BACK 桧塚
2009年5月11日
新宮市のJascoでゆっくりしていたのだが、20時過ぎてから登山口に向かった。熊野川の対岸に道の駅があるのだが、橋がかかってなくて、これを経由しようと思うとすごく遠回りになってしまうので、道の駅に泊るのはあきらめた。
登山口まで車を走らせて、ようやく標識を見つけたが駐車スペースがない。登山口の少し奥になんとか停めれるところがったので、ここで眠ることにした。風が強かった。最近、車の中は夜もけっこう暑くて、下着だけで寝てしまうのだ。明け方になると寒くなってシュラフに入ることになるのだが…。
5月12日
なんか気分がさえなくて、明るくなってからもグズグズと寝ていた。今日の行程は4時間10分なので、遅くなっても昼には降りて来れるはずなのだ。
何も食べずに出発することになった。7時少し前になっていた。
車から少し下ると登山口で、ここにはなぜか国旗がたっていた。登山届けのポストは新しくて、驚いたことにすごくきれいに印刷した地図が用意されていた。
杉林の中に入って、少し急な斜面を登ってから平坦なトラバース道になる。右には沢が流れているのだが、あまりきれいだとは感じなかった。沢に向かって下るようになると、河原に降りたって、それからこれ徒渉するのだ。大きな岩がたくさんあって、簡単に渡ることができた。
河原の巨岩を縫って登って行くのだが、けっこうきつい登りである。谷には柱状節理の岩壁もあって、この山はもしかしたら岩場の山なのかと心配になった。
河原を500mほど歩いてから再び徒渉する。これも簡単に渡ることができた。
ここからは沢の左をずうっと歩いて行くのだ。巨岩を越えるところには丸太を組んだ橋がかれられていたりして、けっこう道は整備されているのだ。
大きな岩を越えたり急な登りがあったりしたが、進むにつれて沢から完全に離れて、杉林の中のしっかりした道になる。これなら安心である。
歩き始めて45分ほどのところには屏風のような岩壁が続いていて、この下を歩いて行くと行く手に滝が見えてきた。これが「岩壁の滝」であった。滝の前で流れを渡ると、この先が「山彦新道」である。
私は滝が大好きなので、滝の前で休憩することにした。朝食べてこなかったので、ここでパンをかじった。
岩壁の滝は巨大な一枚岩を、滑るように水が流れ落ちているのだ。垂直のナメ滝である。いい滝である。
腹ごしらえもしたので、いよいよ山彦新道を登る。これははんぱじゃなくすさまじい急登であった。最初は岩が混じる急な斜面を登って行くのだが、どんどん傾斜はきつくなって、木の根が網のように張り出す急坂になった。木の根を手がかり足がかりにして登って行き、ようやく尾根の上にたつ。
でも、この尾根は今までよりのさらにきつい登りであった。すぐに岩の重なりが尾根をふさいでいて、これをロープにすがって左からまわりこむ。すさまじい急登の連続で息つく暇もない。道はは土の急斜面になって、足がかり手がかりが極端に少ない。体を支える物がないのだ。なんとか立木を探して、これにすがって少しずつ登って行く。帰りにこの道を下るのはすごくきついと思う。どうしてここにロープを下げておかないんだろう。
どんどん登って行くと、行く手には巨岩が絶壁となって聳えていた。これをどうして越えるんだと思ったら、これは左に捲くのだ。この捲き道は細いトラバース道で、谷側に崩れやすくすごく怖かった。捲き道から今度は尾根に向かってロープにすがって登る。大きな岩が斜面にいくつもあるのだが、ロープで強引に越えて行く。最後はほとんど垂直じゃないかと思う急な岩場をロープにすがって越えるとようやく尾根に着く。この先は傾斜が緩やかで、ほっとした。それにしても、すさまじい登りであった。これを下るのは金輪際ご免被りたい。帰りは尾根コースを下ろうと、堅く決心した。
少しだけ上ると露岩があって、ここからはすばらしい展望が広がっていた。ここがヤケーである。下には熊野川が見えた。
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