あいこだけ

標高 1235m
登山口→0.9km→標高400m→1.3km→標高800m→0.5km→しるべの木→1.3km→愛子岳山頂

ピラミッド型の秀麗な山なのだが、私が登ったときは霧の中で何も見えなかった。山頂直下はすさまじい岩場である。最近は内親王さま「愛子さま」のお誕生以来、けっこう登山者が増えているらしいのだが、登山者は私一人で、誰にも会うことはなかった。
愛子岳山頂.

 登山口からしるべの木へ
登山口


鬱蒼とした照葉樹の中を行く


標高800mの階層別植生図


水場まで40mの標識

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2006年428

登山口の少し手前の路肩に車を停めたのだが、夜は本当に真っ暗闇であった。真夜中に目が覚めたら、異様にのどが渇いて、どうしようもなくて町まで缶ジュースを買いに車を走らせてしまった。
車を停めたのが樹林の中だったので気がつかなかったのだが、うっすらと月が出ていて、その月明かりに三角形の愛子岳が浮かび上がって見えた。すごく神秘的な美しさであった…。

路肩に停めた車のすぐ先に指導標があって、愛子岳まで4kmと書かれていた。指導標に従って右に入ると左に山に登って行く道がある。この登山口にはモッチョム岳と同じイラストのコース図の案内板がたっていた。
歩き始めたのは6時前である。
登山口から登り始めるとすぐに、いかにも南国らしい照葉樹林の中に入る。鬱蒼とした樹林の登りが続く。
登山路には標高
200m毎に階層別植生図がたっていて、その標高の植生が事細かに記載されているのだ。まるで、自然教室である。
さらに、100m毎に標高標識が立っているのだ。これは、きちんと山頂まで欠かすことなくたてられていた。これで、自分がどのあたりを歩いているのかの目安になって、うんと役に立った。
ひたすら樹林の中を登る。標高600mを越えたあたりでツツジの花をみた。階層別植生図ではサクラツツジというらしい。
標高
900mを過ぎたのは、歩き始めて1時間半が過ぎた頃。ほんとうは「しるべの木」という屋久杉の大きな切り株を目標にしていたのだが、気がつかずに通り過ぎてしまて、水場に着いてしまった。(下山のとき、注意しながら下ったのだが、結局わからなかった)
指導標には「水
40m下る」と書かれているのだが、水は十分あるので、そのまま通過した。



 愛子岳山頂へ
傾斜が緩まった


1100mを過ぎるとこんな登り


これがとまりの木?


1200m、この巨大スラブを越える


愛子岳山頂


標高1000mの植生案内板を過ぎて、10分ほど登るとピークに指導標がたっていた。ここで左折すると低木帯になって、頭上に覆い被さる樹木がなくなった。傾斜が緩まって、登山道は南方的な独特な樹相になった。
このまま山頂か…と思ったのは大間違いで、再び急な登りになった。が1100m
を過ぎると、突然ロープが下がっていて、この岩場を越える。
地べたに置かれた「愛子岳まで0.2km」という指導標をみて、山頂は近いと喜んだら、ここからが大変であった。
樹林から抜け出すと、すさまじい岩壁が聳え立っていた。霧の中に聳える姿は圧倒的な迫力であった。
愛子岳へは、黒い太いロープにつかまって岩の斜面を登る。すごくきつい。

ようやくピークに着いたと思ったら、今度は険しい岩尾根であった。愛子岳というのは、その優しげな名前とはまったく違って、すさまじく険しい岩山だったのだ。
山頂までは岩場の連続で、なかなか山頂に着くことはできない。次々と巨岩が現れて、その斜面を登ってゆくのだ。あと
200mの指導標からは、どう考えても500mくらい登ったのではないかと思う頃に、ようやく山頂にたどりついた。
今日の天気は曇りで、まわりは真っ白である。展望はまったくきかない。
ガイドブックでは、山頂からは宮之浦岳の山々と海のほうには種子島も見えると書かれているのだが、まったく何も見えない。
雨が降らなかっただけよしとしよう。天気予報では、今日は午後から小雨なのだ。
山頂には小さな石の祠がある。
そして真ん中に「愛子岳標高1235m」の標識がたっていた。
ここで記念写真を撮る。写真をみて驚いたのだが、ひげを伸ばし放題にしていたら、りっぱなヒゲオヤジになっていた。
時間はまだ8時半である。ガイドブックには登り3時間半とあったのだが、2時間半で登ってしまったことになる。これでは時間があまってしまう。
しらべてあるバスの時刻表を確認すると、安房から屋久杉ランドへゆくバスは13時半である。これに間に合うのではないかと思う。明日の天気は小雨で、山には登れそうもない。私は今夜は安房のキャンプ場にテントを張って、明日、屋久杉ランド行きのバスに乗ろうと思っていたのだ。
明日、天気が悪いのなら、今日中にバス終点の紀元杉まで行って、今夜は淀川小屋に泊まって明日一日は小屋でのんびりすることもできる。これがいい。
急いで下ることにした。レンタカーは16時までに返せばいいのだが、早く返すのは問題ないだろう。
急ぎ足で下って行く。登山口に戻ったのは10時半である。




 紀元杉から淀川小屋へ
荒川分岐、バスで通過


川上杉を振り返る


淀川登山口まで0.8kmの指導標


淀川小屋への登り


淀川小屋


車を走らせて、宮之浦港に向かう。途中のスーパーで買出しをした。特に、明日は小屋に一日停滞するつもりなので、缶ビールの大缶を4本とそのつまみを主体に買い物をした。
12時にはレンタカーを返却して、宮之浦のバス停まで送って欲しいとお願いしたら、安房のバス停まで送ってくれた。おかげで安房の合同庁舎前のバス停には13時前に着いてしまった。ここで30分ほどバスを待つ。待っているうちに雨が降り出した。
紀元杉行きのバスは1335分で、この合同庁舎前が始発なのだ。でも、このバスは宮之浦港発13時のバスと接続するようになっている。さぞや、宮之浦港からはたくさんの人が乗ってくるのだろうと思っていたら、乗り換えたのは2人だけであった。
バスは、昨日私が観光した屋久杉自然園の前にも止る。昨日観光したので通過。バスはどんどん山の中に入って行く。ジグザグに曲がりくねって、尾根の上に出てしまう。そこに「荒川分岐」があった。右が荒川登山口への道である。普通、宮之浦岳に登ると、縄文杉やウィルソン株を見て、この荒川登山口に着くのだ。でも、私の帰路は白谷雲水峡をとるつもりなのだ。
バスはこの分岐から左に向かって、紀元杉をめざす。
車や人でごったがえすところに着いた。ここが屋久杉ランドである。私は太忠岳にも登るつもりなのだが、その登山口はこの屋久杉ランドにあるのだ。明日、ここまでバスで戻るつもりだ。
バスはさらに急な坂を登って行く。
右に紀元杉があって、バスはその200mほど先で止る。到着は予定通り1440分であった。引き返して紀元杉を眺めたかったが、それは太忠岳に登るときにして、すぐに淀川小屋に向かって歩き始めた。車道を歩いてゆく。紀元杉バス停から登山道入口までは45分も歩かなければいけないのだ。
途中に「川上杉」という案内があった。これもりっぱな屋久杉で、すばらしい迫力の巨木である。
登山道入口に着いたのは15時少し前である。
私は手に缶ビールやおつまみを入れたスーパーの袋を持って歩いている。本当はザックに入れてしまいたかったのだが、もうザックに入るスペースがなかったのだ。このビニール袋はすごく重いのだが、今夜の酒盛りを楽しみにがまんする。
登山口から樹林の中を歩いて行く。けっこうアップダウンがあって、木道や梯子があったりする道である。登山口から40分ほどで小屋に着いた。いっぱいだったらどうしようと思っていたが、十分ゆとりで自分の場所を確保できた。小屋に落ち着いたのは1615分である。
もちろん、すぐにビールを開けて、今日のがんばりに乾杯した。


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