BACK 薬師峠から黒部五郎へ
2008年9月23日
今日は快晴であった。南には笠ヶ岳がきれいに見え、そして北側の黒部五郎小屋の上には薬師岳が聳えている。すばらしい眺めだ。
今日は双六小屋までの4時間ちょっとの行程なので、出発はゆっくりにした。少し無理をしたら笠ヶ岳まで行けるのだろうが、重いザックをかついで無理をしようとは思わない。今日は景色を楽しみながらのんびり歩くのだ。
とはいいながら、テントを撤収して小屋に向かったのは6時半くらいであった。もっとゆっくりでもよかったのだが、私がテントから外に出たときは他のテントはほとんどなくなっていて、外人さんが一人、ザックを梱包しているところだった。
テント場から小屋に歩いて行くと、三俣蓮華岳への登り口がある。でも、まず小屋の正面にまわって、今日の天気を確認した。日中は晴れなのだが、夕方からは曇って雨になるらしい。今日は昼にはテント場につくはずなので、雨に遭うことはないだろう。
小屋の前の広場からの眺めがすばらしい。薬師岳、そして左に黒部五郎岳、真っ青な空が広がっていて今日は楽しい登山ができそうだ。
灌木が茂る中を登って行く。道には大きな岩がゴロゴロしていてけっこう歩きにくい。登山道にはところどころ分岐があって、直登する「岩ゴロゴロコース」とジグザグに行く「のんびりゆっくりコース」に分かれるのだ。上の方で道は合流するのだからどっちを行ってもいいのだが、私は展望を楽しみながら登りたいので、のんびりゆっくりコースを行った。
登るにつれて黒部五郎岳の全体が眺められるようになって、カールがすばらしくきれいである。また薬師岳もどっしりとした姿で聳えている。なんども立ち止まって写真を撮った。
30分ほど登るとようやく樹林から抜け出して、ハイマツの間を登るようになる。
展望が開けると私の歩いている稜線が、いくつものピークを連ねて笠ヶ岳の方向に伸びているのが見える。これが三俣蓮華から丸山・双六岳の連なりなのだ。明日は稜線のはるか向こうに聳える笠ヶ岳山頂まで縦走するのだ。ものすごく遠い。
傾斜が緩やかになって広い稜線を行くようになると、お花畑が広がっていた。でも、今はもうほとんど花は咲いていなくて、チングルマの綿毛の大群落が見られるだけであった。
広い稜線が右に曲がるところに、指導標がたつ展望の広場があった。ここからは鷲羽岳から水晶岳が見え、さらにその左奥には立山が見える。立山から薬師岳・北ノ俣岳と360度の展望である。うれしくて何もいうことはない。
ハイマツの展望の尾根を緩やかに登って行く。何度も振り返って黒部五郎岳を眺め、鷲羽岳を眺める。進むにつれて、高天原の祖父岳に隠れていた水晶岳が姿を現してくる。
尾根の左は大きなカールになっていて、その中に登山道が見える。行く手には三俣蓮華が大きく聳えている。尾根の左下を行くようになると分岐があった。三俣蓮華の山頂を通らずに、カールを通って三俣蓮華小屋に行く道である。私が以前、縦走をしたときはこの道を通ったのだ。カールの中には黒部川の源流碑があったのを思い出す。
ここで鷲羽や薬師を眺めながら休憩。
分岐から30分ほど展望の尾根を急登する。ハイマツの間を通ったり、砂礫のやせた尾根を登ったりして、ようやく三俣蓮華の山頂に着く。登山者が何人も休憩していた。
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