烏帽子小屋→三つ岳(2844m)→野口五郎岳(2924m)→真砂岳(2862m)→水晶小屋→ワリモ岳(2888m)→鷲羽岳(2924m)→三俣山荘

いよいよ、北アルプスの真っ只中を行く。行く手には槍・穂高、そして鷲羽・水晶岳。すばらしいアルプス展望の道なのだ。
鷲羽岳とワリモ岳

 烏帽子小屋から三ツ岳へ
烏帽子キャンプ場


三ッ岳への登り


槍ヶ岳が見えた


三つ岳山頂


BACK 船窪岳から烏帽子岳

2005年92

朝、空は晴れわたっていて、今日もすばらしい登山ができそうだ。今日歩くのは一度歩いたことのあるコースだ。会社に勤めていたときの夏休みに、薬師岳から三俣蓮華岳経由でこの烏帽子岳まで縦走したことがあるのだ。以前歩いたコースを、今回は逆にたどることになる。
行く手には、どっしりと三ツ岳が聳えている。まずこの山を越える。
テントのフライシートは露でグショ濡れであったが、そのままたたんでザックに入れる。出発は6時過ぎになった。
三ツ岳へは広い尾根を緩やかに登って行く。
尾根は右に曲がって、ここから三ツ岳への急な登りになる。この曲がり角から、槍ヶ岳が見えた。槍ヶ岳はやっぱり北アルプスの象徴で、これが見えると何かしらうれしくなってくる。
三ツ岳に向かってジグザグに登ってゆく。朝はあんなに晴れていたのに、途中から霧が出てきた。三ツ岳北峰に着いたときは、すっかり雲の中であった。
北峰は山頂という感じがしない普通の平坦地で、しかも霧で展望がないのでガッカリしてしまった。この先に2847mの最高点があるのだが、登山道はこの山頂を通らないのである。そうすると、とりあえずはここ北峰を山頂としておくしかない。
本峰の下をトラバースしてゆくと、山頂に向かう踏み跡があった。最高点を踏まずに通り過ぎるのはシャクなので、この踏み跡を登ってみた。ところがその上は大岩が累々とする道で、踏み跡もはっきりしない。霧の中で展望もきかない。どうしようもないので引き返した。
ほとんど平坦な道を行くと西岳の分岐があったが、これも霧の中なので行くのは止めた。
これで、三つ岳の山頂部は通過してしまったことになって、次にめざすのは野口五郎岳である。



 野口五郎岳
広い稜線を行く


野口五郎岳への道


野口五郎小屋


野口五郎岳山頂


三ツ岳から先の縦走路は広い尾根で、あまりアップダウンもなくて、快適に歩いて行ける。
次第に霧も晴れてきて、展望が広がる。行く手には野口五郎岳が大きく聳えている。
すばらしい稜線が続く。展望があるのは最高である。黒部谷の向こうには黒岳がすばらしい姿を見せている。その尾根が右に続いているいるが、その一角、山肌が赤く見えるのが二百名山の「赤牛岳」である。私がこの山に登ったときは、雨の中で何も見えなかったのだが…。
野口五郎岳へは、ザグザグの広い尾根を登って行く。かなり急な登りなのだが、昨日までの厳しいアップダウンの道に比べたら、まったくどうということはない。さすがに「裏銀座」と呼ばれだけあって、無理がないコースになっている。
野口五郎小屋には8時半に着いた。ここにはキャンプ場があって、以前来たときはここでテントを張った。でも、今はキャンプ場が閉鎖されているのだ。理由は落石の恐れがあるからだそうだ。
小屋の前のベンチで少し休憩して、野口五郎岳山頂をめざす。山頂に向かって尾根を行くと、下にキャンプ場跡が見えた。確かにこの尾根から岩が崩れそうな感じである。閉鎖に納得した。
野口五郎岳山頂は、きわめて広い。その広場の真ん中に山頂の標識が立っていた。
山頂に着いたときは霧の中だったが、休憩していたら次第に晴れてきた。真正面に鋭く聳える黒岳(水晶岳)を見ることができた。いよいよ北アルプスの中心部にやってきたという気がする。重いザックにヒイヒイいっていたのだが、元気が出てきた。



 真砂岳から東沢乗越へ
真砂岳への道


真砂岳山頂


東沢乗越に下る


これから向かう縦走路には真砂岳が見える。かなり下にあるのだが、私はこの山頂にも登りたいと思っている。登山道はこの山頂は通らずに下を巻いてしまうため、前回は登らなかったのだ。
野口五郎から下ってコルに着くと、そこには文字がほとんど消えてしまった指導標があった。ここから真砂岳山頂に向かう踏み跡がある。
ザックを置いてゆこうかとも思ったが背負って行くことにする。多分向こう側にも道があるはずである。岩礫の中につけられらジグザグの道を登る。
ようやく登り着いた山頂にはケルンがあるだけで、山名を書いた標識はなかった。
真砂岳山頂から行く手の縦走路を眺める。細い尾根が赤岳(水晶小屋)に向かって続いている。ここから眺める限りでは、そんなに大変な道ではなさそうだ。(実際はとんでもない急峻な道が待っていた)
真砂岳から下って、下を巻いてきた道と合流する。少し下ると真砂岳分岐という指導標があった。
ここからは大岩が累々とする道であった。大きな岩につけられらたペンキ印に従って岩を越えて行く。歩きにくくて、しかもアップダウンのある道、時間がかかった。
東沢乗越の手前には、なぜかポツンと石仏が置かれている。この石仏とアルプスの山はけっこう絵になっているのだ。山々を眺めながら休憩した。


 赤岳からワリモ分岐へ
ここが本当の東沢乗越


登って来た道を振り返る


水晶小屋

石仏から少し下ると黄色の指導標があって、ここが本当の東沢乗越であった。
東沢乗越からは赤い岩礫の痩せた尾根を急登する。尾根に突き出る岩峰を縫うように登って行くのだが、すさまじくきつい登りである。
この登山路から正面に見えるのが鷲羽岳である。いかにも風格のある山で、さすがに日本百名山である。この鷲羽岳の右隣に、もう一つピークが見える。なんだろうと思って地図を見ると「ワリモ岳」というのだった。

空には厚い雲が出てきて、今にも雨が降りそうだ。こんな岩場で雨には会いたくないので、少し急ぐことにした。
水晶小屋に着いたのは1140分である。疲れた。ここから登ってきた尾根道を振り返ると、痩せた岩稜でいかにも険しい道である。無事通過できてよかった。
水晶小屋からは黒岳への道が分岐するのだが、今回は立ち寄らず、まっすぐに三俣蓮華小屋に向かうことにする。
小屋の後ろが小高い丘をつくっている。これが実は赤岳山頂なのだ。せっかくなので立ち寄ることにした。すぐに山頂に着くが、そこには三角点のような石柱があった。山頂からは縦走路の向こうに聳える黒岳の眺めがすばらしかった。
ワリモ乗越に向かって下って、このコルからさらに尾根の上を行くのかと思ったら、登山道は山腹をトラバースして行く。これを回りこんだところに分岐があった。ワリモ分岐で、まっすぐに行くと高天原や雲ノ平なのだが、私は左に曲がって鷲羽岳山頂をめざす。


 鷲羽岳を越えて三俣荘へ
ワリモ岳への登り


鷲羽岳山頂


鷲羽岳から下る


三俣山荘に着いた

ここからは急登である。ひたすら登って、ワリモ岳山頂に着いたのは  時。山頂には巨大な岩が重なっていた。
ちょとした岩場を下る。コルで休憩して、呼吸を整えてから今日の最後の山を目指す。
ともかく日本百名山の鷲羽岳である。ザレた急な道をジグザグに登る。
山頂に着いたのは110分である。これで2時半には小屋に着けそうである。
山頂からは、はるか下に小さく三俣山荘が見える。あんな下まで下るのかと、気がおもくなった。ただ、気になったのはテントが一つも見えないこと。キャンプ場がちゃんとあるか心配になった。野口五郎みたいに閉鎖になってたらどうしよう。
急な道をジグザグに下る。かなり急な下りで、しかも、行けど行けど、小屋が近づいてこない。
ようやく平坦になって、這い松の間を抜けると小屋の前に着いた。
小屋でキャンプの手続きをした。ちゃんとテント場はあるのだ。
テント場の前には小川が流れていて、それを渡ったところに水場がある。
テントを張り終えて、鷲羽岳を見上げる。すごい迫力で、あの山頂から下ってきたということに満足を感じた。
6時頃、小屋に行ったら、小屋の前の広場に人がいっぱい集まっている。何かと思ったら、ここから夕日に染まる槍ヶ岳がきれいに見えていたのだ。
明日はいよいよ槍ヶ岳である。



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