早池峰山といったら、遠野物語を思ってしまう。そしてここにだけしか咲かない日本のエーデルワイス「ハヤチネウスユキ草」にあこがれてしまう。

はやちねさん

標高 1914m

ハヤチネウスユキ草




二十歳の頃の大昔、正月の帰省の途中に遠野に立ち寄ったことがある。

「遠野物語」に惹かれて、河童淵とか五百羅漢などを見て回ったのだが、このとき初めて「早池峰山」の名前を知った。遠野物語では、早池峰山は遥かかなたの山とされている。

私はこの「早池峰山」という名前に響きに惹かれてしまう。何かしら、ひどく優雅ではないか。

早池峰山には三度登った。

最初は河原坊コメガモリ沢のコースを登って山頂まで行き、同じ道を引き返した。

そのあとで本を読んで、この山には「ハヤチネウスユキ草」という高山植物が咲くことを知った。

日本のエーデルワイスとも云われるこの花を何としても見てみたくて、7月に再び出かけた。

(どうでもいいことなのだが、私はジュリーアンデュリュウスのファンで、サウンドオブミュージックには大感動したほうで、この中で歌われた「エーデルワイス」という歌がたまらなく好きなのだ)


1990年7月29日

河原の坊から、岩がゴロゴロした沢を登って行く。

登るに連れて、後ろに端正な形をした薬師岳が眺められるようになってくる。

頭垢離というところまで来ると、ようやく沢の地形も終わって、このあたりから頂上を仰ぎ見ると、大きな岩が累々としているのが見える。

早池峰というと名前がやさしい感じなので、女性的な山を連想してしまうのだが、それはとんでもない間違いだ。

このあたりから、登山道の脇に「ハヤチネウスユキ草」が見られるようになる。

この高山植物は、名前は有名だが、花自体はそんな派手なものではない。

むしろ地味な花なのだが、この花が群落をなして風で揺れている。

けっこう、絵になる。

大きな岩が行く手を遮っていて、これが「打岩」。

これを過ぎると、さらに傾斜はきつくなって、大きな岩の間を登って行く。

早池峰山頂には神社があって、その横に岩が積み重ねられたケルンのようなものがある。そこには奉納された宝剣がいくつも立っていた。

この山も信仰の山なのだ。


帰りは、賽の河原からお田植場を通って、小田越に下った。

下りはじめはかなりきつい傾斜で、ここをどんどん下っていく。こちらのコースから登ってくる人もけっこう多い。

下って行くと、下から雲が湧きあがってきた。

お金蔵という大きな岩のあるところでは、霧の中だった。

このお金蔵が五合目で、ここからは道も緩やかになってきた。

林の中をしばらく歩くと、鳥居があって、これをくぐったところが小田越だった。

大きな鳥居は木でできていて、それが白く風化して、ずいぶん古いものに感じる。

その白くなってしまった鳥居の向こうに早池峰山がゆったりと聳えていた。

下山していたときは雲の中だったのに、今はすっかり晴れて、鳥居と一緒に眺めると、いかにも伝説の山らしく神秘的に見えた。



登山道から山頂を仰ぐ





早池峰山頂


早池峰山頂の宝剣


お金蔵付近





早池峰山を振り返る




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By:kudougao 2001/4/7
























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