2007年早春四国登山
せんぼんやま

標高 1084m
登山口→30分→親子杉→30分→傘杉堂→20分→雨量観測所→40分→千本山→1:30→登山口

この山のある魚梁瀬一帯は日本三大美林のひとつになっているのだ。登山道はこの杉林観賞のための遊歩道が整備されている。杉の巨木を眺めながらのんびり森林浴を楽しむ登山である。
千本山は杉の巨木の森

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2007年329

四郎ヶ野峠から下って行くと、意外と早く魚梁瀬に向かう分岐に出た。でも、ここから登山口までは本当に遠い。細い曲がりくねった県道を50kmほど走らなければいけないのだ。どんどん山の中に入って行く。道のはるか下には大きなダム湖が見えるようになったが、それはほとんど干上がっていた。このダム湖に沿って走って行くと、こんな山の中に…というところにそれなりに大きな町があった。これが魚梁瀬の集落なのだ。この町の中を走っていったらCOOPがあったので立ち寄ったが、商品が少なくてビールだけ買った。
魚梁瀬の集落からさらに川を遡る。道には千本山の標識がちゃんとつけられていて、意外と有名な山なんだと思った。
舗装道路が終わるとすぐに登山口に着いた。3時であった。ここにはトイレもあって、5台ほど車を停めることができる。今夜はここで泊まる。
ただ、心配なことがある。携帯で天気予報を調べたら夕方から雨なのだ。明日の午前中には晴れるようなのだが、今、空はきれいに晴れている。雨なんて降りそうもないのだが…。


330

天気予報はぴたりと当たった。真夜中から雨になって、強く降り続ける。稲妻が光ったりした。
朝、5時を過ぎても雨は止みそうもなくて断続的に強く降る。
天気予報では夕方から雨というのが、真夜中から降り出したのだから、晴れるのは半日ずれるかもしれない。
私は午前中に千本山に登って、午後からは高知の観光をしようと思っていたのだ。もしかしたら登山は昼からになって、高知の観光はあきらめなければいけないかも知れない。
どうしようもないので、車の中で本を読んでいた。
6時半になったら雨は止んで、7時になったら日がさすようになった。天気予報ってほんとによく当たる、うれしくなってしまう。
行動開始は7時半である。空には青空が広がり始めていた。強い雨の後なので草木の露でズボンが濡れるかもしれないが、スパッツなしで歩き始めた。(道はしっかりしていてその心配は無用だった)
林道から沢に向かって下るとすぐに吊橋がある。新しい吊橋である。
これを渡ったところに大きな杉の木が聳えていて、その前には林野庁の「森の巨人たち百選」の標識がたっていた。「千本山橋の大杉」とあって、高さ52m、推定樹齢200年の巨木である。そして、これから歩く千本山の登山道にはこのような杉の巨木が林立しているのだ。
この千本山は江戸時代は「お留め山」として保護され、明治以降は学術参考保護林として大事にされてきたのだ。秋田・吉野とともに日本三大美林といわれるすごい杉林なのである。
森の巨人たちの標識をすぎると、すぐに登りになる。道は木組みの階段で、これがジグザグに延々と続くのだ。稜線に向かって、ひたすら階段を登って行く。この木組みの階段の途中にはテラスがあって、そこにはベンチが置かれたりする。整備された道なのだ。木道の入口には「展望台まで60分」とかかれていた。
照葉樹林の濃い緑の中を登って行く。途中には「親子杉」まであと○○mという標識がたっている。これを目安に登って行く。

照葉樹林の中に大きな杉の木が目立つようになると、木組みの階段から開放された。杉林の中を緩やかに登って行くと、ベンチが置かれた広場に着く。そこには大きな杉の幹から小さな幹が分かれる杉があった。これが親子杉である。この周りにもたくさんの巨木が立ち並んでいる。私はこうした巨木が大好きなので、うれしくなってしまう。
ここから先はすばらしい杉林が続く。ともかく写真のシャッターばっかりきっていて、少しも先に進まない。こまったものだが、それほどすばらしい巨木の森が続くのだ。
親子杉が過ぎたら、こんどは「鉢巻落しまで○○m」の道標がたつようになった。親子杉からは800mである。
苔むした杉や、根本が二つに分かれた杉、ものすごく太い杉の幹、そうしたものを眺めながら歩いて行く。
鉢巻落しまで200mのところにベンチが置かれていて、傍の杉の巨木の根本には「写真場」という標識がたっていた。被写体として絶好のロケーションということだろうか。
ここから200m進んで鉢巻落しに着く。変な名前の場所なのだが、「あまりにも杉の木が高く聳えているので、これを見上げると手ぬぐいの鉢巻が落ちてしまうほどだ」ということなのだ。私も見上げてみた。つくづくすごい杉の森だと思ってしまう。
次の目標は千本山展望台で400mほどである。
杉のてっぺんを見上げ見上げ歩いて行く。
行く手に東屋が見えてくるとこれが傘杉堂で、広場の端に展望台がある。
いってみたが、別に千本山が見えるわけではないのだ。展望台という割には視界が狭くて、近くの山を眺めることができるだけである。
ここまでは整備されて遊歩道のようなものだったのだが、いよいよ本格的な登山が始まる。
でも急な登りになるわけではない。道が狭まって、倒木が多くなった。この倒木も杉の巨木なので、簡単にまたいでしまうわけにはいかない。迂回したりして、緩やかに登って行くのだ。
道端の大きな杉には標識がつけられていて、「すぎ精英樹魚梁瀬108号」などとかかれていた。
行く手に高いピークが見えてきて、これが千本山かと思ったらそうではなかった。このピークの右を捲いて行くのだ。
尾根の右をトラバースしてゆくと雨量観測の施設がたっていた。この下を通ってさらに進むが、道はどんどん細くなってくる。トラバース道の谷側は急でかなり怖い。
慎重にトラバース道を行くと、ようやく稜線に合流したが、そこからは急な登りになった。いよいよ山頂に向かっての急登だと張り切って登って、傾斜が緩やかになった。もう山頂は近いと喜んだが、それは甘かった。この山の山頂部は長くて、さらに痩せた尾根を緩やかに登って行かなければいけないのだ。この最後の登りはものすごく長く感じた。
樹林の中の山頂に着いたのは925分である。山頂には三等三角点があった。
ここで休憩。でもあまりゆっくりはしない。今日はこれから高知の観光をするのだ。登山口から高知までは90kmなので2時間以上かかりそうである。
記念写真を撮って、熱いコーヒーを飲んでから下山を開始した。
傘杉堂から先は、やっぱり杉の巨木がすばらしくて写真を撮り続けることになった。
登山口に戻ったのは1050分である。


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千本山入り口


まず吊橋を渡る


森の巨人たちの杉巨木


木組の階段を延々と登る


親子杉


杉の巨木の間を行く


鉢巻落しで仰ぎ見る


千本展望台まで400m地点


千本山展望台


展望台からは倒木が多かった


雨量観測施設の横を過ぎる


細いトラバース道


瘠せた尾根になる


千本山山頂





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