BACK 飯豊本山
6月27日
朝、というよりは深夜と言ったほうがよいのだが、3時に起きて朝食の準備をした。
今朝は時間もないので、インスタントラーメンでがまんすることにする。
4時に少し明るくなってくる。
空は晴れていた。
大日岳が、少しだけ明るくなった西の稜線に聳えている。天気がいいと、けっこう幸せな気分になる。
昨日、小屋の管理人にきいたが、雷は続く傾向があるらしくて、今日も午後から危ないみたいなのだ。今日は時間が押せ押せになっている。
最低限の荷物をザックにつめて、予定通り4時に出発した。
まず、下る。でも、稜線の道で展望はすばらしい。行く手には大きく大日岳が聳えている。
少し下って、あとは平坦な道になる。
大日に向かって登り始めた頃に飯豊本山の肩から朝日が昇ってきた。すばらしいご来光である。昨日、無理して霧の中を登らなくてよかった、と思った。(でも、おかげで今日はめちゃくちゃにハードなのだ)
大日岳に向かって急登する。
山頂に着いたのは5時少し過ぎた頃であった。
絶景である。
朝の清々しい空気を胸一杯にすって、山頂から飯豊の雄大な山域を一望する。すばらしい贅沢な気分。
写真を撮りまくって、すぐに下山開始。時間がないのだ。
小屋に戻ってきたのは6時前であった。
すぐにテントをたたんで、ザックに荷物を詰め込む。出発したのは6時半。
小屋の管理人さんにお礼を言って、梅花皮山荘に向かって出発した。
梅花皮と書いて「かいらぎ」と読むのである。
天気はよくて、青空のした、景色を楽しみながら縦走路を行く。
飯豊は雪渓が豊かで、沢筋に残る白い雪が陽に輝いている。高山植物も豊富で、登山道の両脇にはきれいな花々が咲き誇っているのだ。
何かしら、雲上の楽園を歩いてゆくような気分である。
1時間ほど歩くと行く手に小屋が見えてくる。
これが切合い小屋で、すぐ傍に雪渓が広がっている。
ここで水を補給することにした。
御西小屋のすぐ近くにも水場はあったのだが、往復で15分くらいはかかってしまう。朝、忙しかったので水汲みをしなかったのだ。
ここで水を補給したが、あまりきれいな水ではなかった。すこし砂がまじっているのだ。失敗した。
さらに縦走路を行く。
三角に尖った烏帽子岳を越え、さらに梅花皮山を越えると、鞍部に小屋が見えてくる。梅花皮小屋である。その向こうに大きな山がどっしりと聳えている。これが北股岳なのだ。
ジグザグの砂礫の道を下ってゆく。
ほぼ下りきったところで、登山道の左の草原に道が平行してある。その道の先に水場が見えた。草地を横切ってその道にでたら、そこは高山植物を守るために入ってはいけなかったのだ。自然破壊をしてしまった。
ここで、さっき汲んだ水は捨ててしまって、新しく水を汲みなおした。
小屋に行って管理人さんに訊くと、やはり石転び雪渓は立ち入り禁止で、その理由は落石の恐れがあるからなのだそうだ。
諦めて、北股岳を登ることにした。
急な道を登って行く。
さっきまで青空が見えていたのだが、空は灰色の雲に覆われていた。
北股岳の山頂に着いたときは、周りの山々には雲がかかり始めていて、また雷が来そうである。
縦走路を行く。次に目指しているのは門内岳である。
縦走路としては快適である。欲をいったら、雲がとれて展望が開けたらもっといいのだが。
門内岳の山頂は巻いて小屋に先に行った。時間は10時半になっていた。
ここに荷物を置いて、カメラだけ持って山頂へ。残念ながら展望は得られなかった。
小屋の管理人さんに、これから梶川尾根を下るつもりで、3時45分のバスに間に合わせるつもりだと言ったら、ギリギリくらいだと言われた。まだ5時間もあるではないかと思ってしまうのだが。
一応、急いで梶川尾根の下山口である「扇の地紙」に向かう。
扇の地紙のピークから少しだけ降りると、縦走路と尾根道の分岐があった。
ここに3人連れの登山者がいて、少し言葉をかわした。
私が3時45分のバスに間に合わせるつもりだと言ったら、それは無理だと言われてしまった。地図を見せてくれて、そこに記載された時間では4時間45分かかるのだという。
今は11時15分である。げっ、と思った。
私の持っているガイドブックでは下り3時間半と書いてあるのだが。ただし、(いつものことなのだが)私のガイドは古い。1985年発行のものである。その後、道の状況が変わってしまったのだろうか。
ともかく彼らにお礼を言って、急いで下り始めた。
彼らが言っていたように、梶川峰までは平坦な縦走路であったが、ここを過ぎたらすさまじい下りになった。おまけに雨が降り出した。最初は傘をさして歩いていたのだが、道は急になるし、雨はどんどん激しくなる。雨具に着替えた。
この後は壮絶な時間と競争の下りになった。
私は時々こんなことをしてしまう。
最後に時間との競争になって、走って下ることになることが少なくないのだ。
ザンザカ降りの中、滑りやすい急坂を下る。気が疲れる。
遥か下に小屋が見えた。あれが飯豊山荘のようだ。でも視線で角度を考えると、ほとんど真っ逆さまといった感じに見える。
ようやく、舗装道路に降り着く。
少し行くと飯豊山荘があった。
時間は3時であった。…ゆとりで間に合った。でもほとんど体はボロボロであった。
時間があると分かったので、温泉に入ることにした。飯豊山荘には温泉があるのだ。
湯船に体を沈めると、最高の気分。
やったゼという満足感。
飯豊はやっぱりすばらしい山だと思った。
余談
バスで小国駅に着いたら、駅が騒がしい。電車が不通になっていたのだ。
代行のバスが出るということで、そのバスで今泉まで行って、そこから接続した電車で米沢へ。ここで初めてわかったのだが、山形駅構内に落雷があって、ダイヤがズタズタになっていたのだ。ともかく次はいつ列車が入ってくるかまったくわからないのだ。自分が予定していたJRの計画は一瞬に消え去ってしまった。
1時間待って、ようやく来た山形新幹線に乗って(この便は3時間遅れているのだ)郡山へ。
郡山から東北新幹線で、なんとか仙台に帰ってくることができた。
BACK 日本百名山
BACK 私の東北の山百選 |
|

御西小屋

大日岳に向かう

途中でご来光をみた

大日岳山頂

御手洗いの池と烏帽子岳

烏帽子岳山頂

梅花皮岳山頂

梅花皮小屋に向かって下る

梅花皮小屋

北股岳山頂

門内岳山頂

地神山山頂

梶川峰

飯豊山荘前バス停
|