日本アルプス全山縦走 


阿曽原→20分→旧道分岐→20分→権現峠→25分→仙人ダム→25分→黒部河畔鉄梯子→30分→雲切尾根登り口→2:30→尾根頂上→45分→仙人温泉湯元→20分→仙人温泉小屋→1:20→二股→50分→涸れ沢登り口→30分→仙人池ヒュッテ→20分→仙人峠→20分→池の平小屋

仙人谷コースは現在通行止めになっていて、そのためにすさまじい雲切新道を急登しらなければいけないのだ。でも、仙人池からの裏剣の眺めはすばらしかった。池の平にテントを張って、暮れて行く剣の岩峰をいつまでも眺めていた。
仙人池から見る剣岳

阿曾原小屋から仙人ダムへ
阿曽原小屋を後にする


水平道に向かって急登する


旧道分岐、今は通行止め


権現峠手前のトンネル


水平道からダムに下る

BACK 欅平から阿曾原へ

2008810

阿曾原小屋のキャンプ場には水場やトイレも完備されているのだが、ここのトイレは水洗であった。そして汚水処理はバイオによって分解されるようになっているのだ。最近の山のトイレ事情というのはずいぶん変わってきていて、北アルプスのように登山者が多いところは環境保護に留意した設備になってきているのだ。それに北海道で見たのは、そもそもトイレがないというものだった。テント場にあるのはトイレブースだけで、自分の排泄物は持参した携帯トイレにして、持って帰るというものだ。人が多すぎると自然がそれに対応しきれなくなってしまうのだ。その悲惨な例が富士山である。富士山の登山道にはいたるところに山小屋があるのだが、その周辺はトイレの悪臭がひどい。この状態では世界遺産になれるはずもない。もし、世界遺産になってしまったら、日本の恥を世界にさらすことになってしまう…。
テントを撤収してザックの梱包を終えたときには、他のテントはまったくなくなていた。私が一番最後ということである。
今日の行程は池の平小屋までの5時間半だけなので、遅くてもいいのだ。でも、昨日小屋の主人に聞いたところでは仙人谷をさかのぼる道は崩落していて、捲き道を通らなければいけないのだという。雲切新道というこの道はメチャクチャに急な登りで、2時間ほど余分に時間がかかるのだという。そうすると、今日は7時間半の行動ということになるのだが、私は重たいザックを背負っているので9時間は覚悟した方がよさそうだ。もっと早く出るべきだったかもしれない。
出発は
6時であった。まず水平道に向かって登って行く。登山道は小屋の前からつけられていて、樹林の中の急な斜面をジグザグに登って行く。道には岩が突き出ていて歩きにくい。20分ほどの急登でようやく水平道に出た。ここには仙人谷コースの分岐があるのだが、小屋の主人が言ったとおり通行止めになっていた。
水平道を行く。樹林の中の平坦な道が続き、20分ほど歩くとトンネルがあって、それをくぐったところに権現峠の標識があった。欅平駅まで12.4km、仙人ダムまで1.2kmとかかれていた。欅平から12kmも歩いたのかと思ったら、けっこう感動してしまった。ここから下には黒部川の流れを見ることができた。
権現峠から10分ほど行くと下りになった。すさまじく急な下りが続く。さっき登ったのはいったい何だったのだと思ってしまう。岩もゴロゴロしていてすごく歩きにくい。丸太をくんだ粗末なハシゴもかけられていた。樹林の中をジグザグに急下降して、最後に長いハシゴを下るとようやく平坦になった。左に谷川の流れの音を聞きながら行くと、突然りっぱなマンションのような建物の前に着いた。これが仙人ダムの建物なのだった。行く手にはすごい山が聳えていて、その真ん中に刻まれた谷には雪渓がいくつか見えて、流れが滝をつくっている。すごいなぁと思って眺めていたのだが、私はこの谷の右を滝を見ながら急登することになるのだ。




ここからダム施設内を行く


トンネルの中を行く


仙人ダム


ここから鉄梯子を上る


急登が続く


尾根頂上(1629m)に着いた


仙人温泉湯元


仙人温泉小屋に着いた
 仙人ダムから仙人温泉へ


ダムの管理寮の前を通って、どんどん歩いて行くと草茫々の道になって、最後は道がなくなってしまった。昨日、阿曾原小屋の主人からはダム施設の中を歩くと聞いていたのだが、細かいことがよく理解できていなかった。ともかく引き返して、草茫々の入り口の広場でザックをおろして地図を確認した。そこでふと顔を上げると、鉄の柵の大きな扉に登山道の案内が書かれていた。この鉄の扉を開けて、トンネルの中を行くのが登山道なのだった。道がわかったので安心して、少し休憩することにした。休んでいたら、昨日露天風呂で一緒になったグループがやってきた。彼らはこの仙人ダムを見学して阿曾原小屋に引き返すのだそうだ。

ダム施設の中のトンネルを行く。けっこう曲がりくねっていて迷いそうになるのだが、親切な指導標があるので迷路のような回廊を歩いて行くことができる。
最後は階段を登ってダムの堰堤の上に出た。ダムの上からは黒部川の眺めがきれいだった。ここからさらに階段を上って建物の屋上に出る。その屋上にはロープを張って登山道を示している。屋上からハシゴのような階段を下って黒部川の左岸につけられた細い道に下る。ここからは左に黒部川をみながら細い道を行く。黒部の流れはコバルトブルーですばらしくきれいであった。
水平道の終点には、右にハシゴがかけられていた。このハシゴを登るのだが、これがまたほとんど垂直かと思うような急なハシゴで、しかも二連になった長い登りであった。途中から下を見るとすごい高度感であった。
ハシゴが終わると谷川の右につけられた道を行く。10分ほど行くと木の橋が架けられていて、これで右岸に渡る。
樹林の中に入って、左に黒部川を見ながら平坦な道を20分ほど行くと、右に急な道があった。そこにあった指導標にはわざわざ「これより急登」と書いてあった。その急登に備えて、ここで少し休憩した。この急な登山道は雲切新道というのだ。815分になっていた。
まず、ハシゴを登る。そして急な登りは延々と続くのだ。階段の道になったりハシゴを登ったり、ひたすら登って行く。15分ほどで滝のすぐそばを登るようになった。ダムから見上げていた滝である。
1時間ほど急登が続く。荷物が重いし、もう青色吐息で、この急登では35分登って10分休むというペースであった。ようやく樹林から抜け出すと、そこからはやせた尾根の登りである。尾根になったら傾斜が緩まるのかと思っていたのだが、みごとに裏切られた。ロープが下がる急な登りが何度もあった。夏の強い日差しで汗だくになってしまう。
一息ついて振り返ると、対岸の上にすごく高い稜線が見える。これは五龍岳から鹿島槍ヶ岳に続く後立山の稜線なのだ。すばらしい眺めである。
ようやく平坦になって、少し行くと指導標のある広場があった。そこには「尾根頂上 標高1629m」と書かれていた。やっと急登が終わったのだ。1110分であった。
山頂からは緩やかに下って行く。右は仙人谷で、流れがはるか下に見える。山の急斜面をトラバースして行くと、谷を挟んだ向こうに仙人温泉小屋が見えた。温泉小屋なのだからここには温泉があるのだろう。疲れ果て、汗だくになっているので温泉に入って行きたいという誘惑にかられてしまう。
歩いている登山道を目で追うと、道は小屋よりも遙か先で谷に下るのでこの小屋を通ることなさそうだ。(でも道はわざわざ引き返すように谷の斜面を登って小屋を経由するのだ)

谷底に向かってどんどん下って行くと湧き水があったので、そこで休憩することにした。冷たいおいしい水だった。
これでようやく一息ついて、さらにトラバース道を谷に向かって下って行く。
行く手の山の斜面から白煙が激しく上がっているのが見えてきた。これが仙人温泉の源泉であった。緑の斜面にガレ場があって、その岩礫の間から白煙がもうもうと上がっている。すごい眺めである。ここにたつ指導標には仙人温泉湯元、標高1550mと書かれていた。ずいぶん下ったようだったが、尾根山頂からはまだ100mも下っていないのだ。
ようやく仙人谷に下ると、そこにはちゃんとした橋がかかっていた。上流は二股になっている。私はどっちの沢を登ることになるんだろうと思ってしまう。
橋を渡って、谷の急斜面を登って行く。登って行く方向とは逆の方へ道は続いている。おかしいなと思いながら登って行くと、小屋の前についてしまった。登山道はここでターンしてようやく登りになるのだ。わざわざこの小屋を経由するように道はつけられているのだ。なんかすごく遠回りしたような気がしてしまった。
小屋の入り口には「
06年までの登山道は廃道です」という表示があった。


 
 
 


 仙人温泉から池の平へ
雪渓に沿ってゆく


雪渓を登る


二股が見えてきた


ここから左の沢を登る


涸れ沢の上部は二連の梯子


仙人池ヒュッテ


仙人池ヒュッテを振り返る


仙人峠からの道


池の平小屋


仙人温泉で休憩していたら登山者が下ってきて、話しを聞くと、この先の雪渓は崩れて始めていて、すごく危なくなっているという。雪渓歩きは注意しなければいけないようだ。

小屋からターンして樹林の中を登って行く。すぐに視界が開けて左に渓谷が見えた。この渓谷の右につけられた道を登って行く。やがて沢を雪渓が覆うようになって、登山道はその雪渓の中に下って行く。このあたりはお花畑でいろんな花が咲き乱れていて、すごくきれいであった。ニッコウキスゲの群落もあった。
雪渓歩きが始まった。雪渓の下からは流れの音が聞こえる。崩れたらどうしようかと思ってしまう。雪渓の傾斜はどんどんきつくなって、軽アイゼンを出そうかとも思ったが、めんどうなのでそのまま登っていった。40分ほど雪渓を登ると、行く手に二股が見えてきて、このあたりから雪渓に裂け目が見えるようになった。左に踏み跡が見えたので、雪渓から逃れて登山道を行くことにした。
登山道は安心なのだが、歩きやすいのは雪渓だと思った。岩のゴロゴロする登山道を行く。二股ではまず雪渓を渡って、右の沢に入る。でも、ここのあたりは完全に雪渓が崩れていて、これを避けて続く踏み跡は崩れやすい急斜面につけられていて、慎重に足を運ばなければいけなかった。登山者が教えてくれた危険箇所とはこのあたりのようである。
右の沢筋に入って、ロープで急な道を登って谷の狭まったところを過ぎたら再び雪渓の広い谷が広がっていた。
雪渓を登って行くと、すぐに雪渓はズタズタに寸断されるようになって、登山道を歩かなければいけなくなった。この沢を30分ほど登ったところで、道は左の涸れ沢に入る。巨岩がゴロゴロする急な沢である。ペンキ印に従って急登すると、沢の最後はハシゴを登って草の中の斜面に出る。傾斜は緩まって、階段になった道を上って行く。もうすぐ仙人池ヒュッテだろうと思うのだが、なかなか着かない。
ヒュッテの前に着いたのは1455分であった。小屋の前のベンチに腰掛けて周りを見回す。ここには仙人池があって、そこからみる裏剣の眺めはすばらしいはずなのだが、仙人池がない。小屋の前から少し行くと、右に池があった。池の向こうにゴジラの背びれのようなギザギザの岩稜の剣が聳えていた。今の時間は逆光になってしまってシルエットでしか見ることができないのだが、それでもすばらしい眺めである。白い雲が湧き上がってきて、時々剣を隠したりするが、それがまた景色に変化をつけてきれいだ。ため息がでるような絶景である。私はこの景色を見たくて、二日かけて歩いてきたのだ。
いつまでも眺めていたいが、もう一がんばりして池の平に向かわなければいけない。
小屋からはほとんど平坦な尾根の道を行く。道はきちんとした階段がくまれていて、平坦なところは木道がつけられている。このあたりはチングルマの群生地なのだが、花はすでに散って渦巻きの毛で埋まっていた。振り返ると丸い山の中腹にたつ仙人池ヒュッテが小さく見える。

真砂沢への分岐に着くと、そのすぐ先が仙人峠である。峠にはベンチが置かれていて、ここから見る剣は迫力があって、仙人池と同じくらいすばらしいものであった。東には後立山が聳えているはずだが、雲に隠れていた。
峠からは尾根に沿って斜めに下って行く。この頃、霧がかかってきた。ひたすら斜めに下って行き、右から落ちてくる沢を横切る、ここから水を引くゴムホースがのびていた。遙か左下に池が見えた。これが池ノ平の湿原のようである。あそこまで下るのかと思ってしまう。(小屋はこの尾根の上にあるので、湿原まで下る必要はないのだった。)
ようやく霧の中に小屋が見えてきたが、テントが一つも見えない。テント場って小屋の近くにないのか、もしかしたら、遙か下の湿原まで下るのかと心配になってしまった。
小屋に着いたのは16時過ぎである。今日は10時間も行動したことになる。
小屋で手続きをしたら、小屋のすぐ後がテント場なのだが、今日はテント泊がいないのだそうだ。テントが見えないはずである。
テント場からは剣の眺めが本当にすばらしい。
次第に日が暮れて行く。雲が湧き上がって、剣を隠したりする。夕日に染まった赤い剣岳を期待していたが、今日は夕焼けにはならなかった。
18時頃、テント場に着いた二人がいた。私はその頃はもう、テントの中でうつらうつらしていたのだが。
真夜中の1時頃に目が覚めて外に出たら、満天の星空であった。銀河がけぶるように夜空にかかっていた。明日も晴れそうだ。


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