日本アルプス全山縦走 
弓折岳 2592m

抜戸岳 2812m
双六小屋→1:20→花見平→15分→弓折乗越→15分→弓折岳→20分→大ノマ乗越→1:30→秩父平→1:00→抜戸岳→1:20→笠ヶ岳山荘

この日も快晴であった。双六小屋から稜線に上がると、絶景が広がる。槍・穂高の稜線を左に眺め、そして行く手には鋭く聳える笠ヶ岳。すばらしい展望の稜線歩きであった。抜戸岳山頂からの360度の展望にはただため息であった。
縦走路から見る抜戸岳

 双六小屋から弓折岳へ
テント場から歩き始める


展望の稜線を行く


花見平


行く手に弓折岳、抜戸岳の岩峰を見ながら行く


弓折乗越


弓折岳山頂

BACK 黒部五郎から双六小屋へ

2008924

今日も快晴である。テント場の南には池があって、その奥に抜戸岳が見える。今日はこの抜戸岳を越えて笠ヶ岳まで行くのだ。抜戸岳というのは単なる通過点と思っていたのだが、こうしてみるとアルペン的なすばらしい山だと思う。
テントを畳んで出発したのは725分だったが、テント場には他に誰もいなくなっていた。
池の横を通って、ほとんど平坦な道を行くと、やがて木道になった。振り返ると双六小屋の奥には鷲羽岳が大きく聳えている。アルプスの縦走は本当に景色がすばらしいのだ。晴れていたらなのだが…。
ハイマツの中の登りになると、抜戸岳の右に笠ヶ岳が見えるようになった。今日はあの山まで行くのだが、いかにも遠い。
どんどん登って行くと、右には大きく広がる双六岳が眺められるようになる。平坦な山塊なのだが、紅葉がすごくきれいである。
稜線に登り着くと、槍ヶ岳と穂高連峰が目に飛び込んできた。逆光となっているので、槍・穂高はシルエットでしか見ることができないのだが、すごいとしか言いようがない。
振り返ると三角の山が聳えていて、そこから右に長い尾根が槍ヶ岳に続いている。樅沢岳から続く西尾根なのだ。行く手には広い尾根が緩やかに続いていて、紅葉がきれいである。今、私は北アルプスのまっただ中にる…、こんなすばらしい展望を欲しいままにできるなんて、シアワセいっぱいだ。

歩き始めて1時間ほどで、稜線の左下に池と山小屋が見えてきた。鏡平である。1999年に三俣蓮華から水晶岳・赤牛岳に縦走したときはこの鏡平を経由して登ったのだ。懐かしく思い出してしまった。
行く手の稜線の先には抜戸岳が迫ってくる。そして左には焼岳と乗鞍岳が見えてきた。乗鞍岳の奥にかすんで見えるのは御嶽山であった。ともかく360度、どこを見ても絶景が広がっている。大きな声で叫びたくなるような感動である。
広い尾根をのんびり歩いて行くと砂礫の広場があった。ベンチも置かれていて、花見平という標識がたっていた。尾根の右がお花畑のようなのだが、今は秋で花を見ることはできないのが残念である。
抜戸岳の岩峰に向かって広い尾根を行く。急な斜面を下ってベンチの置かれた鞍部に着くと、そこが鏡平との分岐の弓折乗越であった。ここからは正面に槍ヶ岳が大きく聳えている。ため息がでるような眺めだ。
乗越から10分ほど登ると弓折岳の標識があった。その標識の右に少し高いところがあるので行ってみると三角点があった。山名の標識はないのだが、ケルンが積まれていて、ここが弓折岳山頂である。




鞍部へ急下降する


休憩した展望のピーク


秩父平に向かって下る


カール壁を登って行く


長い稜線を行く


抜戸岳山頂
 弓折岳から抜戸岳へ


弓折岳山頂からの眺めもすばらしい。歩いて来た稜線が一望できて、
360度ぐるりと見回してしまった。写真を何枚も撮った。
登山道に戻って抜戸岳を目指す。稜線はいったん梯子で急下降する。樹林の中を下って行くと紅葉がすばらしくきれいであった。
登り返すと岩礫の広い尾根道になった。大きな岩がいくつもそびえ立つ急な登りである。なだらかなピークに着いたが山名の標識はなくて、すぐ隣にちょっとしたピークがあって休憩している登山者が見えたので、私もそこで休憩しすることにした。ここからは抜戸岳の稜線を間近に眺めることができる。登山道を目で辿ると、ここから急下降して鞍部に下ってそれからカール壁のような斜面を上って行くのだ。カール壁にはすさまじい岩峰がいくつもそそり立っているのが見える。抜戸岳ってこんなすごい山なのかと思ってしまう。
振り返ると歩いてきた広い尾根の奥に双六岳が見える。その左には黒部五郎岳。さらに槍・穂高に焼岳・乗鞍岳、眺めていて飽きることがない。

いつまでも展望を楽しんでいたいのだが、まだ先は長い。展望のピークから長い尾根を下って行く。下るつれて抜戸岳の絶壁がすごい迫力で迫ってくる。
ハイマツの中を通って平坦地に着いた。標識はないのだが、ここが秩父平のようである。登山道がカールに稲妻型に刻まれているもが見える。この秩父平からは抜戸岳の鋸のような岩峰群の眺めがすばらしかった。
カール壁をジグザグに登って行く。かなりきつい登りである。ようやく稜線に着くと指導標がたっていた。そこから振り返ると槍・穂高、さらに黒部五郎や薬師岳も見える。景色を眺めながら少し休憩した。
抜戸岳の稜線を行く。左はすさまじい絶壁で、右側はハイマツのなだらかな斜面が広がっている。左の大絶壁の向こうには槍・穂高の稜線が連なっている。
緩やかに登ってピークに着くと、笠ヶ岳が目に飛び込んできた。私が歩いている稜線は遙か遠くの笠ヶ岳まで続いているのが一望できる。朝から抜戸岳のすさまじい岩峰を眺めて登ってきたのだが、この稜線の上からは平坦な尾根が続くだけで、山頂ってどれなのかよくわからないほどである。
行く手に鋭く聳える笠ヶ岳を眺めながら歩いて行く。稜線の左は絶壁のはずなのだが、登山道は少し右を行くので、断崖を見下ろすことはない。
平坦な稜線歩きが続く。いったい抜戸岳の山頂ってどれなんだろうと悩んでしまう。ときどきちょっとしたピークがあって、そこにケルンが積んであったりすると、これが山頂かと思ったりする。でも、ちゃんとした指導標があるはずだと思いながら歩いて行くと、岩に覆われたピークが見えてきた。登山道はその下をトラバースして行くのだが、その途中に山頂への分岐の指導標があった。
岩が累々とする中を、ペンキ印に従って急登する。稜線に出るとそこに山頂の標識がたっていて、その横に三等三角点があった。
まだ12時前である。笠ヶ岳のテント場までは2時間たらずなので、ここでのんびりすることにした。



 抜戸岳から笠ヶ岳山荘へ
新穂高温泉への分岐


抜戸岳を振り返る


石門があった


笠ヶ岳への急登が始まる


笠ヶ岳山荘


360
度展望で、あの山この山と山名を確認する。槍・穂高が順光になって、すばらしい眺めである。黒部五郎・薬師岳の右には立山や剣岳も見える。見飽きることのない眺めである。
45分ほど山頂にいて景色を眺めていた。
抜戸岳山頂からは上って来た道ではなく、稜線をたどってみた。ガラガラの岩場を斜めに下って行くと登山道に合流して、そのすぐ先に新穂高温泉に下る分岐があった。私が初めて笠ヶ岳に登ったときはこの道を登ってきたのだ。

ここから笠ヶ岳に向かう長い稜線を歩いて行く。緩やかな起伏のある道だが、眺めは最高である。
岩がゴロゴロする急な下りになって、振り返ると抜戸岳の右は絶壁で、その上に山頂が見える。槍・穂高には雲が湧き上がってきていた。
岩礫の急下降が終わると、ふたたび緩やかなアップダウンを繰り返す道になった。ハイマツの中の細い道になったり、砂礫の広い道になったりする。抜戸岳山頂から45分ほど歩いたところに石門があった。巨岩がそそり立つ間を抜けるのだ。
このあたりからは笠ヶ岳がだいぶ横広の姿になってきた。
稜線の左にはカールのような草原が見えて、そこに登山道が見える。この草原がシャクシ平であった。
石門から
10分ほど行くと、いよいよ笠ヶ岳への急な登りなった。ハイマツの間に岩礫の広い道が続く。最後の登りと思って、息を切らせながら登って行くと、岩だらけの広場に着いた。ここがキャンプ場なのだが、テントは一つも張られていない。今日も私が一番のりだ。14時少し前であった。
地図にはここに水場があると書いてあるのだが、水は涸れていた。小屋まで行かないと水はないのだ。
テントを張り終えてから小屋に向かった。岩が累々とする急斜面をペンキ印に従って登って行く。これはきつかった。
小屋でテント泊の手続きをした。水は有料かと思ったら無料で、小屋の前に水道栓があって、そこでいくらでも水を汲むことができるのだ。
テントに戻って食事の準備をして、あとは暮れてゆく穂高をいつまでも眺めていた。
ここでは携帯が使えたので天気予報を確認すると明日は曇りで午後から雨になるという。テントには補強ロープをしっかりと張った。


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