小屋の広場の外れから右折して、尾根に向かって登る。最初はかなり急であったが、すぐに緩やかなアップダウンの道になった。時々すさまじく急な登りになったりする。40分ほど登るとモノレールのレールが現れた。これに平行して急な尾根を登って行く。
レールに沿って10分ほど登ると樹林から抜け出して、右に展望の広場があった。ここが大天井ヶ岳の肩である。山側に御堂がたっていて、その反対側には展望が広がっていた。空はすっかり晴れて、私がたどってきた奥駈けの道が一望できた。
ここから山頂まではすさまじい急登であった。レールに沿って登って行く。ようやく傾斜が緩まって、息を整えながら歩いて行くと尾根の上に出る。この尾根を引き返すようにターンすると、そのすぐ先が大天井ヶ岳山頂であった。女性の登山者が二人いた。五番関から登ってきて、これから二蔵小屋に下って捲き道を通って五番関に帰るのだという。
大天井ヶ岳山頂は樹林に囲まれていて、展望は十分ではなかった。山頂の真ん中には三等三角点があった。
分岐に戻って、尾根を緩やかに下って行くと、突然、すさまじく痩せた尾根になった。そこには木の根が張り出していて、慎重に下って行かなければいけなかった。この痩せ尾根を通過すると、尾根は広くなって傾斜は緩やかになった。
樹林の尾根には石灰岩が点在するようになって、これを過ぎると、樹林が途切れて行く手の山々を展望できた。山上ガ岳から東の尾根が見えるということなのだが、山頂部には雲がかかっていて、山々を特定できなかった。
再び樹林の中に入って、急な道を下って行くと大きな岩が聳え立っていた。この巨岩を右に捲いて、7分ほど下って行くと、樹林が途切れて草地の広場に着いた。ここが五番関であった。小雨が降り出していた。
五番関には女人結界門がたっている。世界遺産の大峰古道にこんな男女差別の象徴のような女人結界門があっていいものかと思うのだが、これも宗教上の伝統なのだから仕方がない。このため、今もって女性は山上ガ岳に登ることはできないのだ。
ここで休憩しながら、水場はないか探してみたが、そんな指導標はない。仕方がないので、捲き道を二蔵小屋に向かって引き返し、その途中にあるはずの水場を探すことにした。
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