2008年春 山陽山陰登山
おととみやま

標高 1085m
駐車場→5分→登山口→50分→莇ヶ岳→1:10→弟見山山頂→1:10→莇ヶ岳→30分→登山口→5分→駐車場

普通の里山だと思っていたらすさまじい鎖場があった。莇ヶ岳から弟見山山頂まではいくつもの小さなピークがつらなっていて、けっこうきつい登山なのだ。でも、きれいなブナの林やかわいいイワカガミの花が咲いていてすごく楽しい登山であった。
登山道から弟見山

BACK 高岳山

2008年5月22日

今日はさらに弟見山に登る。
20kmほど車を走らせて、カーナビでセットした地点に着いたのだが、登山口に向かう道がない。もう少し走ると莇ヶ岳の標識があった。弟見山へは莇ヶ岳から縦走するのだ。この標識に従って細い道を山に向かって走って行く。道は舗装されていて、車が2台停まれるところに着いた。
ここに車を置いて歩き始める。すぐに細い山道になっているので、ここが登山口ではないかと思うのだが、ガイドブックには駐車場から5分で登山口に着くと書いてある。
入口には莇ヶ岳登山口という指導標の他に熊注意の標識がたっていた。私は北海道の羆は怖いと思ってきたのだが、本州の熊だと、あまり危険という感じがしないのだ。
右に流れの音を聞きながら歩いて行く。苔むした岩の間を小さな流れがあって、これはこれできれいなのだ。
檜の林を抜けて自然林の輝く緑を見ながら行く。
7分ほどで登山口の標識があった。いままでの道が林道とはとても思えないのだが…。でも、ここからはすぐにすさまじい登りが始まった。檜の植林の見上げるような急斜面で、これを登って行くのだ。これはきつい登りであった。
檜林が終わって自然林の中に入ると、傾斜は緩やかになった。ほっとしたのも束の間、再びきつい登りになった。登山道は塹壕のような溝の中を何度か通るのだが、その度に傾斜がきつくなってくる。
すごい岩場の登りが現れて、これを必死で登って岩場を越えると、その先はすさまじい急登の連続であった。息を切らせながら登って行くと「新覗き岩」と書かれた木札が下がっていた。2分で行けるらしいのだが、山頂に急ぐことにした。帰りに寄ろうと思う。今は疲れはてて気持ちに余裕がない。
ここから5分ほど登ると捲き道と鎖場の分岐があった。もちろん鎖場を登ることにする。帰りは捲き道を下るつもりだ。
山腹を右に捲いて行くとすぐに二の鎖の標識があって、岩壁に太い鎖が下がっていた。ほとんど垂直に近い絶壁に下げられた鎖である。この鎖を登るのかと思ったら、山頂へは奥の鎖を登るという標識がある。二の鎖はこの岩を登るためだけようである。山頂に登るのが三の鎖、では一の鎖はあるのかと思ったら、あった。この二の鎖の道を挟んだ下に錆びた鎖があるのを見つけた。絶壁につけられた鎖だが、草が茫々でほとんど使われることはないようである。
二の鎖は無視して、少し行くと三の鎖があった。太い鎖が2本下がっている。この鎖は四国の石鎚山のものとよく似ている。
すさまじい絶壁につけられた鎖で、準備としてステッキはザックにしまって、手袋をした。
この2本の鎖にすがって登って行く。足場は人工的につけられたものがまったくないので、岩の出っ張りなどを探して登って行かなけらばいけない。ようやく登りきってほっとしたら、その先にまだ鎖が続いていた。こんどの鎖場はさらに傾斜が増して、オーバーハングになってるんではないかと思われるところもある。この登りはきつかった。腕力と靴のフリクションを効かせて登って行く。ハング気味のところは特にきつかった。2本の鎖を両手で握って、鎖だけに頼ってこれを越えた。ようやく鎖場が終わる。振り返ると、鎖は絶壁の下に消えてみえなかった。
ここからほんの少し登ると莇ヶ岳の山頂である。
山頂には祠があって、その横には石鎚神社と刻まれた石柱がたっていた。一の鎖・二の鎖という呼称にしろ、鎖の形にしろ、四国の石鎚山とほとんど同じである。
山頂で一休みした。ここまで急登の連続で、最後の鎖で息があがってしまった。それにここから弟見山までは1時間以上かかるのだ。山頂には登山者が一人弁当を食べていて、弟見山に行ってきたのだという。ガイドブックには道が荒れ加減になるので熟練者の同伴が必要と書いてあるのだが、道はしっかりしていて迷うようなところはないという。
安心して弟見山への縦走路に入る。山頂からは左に行き、急降下する。でもすぐに平坦な稜線の道になって、快適な縦走路になった。道に笹が覆いかぶさるところもあるが、道が見えないとか掻き分けて行かなければいけないようなひどいことはなくて、これならラクなものである。
行く手に大きなピークが迫ってくる。一旦急下降して、それから登り返す。急登が続くのかと思ったら意外と簡単にピークに着いた。そこには三角点ののような石柱があったが、特に標識はない。ここから道は右に曲がる。緩やかに下って、再びほとんど平坦な稜線歩きになる。
このあたりではブナやクヌギの林が広がっていて、緑がすばらしくきれいであった。こんな森を歩いて行くのは大好きなのだ。次のピークはそれほどきつい登りなしに越える。このピークで道はまた右に曲がって稜線の道を行く。
時々樹林が途切れて展望が広がる。稜線の左に弟見山と思われる山が見えた。すごく遠く感じた。しかし、どうして稜線の左にあるんだと思ってしまう。

平坦な道からかなり急な下りになると行く手には大きなピークが迫ってくる。道は檜の林に入って、林の中を急登するようになった。これはきつい登りであった。この縦走路中で最もきつい登りなのだ。見上げるピークにも檜が何本も高く立っているのが見える。ようやく傾斜が緩まって、右に檜林、左は展望の開けた道を行く。振り返っても、莇ヶ岳から歩いてきた縦走路は樹林に隠れて見えなかった。西側には近くの山が見えるのだが、なんという山なのかはわからない。でも、展望も開けた気持ちのいい稜線歩きである。
左に弟見山が迫ってくるが、その前にもピークがある。まだ越えなけらばいけないピークがあるのだ。
登り着いたピークには赤いテープが捲かれた大きな檜があって、ここから道は左に曲がる。
輝く緑の樹林の道を行き、ひと登りしてピークに着くと、そこには山頂まで15分という標識があった。まだ15分も歩かなればいけないのだ。
すぐに樹林から抜け出して、明るい稜線歩きになった。足元をよく見るとイワカガミが咲いていた。この花ってこんなに早く咲くんだっけと思う。私がイワカガミを見たのは日本アルプスとか北海道だったからなのだろうか。

このイワカガミの花を時々見つけてはよろこんで歩いて行くと、展望広場に着いた。ここからは莇ヶ岳からの縦走路を一望することができる。縦走路は蛇行して続いていたのだ。
展望台から一旦下って、緑のトンネルの中を行く。そして緩やかに登り返すと山頂に着いた。1320分になっていた。
小さな広場になっていて明るいのだが、潅木に囲まれていて展望はない。山名の標識のすぐ横に三等三角点があった。
今日はカンカン照りで暑い。山頂で休憩するうちに水がほとんどなくなってしまった。
一息ついて、来た道を引き返す。
莇ヶ岳の手前で「周回縦走コース」の新しい標識を見つけた。この道を下っても駐車場に降りれるようなのだが、心配なのでやっぱり登ってきた道をたどることにした。
莇ヶ岳に戻ったのは1445分。ここからはもちろん捲き道を下る。あの鎖場を下るのは無理である。
この捲き道コースもけっこう急な道で、ロープの張られたところが二箇所あった。
下って行くと、「新道へ」という新しい標識があった。Pというのは駐車場のことだと思うので、この道を行くのかと思ったが、左にも道がある。新道というのが気になるので左の道を行ってみた。そうしたら、ちゃんと鎖場との分岐に着いた。あの道はいったいなんだったのかと思う。
分岐から下って、登ってきたときに見た新覗き岩に着いた。標識から右に入ると、新しく作られた道のようで、まだ踏み固まっていない。山腹をトラバースして行くのだが、ロープも張ってあった。
すぐに小さな岩が見えてきた。これが新覗き岩であった。この岩を越えるとその向こうは視界が開けて展望台になっている。南に連なる尾根と深い谷が見えた。
満足して登山道に戻る。あとは登ってきた道を引き返すだけである。でもすさまじく急な道が延々と続く。よくこんな道を登ってきたものだと感心してしまう。檜の林の急斜面を下って登山口に降り立ち、車の前に戻ったのは1525分であった。駐車場には私の車1台だけになっていた。


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ここから歩き始めた


5分歩いて登山口に着く


檜林の急斜面を登る


塹壕のような溝の中を行く


二の鎖を振り返る


莇ヶ岳山頂


笹が覆い被さる道


ピークには三角点のような石柱があった


展望が広がる


赤いテープの檜があるピーク


輝く緑の中を行く


展望のピーク


弟見山山頂


莇ヶ岳から捲き道の下り、けっこうきつい
新覗き岩




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