日本アルプスの全縦走コースを歩こうという計画をたてて3年目になる。先週、北沢峠から光岳までの南アルプス縦走を終えたばかりなのだが、残ったのは中央アルプスである。これを今年中に終えてしまいたくなった。
中央アルプスの全山縦走とはいったいどの山からどの山までということになるのだろう。地図を見ると、木曽駒ケ岳・宝剣岳・空木岳・南駒ケ岳・越百山・安平路山・摺古木山までの区間のように思う。でも、木曽駒ケ岳の北には権兵衛峠をはさんで経ヶ岳が聳えている。日本二百名山の経ヶ岳からスタートするのが全山縦走にふさわしいような気がする。
ところが、困ったことに経ヶ岳から権兵衛峠に下る道がないのだ。さらに権兵衛峠から木曽駒に登る道もない。経ヶ岳から縦走を始めるというのはあきらめるしかない。
では木曽駒から縦走するとして、どの登山路で木曽駒に登るかである。一番ラクなのは駒ケ岳ロープウェイで千畳敷まで行き、山上駅からカール壁を登って木曽駒山頂をめざすコースである。でも、私にはこだわりがある。
絶対に、伊那市の桂小場から長い尾根を登って山頂に至りたいのだ。このコースは、新田次郎の小説「聖職の碑」の舞台である。東宝で映画化もされたのだが、実際にあった事件である。
大正2816日、箕輪村高等小学校の修学登山中、天候の悪化ですさまじい嵐に遭い、赤羽校長以下11名が死亡したという痛ましい事故があったのだ。このコースの稜線には巨岩の遭難碑があるので、何としてもこのコースを登りたいのだ。
あとは、木曽駒から南の端の安平路山・摺古木山まで縦走すればよい…のだが…。

今年、南アルプスを縦走した後、引き続いて中央アルプスの縦走をするつもりだったが、心配なことがあって、一旦、帰宅することにした。中央アルプスの南部の縦走は決して安易には立ち向かえないということに気がついたのだ。
木曽駒ケ岳から越百山までは普通の縦走路なのだが、越百山から奥念丈岳、袴腰山、安平路山の間は登山道がないかもしれないのだ。帰宅してから、昭文社の「山と高原地図木曽駒・空木岳」を買い、さらに山と渓谷社の「アルパインガイド中央アルプス」を読んでコースを細かに検討した。
昭文社の地図には「越百山〜安平路山 登山道不明瞭 縦走は熟達者のみ」と書かれてあり、さらに「奥念丈岳から安平路山までは踏跡なし 迷いやすいうえ笹薮が繁茂し通行困難」とまで書いてある。
私は、今までずうっと単独行で登山をしてきたために、専門的に登山技術を学んだことがない。いつも、自分の登山技術に不安を持っているので、「縦走は熟達者のみ」などといわれると、無理ではないかと思ってしまうのだ。
でも、私の強みは一般の人以上にたくさんの山を登っていることで、経験だけは豊富である。数多くの山を登ったなかでは、すさまじい藪コギを強いられてことも少なくない。その経験でなんとかならないだろうかとも思う。
でも、問題はこのコースを歩かない限り、中央アルプスの全山縦走を達成することはできないということだ。
やってみるしかない。
縦走計画は次のようにした。


1日目
桂小場→2:30→大樽小屋→1:30→胸突八丁→30分→西駒山荘→40分→濃ヶ池分岐→1:30→木曽駒山頂→15分→駒ケ岳頂上山荘
【歩行
6時間55分】

2日目
頂上小屋→宝剣岳→40分→極楽平→1時間→濁沢大峰→1:30→檜尾岳→1時間→熊沢岳→1:20→東川岳→20分→木曽殿山荘→1:30→空木岳→30分→空木平避難小屋
【歩行
8時間45分】

3日目
避難小屋→2:15→南駒ケ岳→1:00→仙涯嶺→50分→越百山→20分→南越百山→1:30→奥念丈岳→1時間→袴腰岳→30分→松川乗越→1:00→小茂吉沢の頭→1時間→安平路山→20分→安平路避難小屋
【歩行時間
9時間45分】

4日目
避難小屋→1:10→白ビソ山→2:00→摺古木山→1時間→摺古木自然園休憩舎→2:00→大平宿→2:35→幸助バス停
【歩行時間
8時間45分】


ただ、この計画の中で心配なのは第3日目である。この計画の歩行時間はアルパインガイドによったが、昭文社の地図では13時間20分かかることになっている。昭文社の地図では笹薮コギの箇所の時間をアルパインガイドの1.5倍ほどになっているからなのだ。越百山のあたりで一泊して、それから安平路山に向かったほうがよいような気もするのだが、とりあえずこの計画で行ってみることにした。(大間違いであった。)


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