やりがたけ

標高 3180m

槍、穂高の縦走をしたくなった。
職場の仲間と一度歩いたことがあるのだが、30年も昔のことなので、もう一度歩こうと思うのだ。
3日ともすばらしい天気に恵まれて、展望がすばらしかった。でも、寒かった。
槍ヶ岳

 上高地から槍沢小屋跡へ
松本電鉄に乗り換える


まだ暗い梓川


明神館、穂高奥宮入口


梓川に沿って行く


徳沢園


槍沢ロッジ

2001年9月22日

夜の9時頃に家を出た。宇都宮線で赤羽まで行って、そこで埼京線に乗り換え、新宿に着いたのは11時少し前であった。
この3連休の間は臨時列車があって、1123分発の急行アルプス81号に乗った。意外と空いていて、二人がけの椅子に1人で座ることができた。
松本に着いたのは320分。ほとんど深夜なのだが、これに新島々行きの松本電鉄が接続している。340分に松本を発車して、新島々には43分到着、これに接続するバスが410分発である。新島々では小雨が降っていた。
天気予報では今日は晴れのはずではないか。叫びたくなる。
バスの中でうつらうつらしているうちに上高地のバスターミナルに着いた。515分頃、まだ真っ暗である。
5時半、ようやく明るくなり始めたバスターミナルを出発する。すぐに梓川の河畔の遊歩道に出た。道がアスファルトのようなもので固められていた。
雨は止んでいるものの、雲が下まで垂れ込めている。
薄暗い中で河童橋の前に着いた。
バスを降りたみんなは急ぎ足で通り過ぎて行く。
上高地から明神分岐、そして徳沢、横尾。この区間はそれぞれ1時間くらいかかる。道は平坦である。槍ケ岳、穂高岳をめざす登山者はこの道を行くのだが、みんなはすごい急ぎ足だ。私はどんどん追い越される。
確かにこの間は平坦で歩きやすい道なのだが、こんなところで体力を消耗してどうするんだと思ってしまう。
まず、明神館前に着く。ここから左に行くと明神池と穂高奥宮があるのだが、私は何度も行っているので省略する。

明神分岐の先は樹林から抜け出して、左には梓川の流れを見るようになる。この道は本当にステキだ。
徳沢園には7時45分に着いた。昨年の夏山はここから徳本峠に登ったのだが、懐かしい。ここは私の大好きな小説井上靖「氷壁」の舞台でもある。徳沢園の周辺はハルニレの木などの林が広がっていて、そのたたずまいは本当にすばらしい。ここで、ゆっくり休憩したくなるのだが、そうもしていられない。先を急ぐ。
横尾に着いたのは
9時少し前。空は晴れてきた。横尾の広場の左には吊り橋がかかっている。これが涸沢への道で、左には大絶壁が聳え立っている。これが屏風岩で、圧倒的な迫力である。谷の向こうには青空が広がっていて、そこに穂高の岩峰が少しだけ見えた。
天気がいいと、気分も晴れやかで疲れが少ない。横尾から45分ほど歩くと「槍見河原」という指導標が立っていた。見回してみると木の間越しに槍の穂先だけがちょこんと見えた。槍ケ岳だ。なんかうれしくなる。
一の俣、二の俣と橋を渡るとだんだん傾斜が出てくる。
槍沢ロッジに着いたのは10時半であった。
ここでたくさんの人が休憩していた。
樹林帯を抜け、沢にそった展望の開けた道を行く。行く手に高い山並みが見える。でも槍ケ岳は見えない。
途中キャンプ地を通過。石がブロック積みされていて、そこは岩小屋のようで戸がついていた。これが旧槍沢小屋跡のようだ。
私は、この道を過去3回ほど通っているのだが、すっかり忘れてしまっている。



 槍ヶ岳山頂へ
大曲


槍沢を登って行く


槍ヶ岳が見えた記念


幡隆上人の石窟の石仏


殺生ヒュッテ


やっと槍ヶ岳山荘に着いた


テントを張った


槍ヶ岳山頂

明るい秋晴れの空のもと、槍沢に沿って登っていくと、道は大きく左にカーブする。そこに指導標がたっていて、「大曲」と書かれていた。
ここから傾斜はきつくなる。
ちょっと急な斜面を登って、昔のカールと思われるところに着く。これを左に横切って行くと槍ヶ岳が見えた。うれしくなってしまう。
下から見上げる槍ケ岳はすばらしく急峻に見える。
本当に日本アルプスの象徴的な山だと思う。
槍ケ岳が見えたのはいいのだが、実はここからの登りが大変なのだ。傾斜は益々きつくなって、あえぎながら登っていく。殺生小屋の分岐に着いたのは2時少し過ぎ。
槍岳山荘が間近に見えるのだが、道は遠い。傾斜はますます急。
最後にジグザグに急登して、3時、やっと山荘に着いた。
すぐにテントを張る。
テント場は狭い。けっこうたくさんのテントが張られている。
岩陰になる場所にテントを張った。
槍が目の前に聳えている。その反対側、南に聳えているのは大喰岳だ。
稜線の西には雲海の中に紺のシルエットになった笠が岳が見える。その後ろ、遥かかなたに高い山並みが見える。地図で確認するとこれは白山のようだ。
また北西に山塊がみえる。これは黒部五郎、三俣蓮華、薬師岳などだ。
すばらしい天気で、北アルプスの山々が手に取るよう。
大感動である。
ともかく槍ケ岳山頂を目指すことにする。下から見上げると、山頂直下でかなり渋滞しているのがわかるのだが、ともかく登ることにした。
登るにつれて、大喰岳の向こうの穂高が見えてきた。最初雲がかかっていたのだが、みるみる雲が取れていって、穂高の岩峰群が一望にできるようになった。
すばらしいの一語に尽きる。
今まで何度か槍ケ岳に登ったが、こんなにも鮮やかに穂高を見れたのは初めてだ。
槍ケ岳の山頂からは薬師岳、雲の平方面の山がすばらしい。
そして眼を転じると遥かむこうに富士山まで見ることができた。雨の後の秋晴れで空気が澄んでいるため、山々がくっきりと見ることができる。
下の雲海を見たら、そこに槍ケ岳の影が落ちていて、その周りを丸く虹がかかっていた。これはブロッケンではないか。槍のブロッケン。すごい。
下からまだまだ登って来る人がいるので、名残は尽きないが山頂をあとにした。
夕食の準備にかかってとんでもないミスに気がついた。
今回ご飯を電子レンジで暖めるのを持ってきたのだが、熱湯でも15分と書いてあった。私は、中にお湯を注いで15分と思っていたのだが、封を開けずにそのままお湯で煮込むのだ。レトルトのアルミパックと同じだ。
困ったことに、私のコッヘルにはこのご飯のパックが入らない。
持ってきた飯が食えない。食料計画が大きく狂ってしまった。
今夜は何とかなるが、明日からどうしよう。
持ってきたウイスキーで水割りを作って飲んで、ほどよく酔って寝た。
ところがすぐに眼が覚めた。
寒くて眠れないのだ。
今年は9月と10月に三連休があるが、そもそも9月にこの槍穂高を登ることにしたのは10月になると雪が降ることを心配したからだ。だから寒さは十分予想していたはずなのに、シュラフは3シーズン用を持ってきてしまった。衣類も厚手ではない
持ってきた衣類を全部着込んで、靴下も二重にして、雨具も着込んだ。それでも寒い。
最後は腹ばいになって寝た。



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2014/3/4改訂 BY:kudougao


















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