せんじょうがたけ

標高 3033m

仙丈ケ岳で1990年の初日の出を迎えた。すばらしい冬山だった。
仙丈ケ岳

2007年南アルプス全山縦走の記録

1990年の冬山はどこへ行こうかと考えた。
来年は午年である。

そこで午年にちなんで、馬の名がつく山に登ってみることにした。
自分でも登れるレベルの冬山で、馬のつく名の山をいろいろ考えたが、甲斐駒ヶ岳に登ることにした。この山は夏に登っているからなんとかなるだろう。
ついでなので、仙丈ケ岳にも登ることにした。
仙丈ケ岳の目玉は、日本第一の高峰富士山と第二の高峰北岳を、同時に眺めることができることだ。
これを初日の出と一緒に見れたら最高ではないか。



1990年1230

仕事を終えてから、大急ぎで新幹線に乗った。
仙台から2時間ほどで東京に着き、ここから新宿に行って夜行列車に乗る。
年末の中央線夜行は登山者が多い。
私は辰野で飯田線に乗り換える。
飯田線に入ると登山者は本当に少なくなってしまった。
伊那市駅で降りる。
バスに乗り換えて戸台まで行く。冬はここが終点である。これが夏だったらさらに村営バスで北沢峠まで行くことができるのだが、冬はこの間を歩くしかない。
だけど私は、バスであっという間に過ぎてしまうこうした道を歩くことが嫌いではない。
たとえば、冬に穂高へ行こうとするとバスは新島々から沢渡までしか通っていなくて、上高地までは約4時間かけて歩かなければいけない。梓川沿いに歩いていく。釜トンネルの中は真っ暗で、ヘッドライトを点けなければいけなかったり、バスでは気がつかないが、傾斜は思いっきり急だったりとか。やがて大正池が見えてきて、ああ上高地に着いたという気分になる。
そのほか、燕岳に登るために穂高駅から中房温泉まで歩くか、ともかくこれはこれでけっこう楽しいのだ。

雪がさらさらと降る中を、たった一人で車道を歩いていく。しだいに登山口が近づいてくる。それにつれてだんだんと冬山へ登るという気分が高まってくる。
こんなのは冬山でしか味わえないものだと思うのだ。

戸台から歩き始める。戸台川の広い河原の中の道を行く。
空はどんよりとした雪雲に覆われていて、ひどく寒々とした風景だ。
黙々と歩いていく。
雪がひらひらと舞う。
1時間ほど歩いた頃、雲が切れて、行く手に白い雪の山が見えた。
なんかワクワクしてくる。
今日は戸台から北沢峠の長衛小屋まで歩くだけだ。
小屋には2時頃に着いた。
のんびりしてしまった。
今日は大晦日なのだ。
小屋の夜はけっこう賑やかだった。


1月1日

朝早く目を覚ました。1990年の元旦だ。
今日は仙丈ケ岳に登る。
できたら初日の出を拝みたいと思っている。
日が昇るまでに、展望の開けた稜線に登っておきたい。
長衛小屋を暗いうちに出発した。
林の中の道を行く。
登っている人も多い。これなら道を迷う心配もない。
天気はあまり良くない。空は厚い雲に覆われていて、とても初日の出は拝めそうもない。
雪も降っている。
登り始めて2時間、樹林帯を抜けて稜線に出た。
先発していた3組ほどのパーティが休憩していた。
みんなが同じ方向を見ている。空が明るくなっていて、みんなの見てる方向では雲が黄金色に輝いている。なんか太陽が昇ってくる寸前のような。
初日の出が拝めそうだ。
みんなと一緒に日の出を待つことにした。
なにかしら奇跡のように東の空の雲が晴れていく。
雲の間から日の光が射した。
本当に荘厳な山の夜明けであった。しかもこれは1990年元旦の初日の出なのだ。
見ていると雲がどんどん晴れていって、甲斐駒ヶ岳もしだいに姿をあらわしてきた。
すごい。
冬山万歳である。


稜線を登って行く。
すぐに小仙丈ケ岳に着いた。
ここから上の仙丈ケ岳山頂は雲の中でよく見えない。
でも、甲斐駒ケ岳方向の雲は晴れて、摩利支天の岩峰がはっきりとみえる。
そして、期待していた北岳もだんだんと姿を現してきた。
今日は晴れそうだ。

馬の背を登って行く。
ここまで来ると傾斜はゆるやかで、散歩気分になってくる。
仙丈ケ岳山頂に着いたのは9時半頃であった。
山頂からの景色はすばらしかった。
北岳が雪をまとって聳えている。すごい岩壁だ。
そして、山頂からのびる稜線の上に富士山がくっきりと見えた。
さらに真向かいには甲斐駒ヶ岳、そしてそこからギザギザの稜線を連ねているのは鋸岳だ。
悔しいけど、私がこの鋸岳に登ることはないだろうと思う。
この山は相当な岩登りの技術がないと登れない山なのだから。
さらに目を左に転じると伊那谷のむこうに中央アルプスが聳えている。
中央アルプスのことはよく知らないのだが、それでも白い雪の峰々の連なりは美しい。
いつか登ってみたいと思う。
この峰々をみながら地図と照合しているうちに、木曽駒ケ岳の名前を見つけた。
登ってみたくなった。
今回の登山は1990年の干支にちなんで、馬の名がつく山に登ることだった。
木曽駒ケ岳も「駒」がついているではないか。
甲斐駒ヶ岳は夏に登ったことがある。突然計画変更。
甲斐駒はやめて、木曽駒ケ岳に登ることにした。


山頂からの下りは登ってきた道ではなく、カールをグルっと巡るコースをとった。
北沢峠の長衛小屋には2時くらいに降りてきた。
正月なんだからのんびりして、明日、伊那に下ることにした。
山小屋の正月はいい。
ストーブのそばで酒をのんでボーっとしていた。



NEXT 木曽駒が岳



戸台から河原の道を行く


雲の間から雪山が見える





初日の出を待つ


1990年の初日の出


小仙丈ケ岳


仙丈ケ岳山頂が見えてきた


頂上直下稜線を行く


仙丈ケ岳山頂


山頂にて


山頂の石仏


下山路


下山路からカール壁





甲斐駒ケ岳





中央アルプス





富士山と北岳


富士山


北岳


鳳凰地蔵岳のオリベスク






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BY:kudougao 2001/6/30


















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