BACK 太龍寺山
2007年3月28日
道の駅日和佐で夜が明けた。外に出てみると車はほとんど停まっていなかった。6時くらいにようやく明るくなって、行動ができるようになる。
それでも私には朝の日課があって、それはお湯を沸かすことなのだ。沸かしたお湯はポッドにつめて、その残りでポタージュスープを飲む。こうして朝の一服をして、それから登山開始。今日登る千羽ヶ岳は、この道の駅から歩き始めるのだ。
出発は6時50分である。
道の駅に端にはJRの線路を渡る陸橋がある。これで駅の正面に出る。
駅前には四国のみちのイラストマップがあって、さらに海ガメの銅像があった。この日和佐は海ガメが上陸するところで有名なのだ。
駅前の道を真っ直ぐに行くと、行く手の山の上には日和佐城がたっている。まずこのお城まで登らなければいけない。
真っ直ぐに歩いて行くと、すぐに港にぶつかる。右折して、それから橋を渡るのだ。この港はまるで川のように細長く内陸に入り組んでいて、たくさんの小型船が停泊していた。
海を橋で渡って、お城へは右から回りこんで登って行く。車道を行くのだからあまりきつい登りではない。
お城の前に着いたのは7時15分である。お城には売店や郷土館があるようだが、こんな早い時間なので入口はシャッターでしまっていた。
お城の前の広場から遊歩道に入る。きちんと整備された道で、すぐに展望所についた。下に青い海が見える。
これから歩こうとしている海岸線は国定公園に指定されているのだ。
遊歩道はほとんど照葉樹の中を行くため展望はない。でも、遊歩道の要所要所には東屋がたつ休憩所があるのだ。
樹林の中を歩いて行くと、爆弾投下跡という表示があった。太平洋戦争の末期にここに爆弾がおちて大きな穴を開けたのだそうだ。
これを過ぎると時々照葉樹の間から下の海岸線が見えるようになって、かなり高いところを歩いているのが判る。
指の鼻休憩所についたのは7時45分。照葉樹のトンネルを抜けたところに東屋がたっていた。そこからの海の眺めはすばらしい。高い崖が聳え、その下の岩礁に白く波が打ち寄せる。小さな島も点々としている。
景色を楽しんで次の大磯休憩所をめざす。
樹林の中の道を行くと休憩所があった。でもこれは大磯休憩所ではない。大磯休憩所は遊歩道から外れて海側に100mほど行かなければいけないのだ。休憩所の前から海に向かう踏み跡があったので行ってみた。でも途中から荒れた道になったので引き返すしかなかった。
再び遊歩道を行くと、右にカーブするところに指導標があって、直進すると大磯休憩所とあった。
大磯休憩所は海に突き出ていて、大海原を見渡せる。真っ青な黒潮の海である。今日はすばらしい天気で、昨日の雨がウソのようだ。そして暑い。私はラガーシャツの上に薄いニットのシャツを着ていたのだが、汗だくになってしまってラガーシャツは脱がなければいけなかった。
分岐に戻って、緩やかに登って行く。次に目指すのは千羽富士である。日和佐から見ると富士山の形をしているのだという。
四国のみちの道標のたつところの左に踏み跡があった。明確な道で、これが山の上に向かっている。これが千羽富士への道ではないかと登ってみた。ところが途中から踏み跡はほとんど消えてしまって、強引にピークまで登ったが、そこには何もなかった。無駄なことをしてしまった。
遊歩道はこのピークの右を捲いて、緩やかに登って行く。
急な登りになって、段差の大きな階段を登って行くと展望が開けて、左に断崖が聳えているのが見えた。すごい海岸線である。
急な登りが続いて、ピークに着いたと思ったら、そこには三角点のような石柱があって、木の枝に千羽富士とう標識がくくりてけられていた。ベンチが置かれた山頂は樹林の中でまったく展望はないのだが、それでも一つの山頂にたったということでうれしかった。ただし、標高は129mでしかない。
千羽富士から急な下りが続く。ジグザグに下って嵐瀬休憩所に着いた。
ここからの眺めも絶景というしかない。千羽海岸を代表する大絶壁が聳えているのだ。高さ200mの断崖が2kmにわたって続くのが国定公園に指定される千羽海岸である。
真っ青な海と断崖に打ち寄せる波。青い海に白い航跡を引いて船が走って行く。私は千羽ヶ岳の登山をしているのだが、登山というよりは海岸美を眺めてのハイキングだ。でも、これはこれでけっこう楽しい。
この休憩所でコーヒーを飲んでゆっくりしてしまった。景色は見飽きることがない。
ここからは照葉樹のトンネルの中を上下してひたすら千羽ヶ岳を目指す。
急な登りになって、その途中に小さな反射板がたっていた。そこからは遠くなった日和佐の街は見え、丘にたつ日和佐城も見えた。
次に着いた「通り岩休憩所」はあまり展望はないのでそのまま通過した。
樹林の尾根を歩いているのだが、行く手には幾重にも山々が連なっている。どれが千羽ヶ岳なんだろうと思ってしまう。
急な階段を登って、千羽ヶ岳山頂に着いたのは9時50分であった。
ここには三角点があった。標高245mの山頂である。東屋があって、そこからは西に連なる海岸線が見えた。山頂には千羽休憩所の標識はあるが、千羽ヶ岳と書かれた標識はなかった。でも、三角点があるのだからよしとしよう。
さて、目的の山頂を踏んだので、あとは下るだけである。私はここから稜線を歩いて山河内駅まで行き、JRで日和佐まで戻るつもりなのだ。調べておいた時間では山河内駅発12時14分があるので。これに間に合いそうである。
山頂から急な階段を下る。
どんどん下ってゆく。ところどころで樹林の間から下の海が見える。本当にきれいである。
下りだけかと思っていたらけっこうアップダウンがあって、もう一度かなり急な道を上る。広い道を登って振り返ると千羽ヶ岳が眺められた。
このピークを越して、再び下って行くと沢の音が聞こえ始めた。沢を渡ったら再び急登になった。その登り着いたところは広場になっていて、アンテナ塔がたつ稜線であった。時間は10時40分になっていた。ガイドブックの地図で確認しても自分がどのあたりにいるのかよくわからない。こんな調子では12時14分に間に合わなくなるかもしれない。
あわてることにした。この稜線からは真っ直ぐな階段の下りで、下りきったところには沢が流れていた。この沢に沿ってしばらく行くと、とつぜん廃屋の前にでた。これなら白沢の集落は近いのではないかと思ったら、沢を渡って再び登りになり、切り通しのようなところで小さな峠を越える。益々あせってきた。この頃にはほとんど駆け足になっていた。
檜の樹林の中を緩やかに下って行くと、とつぜん車道に出た。時間は11時5分であった。
ガイドブックでは白沢から1時間と書いてあったが、この車道に出たところにたつ指導標には山河内駅まで2.2kmとかかれていた。この距離なら30分ほどで着くことができる。ほっとした。でも、逆に時間があまってしまいそうだ。下りであんなにあせることはなかったのだ。
明るい日差しの山村のなかをのんびりと歩いて行く。
白沢の集落を過ぎると、四国の道の分岐の指導標がたっていた。牟岐に向かう「潮風そよぐ道」コースがあるのだ。
緑の山々を眺めながらのんびり歩いて、踏切を渡って山河内駅に着いたのは11時半であった。早く着きすぎてしまって、無人駅で45分も待つことになった。
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道の駅日和佐の朝

JR日和佐駅

橋の上から港を振り返る

日和佐城に着く

爆弾投下地

指の鼻休憩所

大磯休憩所への分岐

千羽富士山頂

嵐瀬休憩所

反射板から日和佐の街が見えた

千羽ヶ岳山頂

アンテナ塔の広場に出た

小さな峠を越える

やっと集落に出た

山河内からJRで日和佐に帰った |