BACK 高丸山
2007年10月29日
次の権田山へは千年の森広場から30kmほど走る。途中、大轟の滝があった。この滝は素晴らしかった。
どんどん走って、剣山スーパー林道に入り曲がりくねったダートな道を行く。ようやく権田山の入口に着いたら、そこには「権田山登山道崩落のため登れません!」という看板がたっていた。あっさりあきらめることにした。この権田山は、山と渓谷社の四国百名山に選ばれているのだが、分県登山ガイド(新版)には収録されていない山なので、なんとしても登らなければいけない山ではないだろうと思うのだ。
権田山をあきらめたので、次は湯桶丸に登ることにした。いったん引き返して、かなり遠回りをしなければいけない。60kmの距離を走るのだ。
長いダートな林道が待っていた。遥か下に湯桶谷が流れ、この谷にそってガタガタの林道が続く。走っても走っても登山口に着かない。道を間違えたのかと心配になった頃に、登山口の標識があった。
ここが下の登山口である。この1.5kmほど先には上の登山口があるので、私はここから登って上の登山口に下るつもりなのだ。
登り口はガレ場で大きな岩が急斜面に累々としている。登山口の標識に従って、ガレの左側の急な斜面を登った。かすかに踏み跡があったからこのコースをとったのだが、これは間違いであった。崩れやすい土の急斜面で、木の幹につかまったりして登っていったが、道がどうしてもわからなくなった。やむなく引き返したが、すさまじい急斜面で足元がもろくてすごく怖かった。ガレに沿って下ったら、ガレの向こうに赤いテープが見えた。これで正しい道がわかった。細い踏み跡があって、これをたどって杉林の中に入る。しっかりした登山道になってほっとした。
きつい登りが続く。樹林の途切れたところから振り返ると、遥か下に曲りくねって続く林道が見えた。行く手右には紅葉の大きな山が見える。これが湯桶丸であった。すごく遠い…。
赤い幹が特徴のヒメシャラの木が目立つようになって、大きなブナの木がたつ林に入る。ようやく傾斜が緩やかになると指導標のたつ分岐に着いた。ここが1185mピークであった。指導標によると登山口からここまでが950mなのに、ここから山頂までは1600mもあるのだ。まだまだではないか。
この分岐の少し先にピークがあるので行ってみた。三角点があるのかと思って最高点まで行ってみたがなにもなかった。
さて、ここからは快適な稜線歩きだ…。期待して歩いていったが大間違いであった、鬱蒼とした樹林の中の尾根で、アップダウンを繰り返して登ってゆくのだ。途中、右に崩落した崖があった。足がすくんだ。
ともかくこの稜線歩きでは疲れてしまった。
山頂が大きく迫ってくる。山腹の紅葉がすばらしくきれいであった。稜線にはヒノキとヤマグルマの共生木という巨木がたっていた。白い幹で、樹木が何本か束になっているような感じであった。
急登が始まった。すさまじい急登で、足元も崩れやすい。こんなところこそロープを下げておいて欲しいと思った。必死で登って、ようやく頂稜に着く。右が上の登山口への下山路で、左が山頂への道である。
細い尾根を歩いて行く。行く手の山頂は私がいるところよりも低いような気がした。
稜線の林は紅葉が真っ盛りで、道にはもみじが敷き詰められて赤絨毯を歩いているようであった。
分岐から10分ほどで山頂に着いた。ガイドブックには展望がよいと書いてあるのだが、樹林のに囲まれていて南側がわずかに開けているだけであった。
山頂からは北と東に下って行く道があるので、少し行って見たが、山々を展望することはできなかった。
山頂から引き返して、頂稜の分岐から直進する。緩やかな尾根を下って上の登山口を目指すのだ。この尾根の道も紅葉がすばらしくきれいであった。
ガイドブックの地図には「下り口」という表示があるので指導標がたっているのかと思ったが、そんなものはなかった。いつのまにか傾斜がきつくなってどんどん下って行く。こっちの尾根もかなりの急勾配である。木につかまったりしてどんどん下って行くと背の高い笹薮の中に入った。道に覆いかぶさる笹を掻き分けながら下らなければいけなかった。檜の林に入ると林道は近い。でも、傾斜はさらに急になった。この急斜面をジグザグに下る。林道が真下に見えた。
上の登山口に降り着いたのは15時12分である。なにかしら疲れはててしまった。林道を歩いて行くと紅葉に彩られた湯桶山の稜線を仰ぎ見ることができた。
車の前に戻ったのは15時半である。
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大轟の滝
下の登山口
ガラガラの踏み跡を登る
1185mピークの分岐
崩落した崖があった
行く手に山頂
肩に着く。ここから山頂まで250m
湯桶丸山頂
上の登山口に下った |