この「日本二百名山」のページで、まだロードできていないのが天狗岳である。
この山には何度か登っていて、山頂での記念写真も残っているのだが、印象が極めて薄い。
私は南八ヶ岳の縦走を3度行っているが、そのコースは渋ノ湯から黒百合平に至り、中山峠から天狗岳に登って、それから硫黄岳・横岳・赤岳・権現岳・編笠山と縦走して小淵沢に至るものである。
私にとっての天狗岳は縦走の途上の一通過点という印象しかないのだ。このホームページにロードするために編集作業を始めたのだが、どうにも書きようがない。あげくにはこの山が二百名山に選定されるほどの山か、と思ったりもしてしまう。
八ヶ岳にせっせと登っていたのは20年も前のことなので、この天狗岳にはもう一度登って確かめてみようという気になった。

10月には3連休がある。
紅葉のきれいな時期でもある。
南八ヶ岳には何度も出かけているのに北八ヶ岳は行ったことがない。そこで天狗岳を登るついでに、北八ヶ岳の山々にも登ってみることにした。
北八ヶ岳は森と湖沼の山である。
峠とか湖にはすてきな名前が多い。麦草峠とか白駒池・亀甲池、そして縞枯れ現象が見られる縞枯山。名前からだけでも憧れてしまう。
3日間、のんびりと森と湖沼を訪ね、紅葉を愛でる山旅も悪くはないではないか。

…と思いながら地図を見ていたら、すぐ傍に蓼科山があった。二度目ではあるがせっかくなのでこの山に登って、それから北八の逍遥をしようかと思う。
蓼科山から天祥寺平に下って亀甲池から北横岳へ登る。坪庭を通って縞枯山・茶臼山。麦草峠に下って丸山、高見石。高見石では眼下に白駒池が見下ろせるはずである。そこから中山、中山峠、黒百合平に下って天狗の奥庭経由で天狗岳へ。
ここまでで1日半の日程である。
時間が余るので、蓼科山からは大河原峠経由にして、双子岳、双子池を巡る行程に変更しようかと思ったが、ふと南八ヶ岳のほうに目が行ってしまった。
天狗から赤岳・権現岳の縦走もできるのではないかと思える。
もう一度、時間計算をして計画を組み直したら八ヶ岳全山縦走計画が出来上がってしまった。
蓼科山からスタートして北横岳・縞枯山・天狗岳・硫黄岳・横岳・赤岳・権現岳・編笠山と縦走して観音平に至る3日間の山行である。最後の観音平から小淵沢までの8ｋｍの道程は、最近はタクシーを呼ぶのが普通らしいのだが、仕上げはやっぱり歩かなくてということで、これも加える。
最初の「北八ヶ岳の森と湖沼を訪ねるのんびりゆったりの紅葉の山旅」はどっかへ消えてしまって、残ったのはとんでもなくハードな全山縦走計画であった。
我ながら、本当にあさましいとしか言いようがなくて、…情けない。