三俣蓮華から双六岳に向かう。
行く手に大きな山が迫ってくる。私はこれが双六岳だと思って登っていったのだが、丸山という双六岳の前衛峰であった。
この縦走路からは、丸山の右奥に鋭く尖った山が見える。このあたりにあんな山があったのかと不思議に思ってしまったのだが、地図で確認してみると笠ヶ岳なのだ。見る方向によって、あんな鋭い山に見えるのかと楽しくなってしまう。
丸山の山頂に登り着くと、広い台地に這い松が絨毯のように広がっている。少し探したが、山頂標識や三角点などはなかった。
丸山の台地を行くと、行く手には双六が大きく聳えている。すばらしい山ではないか。
丸山から下って鞍部に着くと、そこからは這い松の間の道になる。
山腹をトラバースするように登って行くと、分岐があった。左は双六の山頂を巻く「中間道」である。もちろん私は山頂をめざすのだが、すさまじくきつい登りであった。
双六岳の山頂に着いたのは8時15分。
広い台地の隅に盛り上がったところが山頂で、山頂広場には岩がたくさん転がっている。その真ん中に三角点があった。
山頂から振り返ると鷲羽岳が見える。三俣蓮華岳は丸山に隠れて見えなかった。
双六岳山頂から少し下ると、すごく広い平らな尾根を行くことになる。この広々とした稜線歩きは快適で、行く手に聳える笠ヶ岳を眺めながら歩いて行くのだ。
台地が尽きたところからは急降下になる。白い岩がゴロゴロする道で、その岩を縫って下る。
降り着いたところが中間道との合流点である。この道は丸山と双六岳の中間点に至る道である。
ここから少し行くと水平道(捲き道)と合流する。この分岐点からは三俣蓮華と鷲羽岳・野口五郎の展望がすばらしい。ザックを置いて、しばらく北アルプスの山並みを眺めていた。
緩やかに行くと下に双六小屋が見えて、その小屋に向かって急降下する。
登山道は双六小屋前の広場に着く。小屋の前には蛇口が並んでいて、これが水場なのだ。水は自由に使っていいのだ。小屋の前のテーブルで少し休憩した。
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