東海の山
けなしやま

標高 1945m
麓集落→10分→沢コース分岐→20分→不動ノ滝見晴台→1:00→ガレの縁→40分→富士山展望台→10分→→稜線→10分→毛無山山頂→15分→大見岳→10分→毛無山→10分→稜線→15分→下降点→30分→地蔵峠→20分→荒れた沢→50分→分岐→10分→麓集落

登山口のある麓集落は東海自然歩道が通っているのだが、ここから山頂に向かっては急登の連続である。この山のすばらしさは富士山の展望で、私が登ったときは残雪もあって息をのむほどきれいだった。そして、山頂にあるのは一等三角点であった。
「麓」から仰ぐ毛無山

 登山口からはさみ岩へ 1999年の登山記録


登山道の入口


沢コースとの分岐


大きな岩だらけの道


一合目


はさみ岩

2013416

家を出て3日もたったのだが、ようやく今回の旅行の最初の山に登る。日本二百名山の毛無山である。この山には今から14年前に登っているのだが、そのときは単純に山頂を往復するだけであった。今回は山頂から地蔵峠経由で、金山沢を下ろうと思っている。それに、毛無山山頂のすぐ隣にあって、標高が20mほど高い大見岳にも寄ってみたい。
道の駅朝霧高原を出発して「麓」集落に着いたのは6時半を少し過ぎた頃。道の駅からは3kmほどで、すごく近いのだ。車は昔と同じく、東海自然歩道の休憩施設の前に停めた。登山口前の有料駐車場は500円もするのだ。
歩き始めるとすぐに変形のT字路があって、東海自然歩道は左からやってきて、この交差点で鋭角に曲がるのだ。その方向を見ると「麓 山の家」という立派な施設がある。その前に「麓金山」の説明板があった。今川氏や武田氏によって営まれた金山で、徳川の支配に置かれてから最盛期を迎えたらしい。(これから行く登山道にはその遺跡が残っているのだ
登山口に着くと、そこには14年前にあったものと同じ案内板がたっていた。けっこう感動した。
鎖で閉鎖された林道を行くとすぐに神社が見えてきた。「麓宮」というらしい。そのすぐ先には「麓金山精錬場跡」という標識があったが、その痕跡はまったくなかった。すぐそばには「麓金山金鉱石破砕機」がさび付いた状態で置かれている。金山は江戸時代初期に閉鎖されたはずなのに、どうしてこんな機械が残っているのかよくわからない。
道はすぐにT字路に着いて、指導標に従って右に行く。川の流れにぶつかって、この土手を歩いて行くと、大きな堰堤があって(川の流れがないのに、なんでこんなものがあるんだ)その手前に毛無山登山口があった。
登山道に入って少し行くと、大きな岩に埋まった沢を渡る。杉林の中を少し行くと、青い金網の柵が見えてきて、その手前に地蔵峠との分岐があった。14年前に見たのと同じ案内板があった。
すぐに急登が始まる。登山道には大きな岩が点在していて、これからの登山の険しさを伺わせる。分岐から10ほど行くと、「滝まであと15分」の案内があって、そのすぐ先に一合目の標識があった。登山口から25分歩いてやっと一合目か、この調子でいったら25分×10=250分で、山頂に着くのは12時くらいになるではないか。
がっかりしながら5分ほど登ると、突然すさまじい岩場が立ちふさがった。ロープが下がっていて、そこには「はさみ岩」という標識があった。これを必死で越えると、その向こうにも同じような険しい岩場がそびえていた。毛無山にこんな岩場があったなんて、まったく記憶に残っていない。



 毛無山山頂へ
滝見台


レスキューポイントの平坦地


七合目付近


沢コース分岐


毛無山山頂


はさみ岩を過ぎると傾斜が緩まって、暖かな日差しをあびてのんびり歩く。二合目の標識を過ぎてすぐに「滝見台」があった。ここから少し離れているのだが「不動滝」を見ることができるのだ。二段になって流れ落ちる、落差
100mの堂々たる滝である。
梢だけの林の中を登って行く。時々、ロープの下がる岩場が現れて気が休まることはないのだが…。
4合目を過ぎたすぐ先に広場があった。ガイドブックにテントが張れる平坦地と書いてあるところだ。ここには富士宮消防署のレスキューポイントという標識があった。ここはヘリコプター救出が可能な場所だそうだ。
ここから10分ほど登るとようやく五合目に着く。ここにはマツダランプ提供のホウロウ造りの指導標があった。このレトロな感じのマツダランプ指導標はけっこう他でも見るのだ。
登山道はますます険しい登りが続いて、巨岩も多く、岩には矢印が書かれていたりするのだ。両側が険しく切れ落ちた尾根を通過すると、その先に六合目の標識があった。
梢の林のなか、日差しを浴びながら登って行く。道には岩屑がいっぱいで、けっこう登りにくいのだ。
八合目を過ぎて
15分ほど登ると、右の岩の上で登山者が休憩している。何かと思ったら、ここが富士山展望所であった。上ってみると、すぐ下が切れ落ちた岩の上で、ここからは真っ正面に富士山を眺めることができるのだった。少し霞んでいるのだが、富士山の眺めは本当にすばらしくて感動してしまう。私は富士山が大好きなのだ。
富士の眺めに大満足で、山頂を目指す。10分ほどで九合目に着いた。九合目は稜線に出たところと思っていたのだがそうではなかった。急な登りの途中に指導標がたっているのだ。まだ急な登りが続くのかとがっかりしたら、2分ほどで緩やかな道になった。稜線に出たらしく、ほっとした。すぐに地蔵峠の分岐があった。ここにもマツダランプの指導標があった。
山頂はもうすぐである。分岐から少し行くと、道の左に大きな岩があって、「北アルプス展望台」の標識があった。この岩の上から北アルプスが展望できるらしい。でも、これは帰りの楽しみにして、山頂へ急ぐことにする。
緩やかではあるがけっこう起伏がある稜線で、8分ほど歩いて山頂に着いた。ここには富士山展望台で会った登山者が休憩していた。山頂には静岡県の山で多く見る団子のような山名標識がたっていたが、その隣に山梨百名山の標識もあった。毛無山は静岡県の山と思っていたのだが、ちょうど県境にあるらしい。
毛無山山頂にある三角点は一等三角点であった。山頂標識のところから富士山を見ることはできないのだが、少しだけ下がったところに樹林の境目があって、そこから間近に富士山を見ることができる。やっぱり富士山はすばらしい。
今回の登山はダイエットもかねているので、山頂で口にしたのはブラックコーヒーだけである。



 大見岳へ
大見岳への道


山頂のようなところがあった


大見岳山頂


予定通り、毛無山よりも
18m高い大見岳に向かう。その縦走路の入口には「毛無山〜雨ヶ岳は笹が深いのでコースに詳しいベテランと同行してください」という掲示があった。すぐ隣の大見岳だったらたいしたことはないだろうと思って行くことにする。
山頂からは急な下りだが、すぐにほとんど平坦な縦走路になった。褐色の草地の中に道は続き、展望も開けていて、富士山の眺めがすばらしいのだ。笹藪はまったくなかった。
行く手には高いピークが見えるので、これが山頂と思って歩いて行く。7分ほど行くと草地の中に朽ちた標識が散らばっている。ここが大見岳山頂かと思ったが、標識は毛無山と雨ヶ岳の方向を示すものであった。
灌木の林に入ってさらに進む。ここが山頂ではないかと思われるピークに着いたが標識などはない。さらに先にもピークが見えるので行ってみた。ところがここにも山名の標識はなくて、この先は下りになっていた。
ここからさっき通過したピークを振り返ると、そっちの方が高いように見える。引き返した。
山頂らしきところに着いてから登山道を外れて、一番高いと思われるところに踏み入った。
灌木の中に大きな岩があって、その上に大見岳の標識がたっていた。これはちょっとわからない。
ともかく最高点に立ったということに満足して、毛無山に引き返した。



 沢コースを下山
稜線を行く


地蔵峠の標識があった


本当の地蔵峠


何度も徒渉を繰り返す


登山口に戻った


地蔵峠分岐のそばにあった「北アルプス展望台」の巨岩に登ろうとしていたら、さんき合った登山者が、上ってみたけど何も見えなかったと教えてくれたので止めにした。

ほとんど平坦な稜線歩きを20分ほどすると下降点に着いた。ここには「荒天時には増水するため通行できなくなります」という警告の看板があった。今日は天気がいいので、大丈夫。
細かなジグザグの急降下がはじまる。灌木の林は梢だけなので、日も差して明るい下山路である。15分ほど下ると地蔵峠の標識があったが、麓への下山道分岐まではさらに10分と書かれていた。このさき針葉樹の鬱蒼とした林に入って、急な登りもあったりする。
ようやく着いた下降点もまた地蔵峠というのだった。ここには小さなお地蔵様もあるので、こっちが本当の地蔵峠のようだ。
ここまでもすごく急な下りだと思っていたのだが、それは甘かった。地蔵峠からが本当の急下降なのだ。
峠からはロープの下がる壁を降りて、さらに岩礫がザラザラする不安定な道を細かくジグザグで下るのだ。15分ほど下ると沢に降り立つのだが、そこへは岩壁をロープにすがって下るのだった。降りたところはちょうど沢が滝をつくて流れ落ちていて、ここから巨岩が累々とする沢を下って行く…、少し下ったところで、踏み跡らしきものがないことに気がついた。振り返ると、左岸に赤や青のテープがたくさん下がっているのが見える。ここでは沢を横切って対岸に渡るのだった。危うく道に迷うところであった。
ここからはすさまじい急登であった。どうしてこんなに上ってしまうんだと思ってしまう。
ようやく山襞に沿ったトラバース道になる。水平な道になったり急下降になったりを繰り返す。途中に「金鉱石を焼いた窯」という標識があった。確かに石を組んだ釜らしきものがあった。
このさき、急下降して荒れた沢に降り着く。ここからは岩だらけの沢を下って行くのだ。何度も沢の徒渉を繰り返す。道は沢を縫うように続いているのだ。

沢から離れて、遙か下に流れを見ながら行くようになると、流れが滝をつくっているのが見える。沢には大きな岩が重なっていて、すばらしい景観なのだ。突然、崩落した箇所のトラバースがあった。ロープが張ってあるのだが、これはあてにできない。これを慎重に通過する。このあと同じような危険箇所がもう一度あった。これを過ぎたすぐ先に「比丘尼の滝」があった。
滝の先も沢を何度か徒渉して、ようやく杉林を行くようになった。すぐに今朝の分岐に着いた。登山口はもうすぐである。それにしても、地蔵峠からの下りはきつかった。膝がガクガクである。
登山口に戻ったのは1350分。車に向かって、集落の中をのんびり歩いて行くと、富士山を大きく見ることができた。麓集落からも富士山は見えるのだ。民家の庭先には桜や花が咲いていてすごくきれいである。車に戻ったのは14時少し前であった。


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