BACK 鞍掛山
2009年4月2日
かしゃげ峠から深くえぐれた道を下ると、10分ほどで樹林から抜け出して大代の集落に着いた。
展望の開けた車道を歩いて行くと、右に東屋やトイレのある広場があった。ここは千枚田の展望台になっているのだ。
小さな水田が段々に連なっていて、本当に千枚もありそうな感じである。ここで水を補給して、棚田を眺めながら少し休憩した。今日は本当にいい天気で暑いくらいである。広場の桜も満開で、今朝の寒さはいったい何だったのだと思ってしまう。
展望台から車道を歩いて行く。25分ほど舗装道を歩くとトンネルがあった。これが仏坂トンネルかと思ったら、四谷トンネルであった。このトンネルを抜けて少し行くと、道が左にカーブした先に仏坂トンネルがあった。このトンネルの手前に広場があって、樹林の中にベンチやトイレがあった。
ここからはまず鉄梯子を上るのだ。その先は尾根の左側をトラバースするように歩いて行く。時々、桟がかけられていて、道端には石仏を点々と置かれている。三十三体観音なのだが、平成15年にたてられて新しいものである。
峠の直前はジグザグの急登であった。ようやく登り着いた峠には石仏が並んでいた。この峠は江戸時代、信州方面に通じた重要な中馬街道の一つだったのだ。馬頭観音などの石仏が並んでいることから「仏坂」の名前がついたのである。
ここに立つ指導標には宇連山まで4時間20分と書いてあった。私のもつ自然歩道の地図には3時間と書いてあるのだが、どうしてこんなに時間が違ってしまうのか不思議である。
仏坂峠で右折して、尾根を南にたどる。杉林の中のアップダウンが続く。自然林のけっこう明るい尾根で、時々展望が広がる。仏坂峠から1時間ほど歩いて、ピークから大きく下るとベンチが置かれた海老峠に着いた。ここから宇連山までは2.7kmである。指導標に書かれた時間は2時間を消して1時間半になっていた。地図では東西へ下る道は書かれていないのだが、指導標では東に宇連集落、西に川売集落と書かれていた。
桧の中の尾根道をひたすら歩いて行く。所々にベンチが置かれていて、それには番号がふられている。海老峠から40分ほど歩いたら29番のベンチがあって、さらに10分ほど行くと急な上りになって尾根には巨岩が立っていた。
明るい桧林の中を登って行くと、T字路分岐に着いた。直進すると宇連山、右に下ると棚山高原なのだ。ここにはたくさんのベンチ・テーブルが置かれていて、テーブルは28番であった。休憩にちょうどいいのだが、ここから宇連山山頂までは300mなのでそのまま登ることにした。本コースはこの分岐で右折するので、宇連山に登ったらここまで引き返さなければいけない。ザックをおいて行こうかとも思ったが、けっきょくザックを背負って山頂に向かった。
すごく急な登りになって、やっぱりザックをおいてくるべきだったと悔やんでしまった。
山頂に着くと登山者が二人いて休憩していた。人に会うのは久しぶりである。山頂には二等三角点があって、ベンチや東屋がある。山頂のベンチは27番であった。
山頂は樹林に囲まれているのだが、その奥に露岩の展望台があって、そこからは東にダム湖が見えた。これが鳳来湖で、その左奥にはりっぱな山が見える。地図で調べたら標高1016mの三ツ瀬明神山であった。「愛知県の山」という本に登載されているので、いつか登ることになりそうだ。この山の左奥に白く雪をまとった山並みが見える。これは南アルプスで、左から塩見岳、赤石岳、聖岳と連なっているのだ。南アルプスを眺めることができて、すごく幸せな気分になった。
登ってきた道を引き返して、分岐から棚山高原を目指す。
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