BACK 平家平
2007年11月9日
大座礼山の登山口に車を停めて寝ていたのだが、夜は真っ暗であった。車の中でホラー小説を読んでいたものだから、なにかしら薄気味悪かった。
最近は明るくなるのが遅いので、今日も出発は7時である。それにずいぶん寒くなっているので軍手をして歩き始めた。林道から階段を登って鬱蒼とした樹林の中に入る。すぐに沢の流れを渡った。
ジグザグに急登して水平道に登りつく。ここからは尾根の左側につけられた平坦な道を行くのだ。山襞にそって歩いて行くので時々小さな沢を渡る。そこにはいかにも不安定な丸太の橋がかけられていて、これを渡るのが少し怖かった。
紅葉の林の中を歩いて行く。道は緩やかな登りで、のんびりしたものである。
檜に林に入って、この林を抜けると尾根の三叉路に着く。登山口から1時間たっていた。
真っ直ぐ行くと井野川集落に至るはずなのだが、通行止めになっていた。山頂へはここから右の道を登って行くのだ。ここまではほとんど水平な道だったが、急な登りになる。
梢だけになった樹林の中を登って行くと、大きなブナの木が聳えていた。太い枝を空に向かって大きく広げるすばらしい巨木である。これはすばらしい。感動して何枚も写真を撮ってしまう。
さらに進むとこうしたブナの巨木がいくつも並んでいるではないか。このブナの写真を撮るのに時間を費やしてしまった。道は平坦になって、潅木の中を行くと行く手に大座礼山のピークが迫ってくる。
山頂への登り始めには苔むした岩が重なっていて、この中を急登する。道は山の左側捲いて登って行って、すぐに傾斜は緩やかになった。潅木の密集した林を抜けるとあっけなく山頂に着いてしまった。8時半であった。
山頂広場は北東側が開けていて、正面には二ツ岳の岩峰が見える。鋸のような岩峰の連なりで、この山に登るのはけっこう大変ではないかと思ってしまった。
石鎚山の方向は樹林が視界をふさいでいるのだが、平家平と筒上山が少しだけ見えた。
今日は下山してから赤星山に登るつもりだったが、目の前にギザギザに聳える二ツ岳を見て、この山に登ることに決めた。
そうすると急がなければいけない。二ツ岳の往復には6時間ほどかかるのだ。
急ぎ足で下って行く。登ってきたときは日が昇ったばかりで、あまり明るくなかったのだが、帰りは日が射して紅葉がきれいであった。
車の前に戻ったのは9時35分である。
NEXT 二ツ岳
BACK 私の四国の山百選
|
|

登山口

涸れた沢を渡って行く

三叉路に着く。伊野川への道は通行止め

ブナの巨木の間を行く

大座礼山が迫ってくる

大座礼山山頂 |