2008年春 山陽山陰登山
しらたきやま

標高 667m
古堂橋登山口→40分→白滝→15分→雄山→35分→白滝山山頂→40分→観音岩分岐→15分→観音岩→25分→古堂橋登山口

全国的にはまったく知られていない山なのだが、絶対にお勧めである。巨岩が累々とする険しいゴルジュ、その先にはコバルトブルーの滝壺を持つ白滝。観音岩のすさまじい岩塔もすごい。ぜひ登ってみて欲しい。
白滝

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2008年5月18日

白滝山の登山口までは
30kmほど走らなければいけない。海沿いの国道を走って行き、登山口まで12kmほど残すところで右折する。とんでもなく細い道であった。この1車線の道を12kmも走るのかと思うと気が重くなってしまう。対向車がありませんようにと祈りながら走って行った。
登山口近くの集落に入ったら道は広くなった。行く手には風力発電の風車がいくつも見える。この山の右に二つの丸いピークが見えるのだが、これが白滝山である。
山に向かって車を走らせて行くと中山神社があった。鳥居は金属製で銀色に光っていて、社殿も金属であった。
神社の前にイラストマップがあったので、これで確認して西恩寺跡の登山口を目指す。すぐに分岐があったが、私の地図では登山口は林道沿いにあるはずなので、さらに車を走らせて行く。ところが行けど行けど西恩寺跡に着かない。これは通り過ぎてしまったと思ったが、めんどうなので、そのまま走って古堂橋まで来てしまった。ここにも駐車スペースがあって登山口がある。西恩寺跡からの道もここに登ってくるのだが、その道は人が通ることがないようなはっきりしない道であった。車でここまで来て正解だったかもしれない。でも、私の地図と林道がずいぶん違っている。風力発電の工事が進んだため林道がどんどん伸びているみたいだ。
ともかくここから登り始める。
すぐに急登であった。樹林の中、沢に沿って登って行くと、すぐに観音岩コースの分岐があった。私のガイドブックには書かれていないコースである。行ってみたい気もするのだが、情報のないコースは不安なので、そのまま直登する道を行く。
すさまじく急な登りの連続である。木につかまって必死で登っていかなければいけない。道には照葉樹の涸葉が敷き詰められていて、これが滑るのだ。照葉樹の葉は肉厚で光沢があるのが特徴なのだが、それが黄色く枯れてもそのままの形で道に積もっているのだ。急斜面では何度も足を滑らせていまった。危ないことこのうえない。
ガラガラの岩場を登ったり、ロープの下がる急斜面を登ったりして、高度を稼いで行く。ともかくきつい登りの連続である。登り始めて
20分で観音岩コースと合流した。まだ20分しか経っていない。なんか1時間も登って来たような気がするのだが。
沢には水が流れるようになって、何度か沢を渡る。さらに道には巨岩が現れ、岩だらけの急な登りが続くのだが、左前方に岩のスリットのようなものが見えてきた。まさかあんなところは通らないだろうなと思っていたら。道はそっちへ進んで行く。岩の裂け目をロープにすがって越えると、そこからがゴルジュであった。
すごい岩の回廊である。左右両方に岩がそそりたち、その中に累々と重なる巨岩を越えて行くのである。これはすごいと思ってしまう。
ロープにすがって巨岩を乗り越え、岩をへつったりする険しい道が続く。これは本当にすごいと思う。白滝山のすばらしさはこのゴルジュを登ることに尽きると思ってしまう。

ようやくゴルジュを通りすぎたところには小さな滝があった。巨岩の間を細く流れ落ちる滝である。すごいのは滝つぼがきれいなコバルトブルーをしていることなのだ。よく見ると、その蒼い滝つぼの中には魚が泳いでいた。まったく知られた山なのだが、この山はすばらしい。私のお薦めの山にしたい。
ここから林道は近いはずである。ところが道を間違えたようで、すぐ上に林道があるはずなのに、道は左に曲がって、樹林の中を登って行くようになった。(本当は右に行かなければいけなかったのだ)赤いテープもきちんとついているので、おかしいと思いながらも歩いて行くと、ロープが張られた急な登りになって、展望が開けると、そこには雄岳展望台という標識がたっていた。登る予定はなかったのだが、雄岳にも登ってしまった、ラッキーなのだろうか…。ここからは海が見えた。
雄岳から急な階段を下って林道にでる。地図によると、登山口は左にあるはずなのだが、指導標は微妙な感じで、下りの左方向をさしているようだ。左に下ってみたが、登山口はない。しかたがないので引き返して、林道を登って行った。でも、行っても行っても登山口はない。大きな風力発電の風車のすぐ下を通って、さらに林道は続いていて終点の工事現場も見えてきた。引き返すしかない。
下って行きながら地形を見ると、登ってきた谷が見える。私は雄岳に登ってしまったのだから、谷筋をそのまま登るところを、どこかで間違えて左右に行ってしまったのだ。そうすると谷が突き当たるところが、私が林道に出るところのはずだ。それはずうっと下にあるではないか。そう思ってどんどん下って行くと、谷が上ってくるところに登山口はあった。私はもう少し下ればよかったのだ。20分ほど時間をロスしてしまった。
登山口から樹林の中に入って、緩やかに登って行く。照葉樹の林を行くと、頭上から異様な音がしてきた。見上げると大きな風車が回る音であった。
左に林道が見えてくると、道にはロープが張られるようになって、工事区間にはいらないようにと注意書きがあった。頻繁に白滝山の方向をしめすカードが下げられている。道ははっきりしなくて、いかにも急拵えの道のような気がする。多分、本来の登山道は工事によって分断されてしまったのだろう。
左に林道を見ながら進むと、この道を横切ってしまう。そこにはロープが張ってあって、ダンプが通るので注意と書かれていた。
ここから山頂は近い。照葉樹の中を6分ほど登ったら山頂であった。
山頂の西側が切り開かれていて、風車がいくつもたって回っているのが見えた。この山頂にあるのは三等三角点であった。
帰りは林道を歩いて戻ろうと思っていたのだが、林道歩きはいかにもつまらない。どうしようかと悩みながらも、林道の登山口に戻った。そこから林道を下って、ゴルジュから登ってくるのはどこだったのか確認した。ちゃんと入口には指導標がたっていた。どうして道を間違えてしまったのだろう、確認するためにゴルジュの道を下ることにした。あの急斜面を下るのはすごくイヤなのだが。
登山道に入って下って行くと、白滝のすぐ上で道は分かれていた。どっちにも赤いテープがあるので、私は最初に左のテープを見つけてしまって、雄岳に向かってしまったのだ。
白滝をもう一度見て、ゴルジュを下る。
ゴルジュを無事通過したら、観音岩の分岐があった。どんな道かわからないが、この観音岩コースを行ってみることにした。かなりヤバイ道ではないかと思ったのだが、その通りだった。
分岐から山の斜面をトラバースして行くのだが、これが本当に恐ろしい道であった。岩場を横切ったり、木の枝やロープにすがって行く険しい道であった。下はきれ落ちていて、足が震えてしまう。わずか10分ほど歩いただけで大変な道に入ってしまったと後悔した。
石垣が現れた。どうしてこんな山の上に石垣を組んでいるんだと不思議に思ったが、このすぐ先でターンをして石垣の上に出る。これをたどると観音岩の前であった。観音岩というのは巨大な岩塔なのだ。私はここまで鋸岳の中腹を捲いてやってきたのだが、その鋸岳の山腹に観音像のように屹立しているのが観音岩なのだ。

怖い思いをしてここまでやってきたのだが、十分報われる眺めである。
ここからは急な下りが待っていた。これがまた恐ろしかった。道には照葉樹の枯葉が厚く積もっていて、それが滑るのだ。木につかまって、一歩一歩慎重に下って行かなければいけない。15分ほど、この滑りやすい急斜面を下って、ようやく下の分岐に戻った。本当にほっとした。
そこから登山口は近かった。林道に降り着いて、見上げると絶壁が見えた。私はすごい山に登ってきたのだ。但し、見えているのは白滝山ではなくて、その途中の鋸岳なのだが。
戻ってきて、携帯で天気予報を確認したら、明日は雨であった。台風が発生していて、その影響なのだ。0時から6時までは30%の降水確率だが、6から12時は50%、そのあとは80%だ。明日は登山ができないか…、と思いながらも、とりあえず花尾山登山口近くの駐車場に車を停めて泊まった。


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中山神社


白滝登山道入口


観音岩との分岐


岩がゴロゴロする涸れ沢を登る


沢を渡る


巨岩の間を登って行く


白滝の滝壺


雄岳への登り


やっと見つけた登山道入口


白滝山山頂


観音岩コースに入った


すごいトラバースを続ける


この石垣の上が観音岩


観音岩から急下降する


やっと登山口に戻った





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