日本アルプス全山縦走 


池の平→30分→仙人峠→1:40→二股→1:10→ダム分岐→40分→真砂沢ロッジ→2:30→雪渓末端→1:00→剣沢小屋

池の平からはすばらしい裏剣の眺めであった。池塘に映る剣の岩峰も美しい。仙人峠からもう一度剣の岩峰群を眺めて新道を急降下するのだが、小窓雪渓がすばらしくきれいだった。二股からは渓流を遡り、真砂沢ロッジからは雪渓を急登する。真っ青に晴れていて、剣の八峰の岩峰を右に見ながら登って行くのだ。ようやく着いた剣沢キャンプ場では、夕方に雲が晴れてすばらしい剣岳を眺めることができた。
池の平から見る裏剣

 池の平
雲が晴れてゆく


池の平山に朝日があたる


池の平小屋


平の池に下る

BACK 阿曾原から池の平へ

2008811

5時に目を覚まして、テントの外に出てみたら剣は雲に隠れていた。今朝は池の平の湿原に下ってそこから裏剣を眺めたいと思っていたのだが、ダメなんだろうか。今日の行程は剣沢キャンプ場までの7時間半ほどなのでそんなに急ぐ必要はない。
テントの中で荷物をまとめて、外に出たら剣の雲が晴れ始めていた。眺めているとどんどん雲が薄れて行く。昨日は逆行でシルエットでしか見ることができなかったのだが、朝日が岩壁にあたって輝いている。すばらしい眺めだ。
ザックを担いで小屋の前の広場にいって、そこに荷物を置いて湿原に下ることにした。小屋の前から見下ろすと大きな池とその周りにいくつもの小さな池塘が散らばっている。すごくきれいである。
ガラガラの急な道を下って行く。道の両側はお花畑でチングルマの白い花が咲き乱れていた。

湿原に下り着いて剣を見上げる。すばらしいとしか言いようがない。岩壁にかかる雪渓が朝日に輝いている。剣はゴジラの背びれのようなギザギザで、鋭い岩峰が立ち並んでいるのだ。
池に映った剣を写真に撮りたかったが、剣と池を一つの画面に納めるのは無理だった。でも池塘に写る剣は本当に美しい。木道を歩いて写真を撮りまくった。今回の登山はこの裏剣を撮影するのが大きな目的だったのだ。天気に恵まれて本当にうれしい。
この湿原から二股に直接下る道があるのだが、地図では点線になっていて荒廃しているという。昨日、小屋の主人に訊いたら歩くのは問題ないのだが、徒渉が2回ほどあるのだという。それを聞いてこの道を行くのはあきらめて、素直に仙人峠から尾根を下ることにした。


 


仙人峠にて


仙人新道を下る


二股の沢が見えてくる


二股の河原を行く

池の平から二俣へ


小屋に戻ったのは
645分、重いザックをかついで仙人峠に向かって登って行く。昨日下った道だが、昨日よりは峠まで近く感じた。途中、振り返ると小屋とその上に池の平山が絶壁を抱えて大きく聳えているのが見えた。この山に登ればよかったと悔やんでしまった。
峠に着いたのは715分、ここからの剣の眺めも本当にすばらしい。昨日の逆光の眺めとは全く違う。峠のベンチでしばらく剣を眺めていた。
峠から少し行って、分岐から仙人新道の尾根に入る。けっこうきつい下りが続くのだが、すばらしい展望の尾根で、立ち止まって何度も剣を振り返ってしまう。下るにつれて剣の形は変化していって、隠れていた小窓の雪渓が見えてくる。小窓雪渓は剣の岩峰から一直線に伸びていてすばらしくきれいだ。
1時間ほど尾根を下ると下に谷の流れが見えてきた。この渓谷が剣沢である。もうすぐだと喜んだが、この先にはザレた急斜面のトラバースがあった。ロープも張ってあるのだが、足場が不安定ですごく緊張させられた。
樹林の中に入ると所々で階段になって、これをひたすら下って、ようやく河原に着く。
ここが二股で、池の平の湿原から流れてくる北股と私がこれから登る南股が合流しているのだ。
河原には大きな岩がゴロゴロしていて、巨岩もいくつも転がっている。
河原の中の踏み跡をたどって行くと吊り橋に着いて、これを渡ったところで休憩することにした。流れはすばらしく澄んでいて、これなら飲めるのではないかと渓流の水を飲んでしまった。
そこから見上げると、吊り橋の向こうに剣が聳えている。三の窓雪渓が白く輝いている。すばらしい眺めだ。



 二俣から剣沢へ
大きな岩が累々とする河原を行く


渓流に沿って行く


ダムへの道が分岐する


真砂沢ロッジに着いた


雪渓末端


左の涸れた沢を登る


ようやく小屋に着いた


剣沢のテント場


吊り橋から南股をさかのぼる。大きな岩が累々とする河原の中を歩いて行く。最初は踏み跡を探して歩いていたが、結局は歩きやすいところを適当に行くようになった。
25分ほど岩の河原を歩くと右に登山道があった。灌木の中に入って歩いて行くが、時々河原に下ったりする。さらに25分ほど行くと右から谷が合流してきたが、その谷は雪渓に埋まっていて、この雪渓を横切った。
吊り橋から1時間10分ほど歩いたところに、ダムへの分岐があった。この道は、ハシゴ谷乗越を越えて内蔵助平から黒四ダムの上流に出るのだ。流れを渡る橋が架けられていた。
私は渓谷をまっすぐにさかのぼって行く。
登るにつれて雪渓が多くなってきた。時々雪渓の上を歩かなければいけにのだが、雪渓はいろんなところで裂け目をつくっていて、けっこう怖い。
広い河原の真ん中に巨岩が現れ、そこにペンキの文字とハシゴが見える。これを目指して歩いていったが、梯子を上った先で道は消えていた。これは昔のダムへ向かう道の分岐だったのだ。ここから河原をさかのぼる道はどう探してもないので引き返した。そうしたら左岸へ上る踏み跡があった。ハシゴに気をとられて、これを見逃してしまったのだ。
灌木の中を歩いて行く。人の声が聞こえてきて、灌木から抜け出したら、そこが真砂沢ロッジであった。11時少し前になっていた。
ロッジで長目の休憩をした。小屋のご主人や登山者と話をした。ここにはキャンプ場にもなっていて、テントがいくつも張られている。こんな真昼にテントが張られているということはここをベースにして登山をしているらしい。この谷の右に聳えるのは剣の八つ峰なのだ。
ロッジから先の雪渓はかなりきついようなので、軽アイゼンをつけて出発した。
雪渓は登ってゆくにつれてどんどん急になってくる。軽アイゼンを持ってきてよかったと思った。
右からは急峻な谷がいくつも合流してくる。その雪渓に埋まった谷を見上げると、その上には鋭い岩峰が見える。剣の東壁から落ちてくる谷なのだ。すごいと思ってしまう。
少し緩かになったところに涸れた木が転がっていたので、ここで休憩することにした。今日は快晴で、頭上には真っ青な空が広がっている。快適な登山である。休んでいると、登山者がけっこう下ってくる。このコースは下り使っている人の方が多いようである。
ますますきつくなった雪渓を登って行く。ロッジから2時間半ほどで、ようやく雪渓の突端に着いた。雪渓が裂けたその先では流れが滝をつくっていた。
ここからしばらく右に沢をみながら行くが、少しして左の沢に入る。小さな雪渓に沿って登って行って、ようやく傾斜が緩まったと思ったら、小屋の前に着いた。これが剣沢小屋かと思ったら、工事中の小屋であった。来年、剣沢小屋はここに移るのだそうだ。
この小屋から少し上に本当の剣沢小屋が見えて、その右にたくさんのテントが見えた。もう一がんばりしなければいけない。
剣沢小屋を経由してテント場についたのは16時半であった。水場のすぐ近くにテントを張ることができた。そしてすぐそばに診療所もあった。この建物にテントの受付があるのだった。
テントに落ち着いて、酒を飲みながらのんびりと景色を眺める。目の前には剣が大きく聳えていて、時々雲がかかったりするがすばらしい眺めである。
「立山曼荼羅」では、剣は針の山とされているのだが、ここから眺める剣は八峰の岩峰群がすさまじくて、針の山そのものであった。
今日はご飯を炊いてカレーでご飯を食べた。本を読んでのんびりして、時々顔を上げて剣を見る。

真夜中の1時半、寒くて目が覚めてしまった。シュラフはもっと厚いのを持ってくるべきだった。


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