さて、今年も夏休みがやってきた。しがないサラリーマンの自分には、まとまった休みがとれるのはこの夏休みだけで、普段は行けない遠くの山を狙うのはこのときしかない。
9日間ある。
さて、今年はどこへ行こうか。毎年、登山計画をたてるのがけっこう楽しみなのだ。
私も日本全国を転勤して歩いているおかげで、主だった山はほとんど登ってしまった。
深田久弥の日本百名山では、残っているのが宮之浦岳のみで、これは当分登るつもりはない。大事に残しておくつもりなのだ。
深田クラブが選定した日本二百名山では、2つの山が残っている。それは九州の雲仙普賢岳と桜島なのだ。
最近は、近くの三百名山を登っているのだが、せっかくの長期休暇である。九州に出かけて、残っている二百名山に登ってしまうことにした。
もちろん、宮之浦岳が残っている以上、二百名山完登とはならないのだが…。

私にとって九州というのは、けっこう憧れの地である。私の生まれ育ったのは青森県の津軽で、寒い北国育ちの自分には、南国の九州というのは本当に異国の地のような気がして、出かけるとなるとワクワクしてしまうのだ。
私が九州を訪れたのは観光で二度、登山で二度である。
最初に登山で九州に行ったのは1994年の9月で、このときは長期勤続の特別休暇2週間をつかって出かけた。青森に住んでいたときのことで、青森から車で九州まで行ったのだ。
この時は日本百名山を登ることが目的であった。山陰の大山・九州の百名山4つ(阿蘇山・九重山・霧島山・祖母山)、四国の百名を2つ(剣山・石鎚山)を登ったのである。
2度目は、これも長期勤続の特別休暇を使ったもので、2000年の1月のことである。
このときは九州の二百名山を登るのが目的であった。英彦山・由布岳・大崩山・市房山・尾鈴山を登ったが、このとき普賢岳の火山活動はまだ活発で、登山はできない状態であった。このため、普賢岳と桜島が残ってしまったのである。

そして、今年。今回は、三百名山を主体に登ってみようと思っている。
ただ、せっかく九州に行くのなら、私にとってこだわりの山がある。
私がまだ二十二・三歳の頃であったが、12月の3連休で九州に旅行に行ったことがあって、そのとき、なぜだか、阿蘇山に登ろうと思ったのである。
出かける直前に登山靴を買っていた。それまでは大阪近辺をハイキング程度で歩き回っていて、履いていたのは「キャラバンシューズ」というナイロン布地の軽登山靴であった。
初めて本格的な革の登山靴を買ったのである。
夜行で九州にやってきて、阿蘇山麓の宮地駅に降り立った。
この駅から歩き始めて、根子岳に登り、さらに阿蘇山の最高峰高岳まで縦走するという計画であった。すごい距離を歩くことになる。いまなら、こんな無茶な計画は絶対にたてないのだが、山のことをまだよく知らない頃のことで、まあ、私も元気だった。
宮地駅から歩き始めたものの、道がはっきりしないのと、初めて履く革の靴は足になじまなくて、途中で引き返してしまった。そのとき、雲の切れ間から根子岳の岩峰が見えた。すさまじく切り立っていて、そこに雪がついている。九州とはいえ、冬である。山には雪も積もるのだ。
はっきり言って、雪をかぶった岩峰を見て戦意を喪失してしまったのだ。
要は敗退したのである。
私は、けっこう執念深い性格で、登れなかった山があると、いつまでも忘れることなく思い続けている。若いときに断念してしまった根子岳に、この機会に登ろうと思う。

二百名山で未登の雲仙普賢岳であるが、これも登りたいと思い続けていた山である。
1996年に突然、大噴火して火砕流を発生させ、麓の住民に大被害を与えた山である。そのときに溶岩が新しい山頂を作り出した。それは今、平成新山と呼ばれている。
普賢岳の山頂からは、この平成新山を間近に見ることができるのだそうだ。めちゃくちゃに楽しみではないか。
二百名山でもう一つ未登の山が桜島なのだが、これは登山といえるものではなくて、車道を歩いて展望台に行くだけである。時間も4時間程度で終わってしまう。なにかしらもったいない。それならこの日にもう一つ、山に登れないだろうかと思ってしまう。
近くに開聞岳があった。
この山は、私が二十歳の頃に一度登ったことがある。
この頃はサイクリングに夢中で、この年の夏休み5日間で南九州一周の計画を立てたのだ。
熊本からスタートして天草五橋を渡って、天草諸島を走り、フェリーで再び九州本土の渡って鹿児島・大隅半島、日南海岸を通って宮崎までというツアーであった。
その途中、鹿児島から長崎鼻まで行ったのだが、そこから眺める開聞岳はすばらしくて、突然登ってみたくなった。
自転車をJR開聞駅において、自転車につけていた水筒を持ってズック靴で開聞岳に登ったのだ。そのときはすばらしい天気で、海の青さがまぶしく、すぐ真下に広がる池田湖もきれいだった。
そんなことを思い出していたら、懐かしくて、もう一度、開聞岳に登ることに決めた。
さてあとは、九州の三百名山を登るだけである。
三百名山では最南端の高隅山、九州脊梁山脈の最高峰国見岳。けっこう面白そうな山である。
さらに、大船山もぜひ登ってみたい。1994年、九重山に登ったときに坊がつるから大船山を見た。堂々とした山で登ろうかと思ったのだが、時間の関係でいけなかった。今でも悔やまれる。本当は春のミヤマキリシマが咲き誇るころに登ったら最高なのだが、それはあきらめるとして、ともかく今回は九重と大船を同時に登ろうと思う。
今回の登山の中で、唯一岩場を行く山が傾山である。
これも九州の山では個性的な山で、是非登りたい山である。
こうして登りたい山を並べて、交通のアクセスを考えて、以下の予定を立てた。

88日(金)  自宅を出発。中国自動車道九州自動車道→長崎自動車道
89日(土)  多良岳登山→雲仙
810日(日)   雲仙普賢岳→フェリー→九州自動車道→開聞
811日(月)   開聞岳登山→鹿児島→フェリー→桜島登山→垂水
812日(火)   高隅山登山→九州自動車道→熊本→内大臣
813日(水)   国見岳登山→宮地駅
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