ちゃうすだけ 標高 2604m
かみこうちだけ 標高 2803m
ひじりだけ 標高 3011m

南アルプスの大縦走計画をたてた。
5日間で茶臼岳から北岳まで縦走するというものだったが、赤石岳の山頂で台風に遭って、みごとに挫折した。
忘れられない登山である。
聖岳山頂にて

南アルプスのこと

南アルプスにどっぷり浸かっていた時期がある。

松本から東京に転勤になってから、仕事もけっこう忙しくて、なかなか山に登れずにいた。
そのとき、いろいろ本を読んでいると、南アルプスのことが目に入るようになった。北岳、甲斐駒ケ岳などは松本にいたときに既に登っていたが、このとき気になっていたのは聖岳、赤石岳、塩見岳などの山である。
北アルプスはあまりにも有名になりすぎて、シーズンはどこへ行っても人であふれ返っている。ところが、この南アルプスは山小屋も素泊まりしかできなくて、登山者も少ない。この山々を登ろうとすると大変な時間と労力を強いられるのだが、すばらしいお花畑も多く残されているらしい。
何としても登ってみたいと思うようになった。
南アルプスは実は4年がかりで登るこになった。
最初の年に登ったのは鳳凰三山である。(これは鳳凰山のページで)
翌年1982年、夏休みの5日間だけで、茶臼岳から北岳まで縦走するという、ほとんど無謀といえる計画を立てた。
1日目は茶臼小屋泊まり、2日目は百間洞露営地、3日目小河内岳裏避難小屋、4日目熊ノ平小屋、5日目北岳に登って下山というもので、毎日11時間ほど歩くというすさまじいものであった。
ザックを背負って東京駅まで行ったが、この夏休みの直前に台風がやってきていて、南アルプスの登山道はズタズタに寸断されていた。駅で情報を仕入れると、登山道は倒木でとても通れる状態にないという。仕方がないのでこの年は後立山の縦走に切り替えて、大雪渓から白馬三山、五竜岳、鹿島槍ヶ岳、爺ガ岳と縦走して扇沢に下山した。
1983年、今年こそは…と満を持して出かけた。
そうとう気合が入っていて、この山行のために超軽量テントとシュラフを買った。
テントはシェルターと呼ばれる形のものでゴアテックス製の0.7kg、シュラフは「アルミックス」という名のほとんどシュラフカバーに近いものである。さらに、この山行のためにコース分析をして、標高差グラフまで作ったのだった。


2007年南アルプス縦走の記録

1983年812

今も東京発大垣行きの各駅停車の夜行列車があるが、当時はこの夜行に乗ると深夜にもかかわらず、登山口まで乗り継ぐことができたのだ。
東海道線の金谷で下車して大井川鉄道に乗り換える。千頭駅まで行って電車を乗り換え、終点の井川に着く。そして井川ではバスが接続していて登山口の畑薙第1ダムまで行くことができるのだ。夜の12時くらいに東京駅を出発して、翌朝には登山口に立つことができたのである。
残念ながら、今はこうした運行はない。
畑薙ダムから川沿いに歩いて、畑薙大吊り橋に着く。この長い吊り橋を渡っていよいよ茶臼岳の登りが始まる。
30
分でヤレヤレ峠に着き、ウソッコ沢小屋には11時頃到着。
横窪沢小屋には1245分頃に着いたが、急登の連続でかなりバテて、ここで1時間も休んでしまった。
茶臼小屋に着いたのは
5時少し前であった。
茶臼小屋の野営場でテントを張った。

 
813

翌朝の天気は快晴で、朝一番に空身で茶臼岳を往復した。
茶臼岳からの展望はすばらしかった。

茶臼岳からの稜線は散歩気分で歩き、途中お花畑を抜けて上河内岳に着く。
山頂には白く風化した棒杭が
1本立っていた。そこに小さな板が打ち付けてあり、上河内岳と書かれていた。
北アルプスに比べたら本当にさみしい山頂であった。
ここからみた聖岳は今まで登ってきた北アルプスの岩稜の山とはまったく違った雰囲気を持っている。
派手さはないのだが、圧倒される存在感がある。

なんかうれしくなってしまう。
聖平に下る。ここで水を補給するつもりだったが、水が涸れていて、20分時間をかけて500mlしか汲むことができなかった。しかたがないのでこれだけの水で出発した。
この聖岳の登りはほんとうにきつくて、めちゃくちゃにバテてしまった。水がないとなると、一層のどの渇きはひどくなって、がまんしてると疲れは倍増する。
登りながら、聖岳の大きさを思い知らされた。
まったく運良く、登山道脇の岩の裂け目から水が流れているのを見つけた。地図には載っていない水場であった。天の恵み、これで助かった。水のうまさを痛感した。
水を飲んでのどの渇きを癒すことができたら、不思議と元気になって、なんとか聖岳山頂に登りつくことができた。
聖岳からは赤石岳が見えた。これも聖に劣らぬ堂々とした山である。
聖の北東に奥聖岳2978mがある。せっかくなので往復した。
聖岳からは岩場のある急峻な下りで、稜線の平らなところまで降りてきたときは正直ほっとした。
兎岳に登っていく途中で一人の登山者とすれ違い、水を分けてくれないかと頼まれた。
ついさっきまで水がなくてさんざん苦労していたので、500mlほど分けてやった。遠慮したのに2000円くれた。儲かったのだろうか。
兎岳避難小屋に泊まろう思っていたのだが、小屋は満員であった。まわりのテント場もいっぱいで、仕方がないので30分ほど先に進んで、稜線にテントを張った。たった一人の野営であった。
夜、風が強くなった。テントから外に顔を出して空を見ると、満天の星空で、その星が風で瞬いていた。
そして地平線のはるか向こうに街の灯りが見えた。

NEXT 赤石岳



金谷駅、ここで3時まで仮眠



千頭駅、4時過ぎに着いた。



井川駅、6時到着



畑薙第一ダム、7時30分に出発した。



ヤレヤレ峠






茶臼岳の尾根から 左 兎岳、右 聖岳


空身で茶臼岳山頂へ向かう


上河内岳途中のお花畑


茶臼岳山頂から 右奥が光岳


上河内岳山頂から 左 聖岳 右奥 赤石岳



聖平 ここで水の補給ができなかった


聖岳山頂 14時32分


奥聖岳山頂 左から兎岳、中盛丸山、大沢岳


明日登る赤石岳


聖岳の下り



兎岳山頂



兎岳を下ったところで野営






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