甲信越の山百選 
みょうこうさん

標高 2445m
燕温泉登山口→20分→惣滝展望台→30分→赤倉温泉源湯→30分→麻平コース分岐→1:00→天狗堂→20分→風穴→50分→妙高山南峰→10分→妙高山北峰山頂→1:05→天狗堂→35分→麻平コース分岐→30分→麻平分岐→30分→燕温泉登山口

妙高山といったらスキー場のほうが有名なのかもしれない。でも、山麓から仰ぐ妙高の岩峰はいかにもすごくて、登ってみたいという気にさせてしまうのだ。
妙高山

 登山口から麻平分岐へ 1997年火打山・妙高山登山記録


道の駅しなの


燕温泉の駐車場


温泉街を過ぎると分岐がある


ここから遊歩道に入る


落石注意の標識が多い


赤倉温泉源湯管理小屋に着く


麻平分岐

BACK 白砂山

2010910

妙高山のためには山と渓谷社の分県登山ガイドを持ってきたのだが、よく見たら池の平からスカイケーブルで山頂駅まで行って、そこから歩くようになっているのだ。私は登山で機械を使うのはできるだけしたくないと思っている。なんかうまい方法はないんだろうかと思って、もうひとつ持ってきたアルペンガイドを見たら、火打山から妙高山に縦走するコースが載っていて、妙高からは燕温泉に下るようになっている。ということは、燕温泉からの登山道があるということだ。アルペンガイドでは下山路としているので、ルートの細かな記載はないのだが、このコースを登ることにした。
「道の駅しなの」に泊っていたのだが、夜が明けたら空はどんよりとした雲に覆われている。私は晴でなければ登る気はないので、困ったなと思っていたら明るくなるにつれて雲が薄れ、妙高山が雲の間から見えるようになった。
車を発進させて、燕温泉に向かった。
燕温泉街の少し手前に登山者用の広い駐車場があって、何人かの登山者が身仕度をしていた。けっこう登山者がいるので、しっかりしたルートのようで安心した。ここには登山ルートの案内板があって、所要時間も書かれている。これをメモして出発した。
歩き始めると、「燕温泉 標高1150m」という標識があった。妙高山の標高は2446mなので、ここからは標高差で1300mも登らなければいけないのだ。きつい登山になりそうだ。
燕温泉の街を抜けると、妙高山燕温泉登山口とい新しい大きな標識がたっていた。ここで登山道は二つに分かれる。直進すると麻平経由、左折すると滝を経由して山頂に至る道で、いずれをとっても滝の上で合流するのだ。私は滝が好きなので、左の道を登ることにした。帰りは麻平経由の道を下ろうと思う。
石段を上ると薬師堂があった。今日の登山の安全を祈って手を合わせた。
薬師堂の先は草原が広がっている。燕温泉スキー場のゲレンデなのだ。少し行くと「右・惣滝展望台」という指導標があった。日本の滝百選にも選ばれているというので、行ってみることにした。すぐに祠の前に着いて、その右が展望台であった。かなり向こうに滝が見えた。さすがに日本の滝百選だけあって、立派な滝であった。
この展望台からは分岐まで引き返さなければいけないのかと思ったら、ショートカットで登山道に合流することができた。

舗装された道が続く。10分ほど歩くと、ようやく車道から右に登山道が分かれたが、この道もコンクリートで固めた遊歩道なのだ。右に深い谷を眺めながら歩いて行く。山には雲がかかっているのだが、頭上には青空が見える。道には「落石注意」の標識がさかんに現われるのだが、しっかりした道で、石なども転がっていない。道ばたにはけっこう花が咲いていてきれいであった。
25分ほど歩くと、行く手に小屋が見えてきた。赤倉温泉源湯の管理小屋であった。小屋から先は登山道らしくなって、5分ほど行くと滝が見えてきた。赤い岩壁から流れ落ちる滝である。滝を見ながら歩いて行ったら、この滝の上にもさらに滝が見えてきた。下の滝が「光明滝」で上が「称明滝」なのだ。
岩壁にロープが張られたトラバース道を過ぎると、流れのすぐ前に着く。この流れが光明滝となって流れ落ちている。覗いて見たら足がすくむような高度感であった。
ここから左の急な道を登って行く。この道の途中から称明の滝を見ることができるのかと期待してしたのだが、滝に近づくことはなかった。けっこう岩場の険しい登りが続く。途中で右にターンして、山の急斜面を斜めに登って行くと、行く手にはまっ青な空が広がった。
傾斜が緩まると沢に沿って登るようになる。赤い岩の間を流れていて、この流れが称明滝になるのだ。流れを右に徒渉して少し行くと、麻平との分岐に着いた。



 麻平分岐から妙高山南峰へ
沢に沿って登って行く


胸突き八丁が始まる


天狗堂


風穴


露岩の登りが始まる


妙高山南峰山頂


沢が白く濁った水になったので、これはもしかしたら温泉かと思って流れに手をつけてみたが冷たかった。

沢を左に渡り返して、あとは流れに沿って登って行く。樹林のなかに入ったりするがすぐに沢に戻って、ガレた岩場を越えて行くのだ。
沢の右側が岩壁になると、登山道は沢から離れて左の急斜面を登るようになった。でも、この先も岩だらけの涸れ沢である。すさまじく急な登りが続く。大きな岩には頻繁に赤い矢印が書かれている。息を切らせながら急登を続けると白い砂礫の平坦地があって、そこで道は左折する。ここまでも、きつい登りだったのだが、さらに急な登りになった。5分ほど急登したら「胸つき八丁」の標識があった。天狗堂まで200m、30分と書いてあった。たった200m30分もかかるというのはどんな険しい道になるんだと驚いてしまうのだ。でも、すごく急な険しい登りであったが15分で平坦地に着いた。石の祠があって、ここが天狗堂であった。ここで休憩。登山者が一人休憩していて、後から二人登ってきた。ここはロープウェイ山頂駅からの道が合流するのだ。
天狗堂からな赤土の字にえぐれた溝の中を登って行く。さらに岩がゴロゴロする中を登って、平坦地に着いたら木道が現われた。この左には池があった。水は少ししかないのだが、これが光善寺池であった。
急な登りが続くのだが、まっ青な空が広がっていて、樹木の緑がすごくきれいだ。山にかかっていた雲が薄れてきて、岩峰が姿を現す。妙高山は岩の山なのだ。
光善寺池から12分ほどで、風穴の前に着いた。小さな穴が二つあったが、手を当ててみても風は流れていなかった。
明るい林の中の急登が続く。視界が開けると長い稜線が見えた。これは妙高山の外輪山なのだ。その向うは一面の雲海で、空は雲一つなくまっ青に広がっている。
道が露岩になると、突然ロープが下がっていた。あまりたいした岩場ではないと簡単に越えたら、その先にはすさまじい絶壁があってロープと鎖が下がっていた。これを越えるのか…と、顔がひきつってしまうのだが、足場はちゃんと造られていて、なんとか登って行くことができる。でも、この上では岩壁をトラバースするのだった。これはけっこう怖かった。左にトラバースして、それから再び鎖にすがって真っ直ぐに登ると、ようやく鎖場が終わる。ほっとした。
この先は緑の潅木の急斜面を登るのだ。展望が広がって、すばらしい眺めだ。
でも登って行くにつれて岩場が多くなって、最後は岩だけになった。すさまじい岩場の登りが続く。岩壁に書かれた赤い矢印をたどる急登が続く。
ようやく傾斜がなくなったら、そこが南峰であった。岩の重なりの上に石仏が祀られている。馬にまたがって、両手のそれぞれに槍を持った仏像で「将軍地蔵」と書かれていた。

ここからの眺めはすばらしくて、遠くの山々が一望できる。目を凝らしたら、槍ヶ岳のような鋭い峰が見えた。まさしく北アルプスも展望が広がっているのだ。そして、行く手には登山者がたくさん休憩している北峰が見える。その奥には火打山と焼山が見えた。眺めていると飽きることがないのだが、ともかく妙高山山頂である北峰に向かうことにした。




 妙高山北峰から麻平コース経由で下山
妙高山北峰山頂


麻平分岐から沢を渡る


この右は滝らしい


麻平


吊り橋に着いた


駐車場に戻った


妙高山山頂一帯は巨岩がそそり立つ台地で、大きな岩の間を縫うようにして北峰に向かうのだ。日本岩と書かれた巨岩の前を過ぎ、一旦潅木の中に入ってからこれを抜出すと山頂であった。1045分であった。
山名標識の前には一等三角点があった。百名山山頂で一等三角点はめずらしい。南アルプスの北岳は三等だし、剣岳も三等なのだ。
標高は
2454mとなっているのだが、今いる北峰の標高は2445mで、さっきの南峰が2454mなのだ。この標識は間違っていることになる。
山頂のすぐ後ろの岩場の上で休憩した。この岩の上は360度のすばらしい展望台で、火打山と焼山そして雲に一部隠れているが北アルプスの峰々を一望できるのだ。
山頂から南峰に戻ってきたら、白装束の行者が将軍地蔵の前にすわって読経していた。妙高山は修験道の信仰の山でもあるのだ。

すばらしい展望を十分堪能して下山開始。
すさまじい鎖場を慎重に下って、天狗堂に着いたのは
125分、さらに胸突き八丁を急下降して、麻平分岐に着いたのは1235分である。
白く濁った沢を渡って麻平に向かう。ところがこの道はとんでもなく荒れた道であった。道には赤いテープや、岩に矢印がつけられているのだが、すごくきつい道である。おとなしく、登ってきた道を引き返せばよかったと悔やんだ。

20分ほど歩いたら突然小さな流れに着いて、その右は赤いテープを張って進入禁止になっている。ガケになっているらしい。ということはこの流れは滝になっているということなのだが、深い霧のなかで何も見えないのだ。
ここからさらに
20分ほど下るとようやく麻平分岐に着いた。分岐からここまでは30分ということだったのに40分もかかってしまった。すごくきつい道だった。
ここから燕温泉までは1.2kmである。すこしはラクになるかと思ったら、やっぱり険しい道が続く。
鬱蒼とした樹林のなかを10分ほど下ると、登山者のカウンターがあった。こんなきつい荒れた道なのに数を調べているのだ。薄暗い沢の中を下って、ようやく樹林から抜出すと取吊り橋の前に出た。吊り橋のところに、「落石のため河原の湯は使用できません」という標識があった。このすぐ下に露天風呂があるらしい。
吊り橋を渡ると林道のようなしっかりした道になった。でも、深い霧の中である。左は深い谷らしいが、流れの音だけが聞こえる。霧の中に小雨が混じり始めた。雨になるかもしれないと足を急がせると、吊り橋から
5分ほどで車がたくさん停まってるところに着いた。ここが今朝の薬師堂との分岐であった。
燕温泉街を抜けて車に戻ったのは1345分である。
池の平に車を走らせると、下は日がさしていた。雲は山にだけかかっていたのだ。


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