日本百名山

たでしなやま

標高 2530m
女ノ神茶屋登山口→蓼科山山頂→将軍平→天祥寺平→大河原峠分岐→亀甲池→北横岳→北横岳山荘→坪庭→ロープウェイ山頂駅

八ヶ岳連峰にこの蓼科山は含まれていないのだが、全山縦走のスタートはこの山を登ることから始めた。
山頂からは八ヶ岳全山のすばらしいパノラマを展望することができた。
蓼科山

 女乃茶屋から蓼科山山頂へ 1998年 蓼科山登山


塩尻で乗り換える


塩尻で一旦、外に出た


茶屋の向かいが登山口


登山口からの登り



紅葉も始まっていた


蓼科山へ向かって登る


三角屋根が見えた


南八ヶ岳が見える


蓼科山が迫ってくる


大きな岩の道になった


山頂小屋に着いた


蓼科山山頂

BACK 八ヶ岳全山縦走計画


2003年10月11日

関西から八ヶ岳への交通の便は極めて悪い。

大阪から信州に向かう列車は長野行きで、八ヶ岳の登山口茅野へは塩尻で乗り換えなければいけないのだ。
大阪からの夜行列車の名は「急行ちくま」といって、2142分発である。東京からなら新宿発で12時くらいなのだが、21時というのはけっこう早い。
塩尻に着くのは4時で、ここで2時間も待って62分発の上りの列車に乗ることになる。
茅野には627分に着くが、蓼科山登山口へ向かうバスは820分発で、ここでも2時間待たなければいけないのだ。結局、登山口に着くのは10時少し前になってしまうのだ。本当に不便である。


今日は夕方に行事が入っているので、一旦家に帰って着替えるということができない。朝は登山姿で出勤することになった。ザックを背負って、スーツや靴は手に持つ。通勤ラッシュの最中、こんな大きなザックを持って電車に乗り込むのはけっこう勇気が必要なのだ。
仕事を終えて、大阪駅に着いたのは2040分頃。
ホームに行くと、すでに長い行列ができていた。これは座れないなと諦めていたのだが、意外と座席数は多いもので、あっさり座ることができた。去年、後立山を縦走したときは京都から乗ったのだが、満席で大変だったので、今回は始発の大阪から乗ることにしたのだ。正解だった。
3連休前夜の信州に向かう夜行だけあって、登山者でいっぱい。通路にも立っている人が多く、座り込めないほどの混雑なのだ。
予定通り、4時に塩尻に着いた。一旦改札を出て、待合室に入る。外はまだ真っ暗である。
2時間の待ち時間があるので、寝ることにした。
テント・シュラフ持参しているので、簡単である。待合室の隅にマットを敷いて、寝転がった。
ウトウトしていて、何かしら賑やかになったので目を覚ますと6時少し前になっていた。急いで荷物をまとめてホームに行く。茅野で2時間待つのだから7時半くらいの列車で十分なのだが、とりあえず62分のに乗り込んだ。
トンネルを抜けて諏訪湖が見えてくると、なんかワクワクしてくる。さあ、登るぞという気がしてくるのだ。
茅野には627分に着いて、再び2時間待ち。
バス停を見に行った。ちょうどバスが停まっていて、それは美濃戸口行きであった。主峰、赤岳に登ろうとするときはこのバスで美濃戸口まで行って、そこから行者小屋か赤岳鉱泉を目指すのだ。なつかしい。
待合室に帰ってきたら、駅の立ち食いそばの店が開いていた。
朝飯として、このそばを食べることにした。立ち食いそばであっても、「信州蕎麦」である。うまかった。
バスは定刻にやってきて、これに乗り込む。乗客は意外と少なかった。
一番最初に停まるのが尖石遺跡の博物館前。ここは縄文遺跡で有名で、東京に住んでいたときに、それを見るためだけにやってきたことがある。
バスはいろいろ寄り道をしながら走って行く。蓼科湖ではホテル前まで行って引き返すし、ピラタスロープウェイでも山麓駅まで行ってまた引き返すのだ。
ようやく蓼科山登山口に着いたのは10時少し前であった。
ここには女ノ神茶屋がある。その前がバス停で、車道を渡った向こうに登山口がある。
ザックを背負って出発。さすがにテント泊まりの装備が入っていると重たい。
潅木の間の道を行く。紅葉がきれいである。
10分ほどで急な山道に変わる。蓼科山は写真で見てのとおり、山頂部は丸いのだが、独立峰でけっこうきつい登りが続くのだ。
一旦傾斜が緩やかになり、平らな道を行く。行く手には蓼科山が迫っている。
再び急登になる。これはきつい登りであった。
1時間ほど、この急登にあえがなければいけない。しかし、景色は最高である。
下には女神茶屋が見える。その少し上の平原に三角屋根の建物が見える。蓼科湖も見えるし、意外と近くに白樺湖も眺めることができた。
木々は色づいていて、秋を感じさせる。秋の山はすばらしい。(このホームページでは「春の山はいい」とか「夏の山はすてきだ」とか、「冬山の魅力はすてがたい」とか書いていて、結局、山はいつ登ってもいいということになってしまうのだが…)
目を南に転じると、南八ヶ岳の鋭く切り立った峰々が見える。これから3日かけて、あそこまで縦走するんだと思うと、楽しくてワクワクしてしまう。
急登が続く。山頂近くになると、大きな岩が累々とする道になる。蓼科山は遠くから見ると山頂部は丸くなっていて、とても大岩がゴロゴロしているようには見えないのだが…。
登山道は山頂を巻いて、まず蓼科山頂小屋を目指す。でも私は早く山頂に着きたいために、ルートをはずれて大岩を越えていった。途中、不安定な岩があって、こけてしまった。危ないことはするものではない。
山頂は人であふれていた。
記念写真で列をなしているものだから、写真を撮るのは一苦労だった。
蓼科山の山頂部は円形の火口を造っている。ただし、火口は深く陥没しているのではなくて、平らな平原になっている。但し、草が生えているのではなくて、火山岩でぎっしりと埋められている。
その火口原の中に神社の祠があった。
山頂からこの火口原を横切って向こうの端に行って見た。そこには方向指示盤が設置されているのだが、その周りも人がいっぱいであった。
ここからの展望はすばらしかった。遥か向こうに北アルプスの山々が一望できるのだ。
まず、槍・穂高が際立っている。その左に少し離れて乗鞍岳が見えた。さらに中央アルプス・南アルプスも間近に見ることができる。
なんか、とても幸せな気持ちになってしまう。
「サイコー!」



 北横岳(横岳)
将軍平から蓼科山を振り返る


天祥寺平の分岐


亀甲池


北横岳山頂


蓼科山山頂で軽く食事をしてから山頂小屋に向かった。
小屋の前に分岐があって、そのまま将軍平に向かって下る。この下りがまたすさまじく急であった。
大きな岩が所々にあって、これを越えて下って行く。ようやく将軍平にある蓼科山荘の前に着いた。ここも登山者が多い。私がスタートした女神茶屋では数えるほどしか登山者がいなかったのに、彼らはどこから登って来たんだと地図を見てみると、ここから1時間ほど下ったところに大河原峠があって、そこまで車道が通じているのだ。ここにいる登山者の大半はこのルートからやってきたようである。
私はここでも休憩することなく、そのまま天祥寺平に下る。どんどん下って行く。さっきの下りに比べたら傾斜は緩やかである。
天祥寺原の草原に着く。ここには水場があるはずなので、水を補給しようとしたが、それが見つからない。水場は枯れてしまっているようなのだ。困ってしまう。今夜の野営に水がないとつらい。
枯れてしまった沢に沿って10分ほど歩くと天祥寺原と表示された分岐に出た。真っ直ぐに行くと大河原峠で、私は右折して亀甲池を目指す。
樹林の中をゆっくりと登って行く。30分ほどで亀甲池のほとりに出た。池は水が少なくなっているが、森に囲まれたひっそりとした雰囲気で、木々の濃い緑を水面に映していた。「森と湖」こそが北八ヶ岳逍遥の魅力なのである。
亀甲池から北横岳をめざす。登り1時間20分とあるのだが、地図で見を見る限り、そんなに時間はかからないだろうと思った。ところが、この考えはあまかった。きっちり1時間20分かかってしまったのだ。重いザックを背負っていたらこんなものである。
北横岳は横岳ともいう。南八ヶ岳にも横岳があるため、これと区別するために北横岳というのだ。山頂からは蓼科山の秀麗な姿と南八ヶ岳の山並みを見ることができた。



 ロープウェイ駅へ
ロープウェイ駅に下る道


北横岳ヒュッテてに着いた


三つ岳への分岐


ロープウェイ駅が見える


ロープウェイ駅、このベンチの前にテントを張った


北横岳山頂から下るとすぐに山小屋があった。これが北横岳ヒュッテで、ここからは七つ池に下る道がある。後でガイドブックを読むとこの七つ池はけっこうすばらしい池のようなのだが、先を急いで寄らずじまいになってしまった。もったいないことをした。
小屋からさらに行くと、道は溶岩がゴロゴロする道になる。分岐がある。左が三つ岳を経由して雨池峠に至る道で、左は坪庭経由でロープウェイ駅に向かう道である。
三つ岳というのは岩場の山である。事前にガイドを読んだとき、この三つ岳経由のコースが異様に時間がかかるように書かれていたので何でだろうと思っていたのだが、岩場のコースで時間がかかるということなのだ。このコースを行きたかったが、もう時間は4時半である。三つ岳に登っていたら途中で日が暮れてしまう。
それと水がない。テントを張るにはどうしても水が欠かせない。天祥寺原で水を補給するつもりだったが、それができなかった。今持っている水は1リットルと少しだけ。これでは心配である。そこでロープウェイ駅に行ったら、水道があるだろうと思ったのだ。
どんどん下って行く。下に坪庭と思われる溶岩の平地が広がっているのが見える。
一旦、沢まで下って、そこから少し登り返したところが坪庭である。この坪庭はロープウェイ駅が近いこともあって、遊歩道が整備されている。だんだん日が暮れてくる。水を手に入れるために、駅が閉まってしまう前に駅に着きたい。遊歩道は何と、一行通行になっているのだ。左廻りで、これだと駅には遠回りになってしまうのでこの一方通行は無視することにした。
坪庭のきれいな景色を見ながら行くのだが、気があせっていてそれを楽しむ余裕がない。
駅に着くと、三人の人が入り口に立っている。胸にネームプレートをつけている。これはこのロープウェイの社員で、今入り口を閉じようとしていたのだ。水はないかと訊くと、ないという答えで、ペットボトルの水を売っているという。そんなミネラルウォーターを買ってもしかたがないので、水はあきらめることにした。
駅を出ると、これらの社員が帰るためにロープウェイが動いていた。

さて、困った。残り少ない水で野営するしかない。
駅から遊歩道を少し行くと、ちょっとした広場があって、それを囲んでベンチがいくつも置かれている。
薄暗くもなってきたので、ここにテントを張ることにした。今回持って来たのは、一番軽いシェルター型のテントである。ベンチに座って食事をしているうちに暗くなってしまった。ロープウェイ駅には明かりがついていて、そのほのかな明かりで食事をした。


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