頂と間違えてしまうかもしれない。
本堂の前に戻って、ここで少し休憩。



 小笹の宿(66番靡)へ
崩落斜面を恐る恐るトラバース


地蔵辻の標識があった


小笹宿に着いた


出発は
15時半、境内から山道に入る。樹林の尾根を歩いて行くと、すごい崩落地があって、これを恐る恐るトラバースする。
霧に霞む樹林の尾根が続く。ほとんど平坦な道で、姫笹が広がっていた。
45分ほど歩いたところに古木があって、そこには地蔵辻という小さな標識があった。ここから10分ほど下って行くと沢の水音が聞こえてきた。大きな岩がそそり立っていて、この岩壁の右を回り込むと石碑があって、そのすぐ先に赤い御堂がたっている。その奥に小さな小屋が見えた。(不思議なことに小屋の戸が開いていた)これが小笹の避難小屋であった。時間は16時半になっていた。ここには水場もあるので、今日はここに泊まるのだ。
今日はずうっと雨ですっかり濡れてしまった。小屋には私一人だったので、張られたロープに濡れたものを全部吊した。水場が近いので、今日は水に困ることはない。ウィスキーで、一人で乾杯して、ラーメンをつくって食べた。


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