丹沢には何回か登っている。
東京に住んでいたときに塔ノ岳とか桧洞丸に登ったりしていたのだが、最高峰の蛭ヶ岳には登っていなかった。そこで青森に住んでいたときに、12月の3連休を使って東京まで出てきて、塔の岳−丹沢山−蛭ケ岳−桧洞丸の縦走をした。
このときは大倉に前泊して、翌朝はまだ真っ暗なうちに出発した。計画では2日で縦走するつもりだったのだが、結局1日で縦走してしまった。
桧洞丸に着いたのは3時を過ぎていて、本当はここで泊まるべきなのだが、箒沢までは1時間45分という指導標を見て、急いで下ったらなんとか最終バスに間に合うのではないかと思ってしまった。走って下ったのだが、途中で日が暮れてしまい、真っ暗な山道を走った。それで最終バスの時間になんとか間に合って、バス停に行ったのだがバスはいなかった。
よく調べてみると、休日はその時間の便はないのだった。
結局タクシーで最寄りのJR駅まで行くことになった。なんのために走ったのだ…。
今回、もう一度丹沢に登ることにして、どんなコースを歩こうかと地図を調べた。
ガイドブックに東丹沢主脈縦走コースが紹介されていた。
これは大倉から塔の岳に登って丹沢山、蛭ヶ岳と縦走して、ここから北に伸びる尾根を行くコースである。
丹沢最高峰の蛭ヶ岳に登れて、あとはまだ歩いたことのない稜線をたどることができる。
途中、山中1泊することになるが、けっこう楽しい登山になりそうである。
2001年12月1日
小山発5時10分のJRに乗った。これが始発の電車である。
まだ真っ暗であった。駅のホームに立って電車を待っていると、けっこう寒い。
電車に乗っている間に空がしだいに明るくなってきた。
新宿に着いて、ここで小田急線に乗り換える。
小田急の渋沢駅で下車して、さらに大倉行きのバスに乗り換えた。渋沢からは意外と短時間で大倉に着く。バス代も安かった。
大倉に着いて驚いたのは、バス停がすばらしく立派になっていることであった。バスターミナルになっていて、なにかしら真新しい施設もできている。
大倉から丹沢山塊を仰ぎみると、空は晴れていて、山がすぐ近くまで迫っている。わくわくしてくる。
大倉からは舗装の道を歩いて行く。けっこう傾斜がある。
舗装道路はコンクリートを敷いた道に変わり、土の林道になって、いつの間にか登山道になっていた。
いつものことなのだが、登りはじめは他の登山者にどんどん追い抜かれてしまう。なんか情けないのだが、これが私の登山ペースなのだから仕方がない。
いつもなら、昼頃までにはこの連中をまた追いぬいてしまうのだが、今回はそうはいかなかった。テント・シュラフを背負ってるせいもあって、ガイドブックに書かれている標準タイムよりかなり遅い。
丹沢に来て思うのだが、めったやたらに山の家が目に付く。東京近郊だと、登山者も多いからこんなに施設がたくさんあっても採算がとれるということか。私にはけっこう、うるさすぎるような気がするのだが。
1時間ほど登るとまず見晴し茶屋があった。小屋の前には水が流れる水道蛇口があった。
さらに急な道を1時間ほど登ると駒止茶屋がある。さらに30分ほど登って、ようやく堀山の家に着いた。大倉から堀山の家までは1時間50分のところ、3時間もかかってしまった。
この先は展望が開けていて、行く手には塔の岳が見えてきた。堀山の家から1時間ほどで花立山荘に着く。ここからは塔ノ岳にむかってひたすら登って行くのだ。
塔の岳に着いたのは12時37分であった。予定よりもかなり遅い。山頂にはたくさんの登山者がいて、それぞれに休憩していた。
うれしかったのは、正面に大きく富士山がそびえていたことである。私は富士山をみると、つい、うれしくなってしまう。
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