BACK 燕岳
2000年8月14日
餓飢岳小屋4:30→4:55餓飢岳山頂→5:34西餓飢岳分岐→6:00餓飢のコブ→7:43唐沢岳8:00→10:28西餓飢岳分岐→11:10餓飢岳小屋12:18→13:50大凪山→15:17水場→16:50白沢三股
真夜中1時に目が覚めた。テントの外が明るい。
外に出てみると、満月が煌々と輝いていた。下を見ると、大町の町の灯りがすばらしくきれいであった。明日は晴れだ。うれしい。
3時半に起床。今日は常念山脈縦走の総仕上げの日である。北端の山、唐沢岳を往復して大町に下山する。
当初の計画では、東沢乗越まで引き返して、それから中房温泉に下る予定であったが、餓飢岳からそのまま白沢に下ることにした。これだと今日の歩行時間は唐沢岳往復に5時間半、白沢への下りに4時間、計9時間半ということになる。東沢乗越に引き返していたら11時間もかかってしまうのだ。楽なほうを選んだということである。
もっと本音を言うと、あの腐ったような梯子や桟道は二度と通りたくないというのが一番の理由なのだが。
4時半、まだ暗い中、ヘッドライトをつけて小屋に向かう。
餓飢岳小屋では、ここの娘さんが懐中電灯で朝食の準備をしていた。
水2リットルの購入とキャンプ料金の支払いをした。白沢三俣からはタクシーを手配しなければいけないのだが、それは唐沢岳から帰ってきてからでいいという。
小屋から餓鬼岳山頂はすぐである。東の空がうっすらと明るくなるころ山頂に着いた。
大町の街並みはまだ夜の帳の中で、町の灯りがきれいである。川に沿って朝霧がかかっているのも見えた。
まだ薄暗かったが、山頂から槍ヶ岳、その向こうに穂高も見えた。
山頂で展望を楽しんでいたら、霧が出てきた。あわてたがすぐに晴れた。
岩のゴロゴロした稜線を行く。30分ほどで西餓飢岳分岐に着いた。ここからは谷をはさんだ向こうに唐沢岳が聳えているのが見える。実は谷ではなくてここから大きく下る鞍部なのだ。はるか下にその鞍部が見えるのだが、この下って登る落差を考えると憂鬱になってしまう。
ともかく、すさまじく急な斜面を下り、樹林の中に入る。しばらく林の中の平らな道を行くと登りになって、砂礫のピークに着く。道の両脇に無造作にコマクサの群落が。
ここが「餓飢のコブ」である。6時であった。
朝、出発したとき雨具のズボンを履いてきた。これは正解であった。昨日の雨と朝露でズボンはグショグショになってしまうのだ。ズボンは雨具だからよかったのだが、靴は中まで水浸しになってしまった。
ここからいよいよ、岩場の登りになる。目の前には大きな岩塔がそびえている。
岩塔の基部で雨具のズボンとステッキを置いていくことにした。
本格的な岩場の登りが始まる。私にはけっこうきつい岩登りであった。怖かった。
岩場をようやく乗り越えて、山頂直前の砂礫の尾根に飛び出す。ここにもコマクサの群落が見られた。
唐沢岳山頂には7時45分到着。
槍ヶ岳は雲で見えなかったが、野口五郎岳の稜線と立山方面の山並みがきれいに見えた。
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