私の近畿の山百選
ねのどまりやま

標高 906m
浅里登山口→40分→岩壁の滝→30分→ヤケー→40分→子ノ泊山山頂→40分→尾根コース分岐→40分→尾根コース登山口→1:00→浅里登山口

三重県の最南端にお位置する一等三角点の山である。山頂には新しいネズミの絵が描かれた看板がたっていて、何かと思ったら、子はネズミということで、子年にたてられたものなのだ。
登山道から仰ぐ子ノ泊山

 登山口からヤケーへ
登山口


沢を徒渉する


柱状節理の岩壁


沢の左を行く


山彦新道を登る


尾根に着いた


ヤケー

BACK 桧塚

2009511

新宮市のJascoでゆっくりしていたのだが、20時過ぎてから登山口に向かった。熊野川の対岸に道の駅があるのだが、橋がかかってなくて、これを経由しようと思うとすごく遠回りになってしまうので、道の駅に泊るのはあきらめた。
登山口まで車を走らせて、ようやく標識を見つけたが駐車スペースがない。登山口の少し奥になんとか停めれるところがったので、ここで眠ることにした。風が強かった。最近、車の中は夜もけっこう暑くて、下着だけで寝てしまうのだ。明け方になると寒くなってシュラフに入ることになるのだが…。

512

なんか気分がさえなくて、明るくなってからもグズグズと寝ていた。今日の行程は4時間10分なので、遅くなっても昼には降りて来れるはずなのだ。
何も食べずに出発することになった。7時少し前になっていた。
車から少し下ると登山口で、ここにはなぜか国旗がたっていた。登山届けのポストは新しくて、驚いたことにすごくきれいに印刷した地図が用意されていた。
杉林の中に入って、少し急な斜面を登ってから平坦なトラバース道になる。右には沢が流れているのだが、あまりきれいだとは感じなかった。沢に向かって下るようになると、河原に降りたって、それからこれ徒渉するのだ。大きな岩がたくさんあって、簡単に渡ることができた。
河原の巨岩を縫って登って行くのだが、けっこうきつい登りである。谷には柱状節理の岩壁もあって、この山はもしかしたら岩場の山なのかと心配になった。
河原を500mほど歩いてから再び徒渉する。これも簡単に渡ることができた。
ここからは沢の左をずうっと歩いて行くのだ。巨岩を越えるところには丸太を組んだ橋がかれられていたりして、けっこう道は整備されているのだ。
大きな岩を越えたり急な登りがあったりしたが、進むにつれて沢から完全に離れて、杉林の中のしっかりした道になる。これなら安心である。
歩き始めて45分ほどのところには屏風のような岩壁が続いていて、この下を歩いて行くと行く手に滝が見えてきた。これが「岩壁の滝」であった。滝の前で流れを渡ると、この先が「山彦新道」である。
私は滝が大好きなので、滝の前で休憩することにした。朝食べてこなかったので、ここでパンをかじった。
岩壁の滝は巨大な一枚岩を、滑るように水が流れ落ちているのだ。垂直のナメ滝である。いい滝である。
腹ごしらえもしたので、いよいよ山彦新道を登る。これははんぱじゃなくすさまじい急登であった。最初は岩が混じる急な斜面を登って行くのだが、どんどん傾斜はきつくなって、木の根が網のように張り出す急坂になった。木の根を手がかり足がかりにして登って行き、ようやく尾根の上にたつ。
でも、この尾根は今までよりのさらにきつい登りであった。すぐに岩の重なりが尾根をふさいでいて、これをロープにすがって左からまわりこむ。すさまじい急登の連続で息つく暇もない。道はは土の急斜面になって、足がかり手がかりが極端に少ない。体を支える物がないのだ。なんとか立木を探して、これにすがって少しずつ登って行く。帰りにこの道を下るのはすごくきついと思う。どうしてここにロープを下げておかないんだろう。

どんどん登って行くと、行く手には巨岩が絶壁となって聳えていた。これをどうして越えるんだと思ったら、これは左に捲くのだ。この捲き道は細いトラバース道で、谷側に崩れやすくすごく怖かった。捲き道から今度は尾根に向かってロープにすがって登る。大きな岩が斜面にいくつもあるのだが、ロープで強引に越えて行く。最後はほとんど垂直じゃないかと思う急な岩場をロープにすがって越えるとようやく尾根に着く。この先は傾斜が緩やかで、ほっとした。それにしても、すさまじい登りであった。これを下るのは金輪際ご免被りたい。帰りは尾根コースを下ろうと、堅く決心した。
少しだけ上ると露岩があって、ここからはすばらしい展望が広がっていた。ここがヤケーである。下には熊野川が見えた。



 山頂から尾根コースを下山
ヤケーからは痩せた岩尾根


尾根コース分岐


林道に出てしまった


七人塚


子ノ泊山山頂


尾根コース分岐


尾根コース登山口に着いた


ここからすぐに普通の登山道になるのかと思ったら、その期待は甘かった。痩せたすさまじい岩尾根が続くのである。でもヤシオツツジやアセビなどの灌木が茂っているので、あまり高度感がないのが救いである。そしてこの展望の岩稜の左に見えるのが子ノ泊山であった。新緑に覆われたたおやかな山である。でも、…すごく遠い。

ようやく岩稜を通過して樹林の尾根に入る。少し行くと尾根コースの分岐であった。
この先は尾根が広くなって歩きやすい道になる。もう大丈夫である。
アップダウンを繰り返して山頂に向かって登って行く。濃い緑の照葉樹林の中を行く。何度かピークを踏んで、再び下るのだが、ピークを越える度に角度をつけて曲がる。まっすぐ山頂に向かわずにジグザグに進んでいる感じだ。
何度目かの鞍部に石積みがあって、そこには七十五人塚という標識がたっていた。なんのことかよくわからない。
再び急な登りになって、今度こそ山頂ではないかと期待したが再び裏切られた。急な斜面を下る。この下りがけっこう大変であった。急な斜面には照葉樹の落ち葉が厚く積もっているのだ、照葉樹の葉は肉厚で光沢があって、ななかなか腐らないのだ。このため、この落ち葉の道はうっかりするとスリップしてしまうのだ。一度、大きく尻餅をついてしまった。そのあとは慎重に木につかまって下った。
急な斜面を下ると、驚いたことに林道に着いてしまった、山頂は間近のはずなのに、どうして林道があるんだ…と思ってしまう。
ここからしばらく林道を歩くのだ。尾根を忠実にたどる登山道もあるが、アップダウンするので林道のほうがラクである。

再び山道に入る。これが山頂への最後の登りであった。急な斜面には虎縞のロープが張ってあって、これにすがって登って行く。
傾斜が緩まったところに石積みが五つほど並んでいて、七人塚という標識がたっていた。石積みが七つあるのかと数えたが七つはなかった。ここから緩やかに登ると山頂であった。

明るい山頂ですばらしい展望は開けている。ただ、遠くが霞んではっきり見えないのが残念である。この山頂にあるのは一等三角点であった。
山頂に紀宝町がたてた派手な看板がある。ネズミの絵もあって、「12年後、又この場所で会いましょう」と書いてある。これで初めて気がついた。この看板は子年を記念してにたてられたのだ。子ノ泊山の「子」は干支のネズミのことだったのか…。
山頂には私以外だれもいなくて、のんびりしてしまった。(結局、誰にも会わなかった)
30分ほど山頂にいて下ったのだが、帰りも照葉樹の落ち葉によるスリップに悩まされた。
ようやく尾根コースの分岐に着いた。ここからは予定通り尾根コースを下った。このコースでも照葉樹の葉が厚く積もっていて、どうなるかと心配したが、下って行くにつれて照葉樹はなくなって杉の植林の中に入った。
尾根を10分余り行くと、道は尾根から外れて右の急斜面を下る。杉の植林帯をジグザグにどんどん下って行くと、沢に沿って下るようになる。
沢に初めは水がなかったのだが、流れの音が小さく聞こえるようになって、だんだん大きな谷になってきた。
傾斜が緩まると、沢を丸太の橋で渡る。
流れの音を右に聴きながら下って、林道に降り立ったのは
1050分であった。この登山口にも日の丸の旗があった。
あとは1時間の林道歩きである。登山届けの箱にあった地図を見ながら林道を行く。
浅里登山口の車に戻ったのは1150分、林道歩きはちょうど1時間であった。



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