2006年冬九州登山
ゆるぎさん 1046m

こしきだけ 1061m
登山口→10分→緩木山取付点→50分→緩木山山頂→1:00→越敷岳→50分→登山口

この山はそんなに高い山ではないのだが、越敷岳への縦走路がすばらしい。そして、どちらの山もけっこう鋭く聳える山なのだ。越敷岳からの下山路には奇岩の遺跡が多くて、けっこう楽しかった。
稜線から緩木山を振り返る

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2006年1216

昨日は天気がよかったのだが、今日は午後から天気が崩れるのだ。午前中に登山を終わらせようと思う。そして午後は大宰府にある九州国立博物館に行きたいと思っている。

今日はできるだけ早く出発するつもりで、神社の前の駐車場からは暗いうちに出発した。林道との十字路に登山届けのポストがある。ここから少し行くと越敷岳との分岐があるが、車を置くところがないのでそのまま直進して緩木山の登山口まで走ることにした。
杉林のなか、曲がりくねった林道を行くと新しい砂防ダムがあって、その手前に緩木山の登山口があった。駐車スペースもあったので、ここに車を停めた。
今日は緩木山から越敷岳まで縦走するつもりなので、さっきの分岐からここまで歩くことになる。なんかずいぶん距離があったみたいな気がした。
出発は715分である。コンクリートで固められた細い道を登って行く。砂防ダムがあって、これを過ぎると涸れた沢に沿った道になり、やがてこの涸れ沢に入ってしまう。
荒れた沢で、大きな岩がゴロゴロしているのだが、この岩を越えて登って行かなければいけない。まだ薄暗くて踏み跡がはっきりしない。どんどん登っていったが、どうも人が歩いた気配がなくて、道を間違えているのではないかと不安になった。赤いテープもないので、これは道を間違えたと思った。あたりを見回して赤いテープがないか探したが見当たらない。しようがないので少し引き返えすと、沢の右岸に道があるのを見つけた。はっきりとした登山道である。沢に踏み込んでしまったのがいけなかったのだ。
道がはっきりしたので、安心して歩いて行ける。鬱蒼とした杉林の中、石がゴロゴロする道を登って行くと、歩き始めて25分、分岐があって「緩木山右」の指導標があった。ガイドブックには、これを見逃さないようにと書いてあったのだ。
暗い杉林の中の急登が続く。何度か、あの涸れた沢を渡る。
だいぶ尾根が近づいたころに沢が小さな滝を作っていた。この手前を渡って、そこからさらに急な道を登って、ようやく尾根の上に出る。
そこは字路で、右が「石塔」となっている。寄ってみることにした。
すぐに崩れた石塔が並んでいる前に着いた。なぜこんな山の上に石塔をおいたのかわからない。
分岐に戻って、尾根をゆるやかに登って行く。すぐに元宮との分岐があった。もちろん行ってみる。
けっこう急な道で、2分ほど登ると杉林の中に広場があり、その奥に石の祠がひっそりと置かれていた。麓にあった緩木神社の奥の宮がこの祠なのだ。
分岐に戻って、さらに登山道を行く。道は本当にゆるやかな登りになって、杉林か抜け出した。右手に視界が広がる。私が向かう越敷岳はどれなのだろうと探したがよくわからなかった。
再び樹林の中に入って登って行くと、緩木山の分岐があった。まっすぐ行くと越敷岳に向かう縦走路である。照葉樹の中、かなり急な道を登ると山頂に着く。冬枯れた疎林に囲まれた山頂で、真ん中に三角点があった。展望はきかない。時間は8時半であった。
ここでコーヒーブレイク。最初、道に迷ったりしたものだから、少し疲れてしまった。空を見上げると、薄曇を通してうっすらと太陽が見える。少し寒い。
下って分岐に戻る。
急な下りが待っていた。鞍部に下って登り返す途中で振り返ると、緩木山が見えた。登った印象と違って、かなり急峻な山で、右側には岩壁を持っていた。
あとはひたすら縦走路を行く。アップダウンが続く。途中に1060mの高城というピークがあるのだが、標識がなかったので、よくわからないままに通り過ぎてしまった。
祖母山分岐まではけっこう急な登りであった。この分岐が今日の登山コースでは最高点なのだ。ようやく峠のようなところに着くと、そこに指導標がたっていた。緩木山と越敷岳の方向を表示をしているのだが、祖母山の表示はなかった。
今までずうっと樹林の中を歩いて展望はきかなかったのだが、ここからはすばらしい眺め。ただ、祖母山は雲で隠れて見えない。左はススキの草原が広がっている。展望の開けた稜線の道を行くのは楽しい。
測量棒が立つピークを過ぎたら、急下降の道になって、ここからは行く手に越敷岳が見える。すごい山だ。左側が絶壁になっているのがわかる。でも、ものすごく遠くに感じる。
ロープにすがって下降する。鞍部に着いて平坦な道を歩いて行くと、ハンターに会ってしまった。猟銃を肩にしていて、なにかしらぶっそうだ。間違って撃たれないようにしなければと、意識的に鈴をならしながら歩いた。
樹林の中のアップダウンを繰り返す。行く手には険しい越敷岳が迫ってくる。見れば見るほど鋭い岩峰の山である。とても登れそうもない険しい岩山である。
下山路の分岐についたのは10時である。でも、まず岩峰の越敷岳に登らなければいけない。
目の前には巨岩が聳えていて、これを捲いてその上に出る。冬枯れた潅木の間を急登すると高森町からの登山道が合流し、ここから少し行くと岩壁に基部に着く。この巨岩の上が越敷岳山頂なのだ。絶壁の基部には指導標があって、左が山賊岩屋経由山頂、右が御神水経由山頂と書いてある。どっちの道でも山頂に行けるのだ。
さて、どっちを登ろうかと思うが、左の道をとった。急な登りで、途中に本当に岩屋があった。標識はなかったが、山賊岩屋で間違いないだろう。
ここからは岩場の急登である。ロープにすがって這い上がると二つのピークの間に着いた。右のピークに上ってみると、ものすごく狭いピークで、石の祠がおかれている。そこには小越敷岳という標識があった。
戻って隣のピークに上ると、こちらはけっこう広くて、に越敷岳の山名標識があった。ここにも石の祠があって、その裏に地籍図根三角点とかかれた白い杭があった。ここに一般的な三角点はないのだが、山としては緩木山よりもはるかに楽しい山である。山頂は絶壁の上で、展望はすばらしい。下を見ると目がくらみそうだ。
山頂から緩木山を展望する。稜線の上に坊主頭のように聳えていて、右側は絶壁である。
1000m余りの標高しかない山であるが、この縦走路はほんとに楽しかった。大満足の山である。
帰りは御神水経由で下った。こちらのほうが険しくなくて、下りに使う道としてふさわしい。少し下ると絶壁の間から水が湧いていた。これが御神水で智慧を授かることができるのだそうだ。でも、水が湧いているようには見えなくて、たんなる岩の間の水溜りのようであった。飲む気がおきなかった。
すぐに絶壁基部の分岐に戻った。
さらに下って、峠のような下山路分岐に着く。ここからは樹林の中をひたすら急降下するのだ。急なところにはロープも張ってある。
尾根に下ると、その尾根の方向に「善悪を試す挟み岩」があるという。行ってみる。
大きな岩が真っ二つに割れていて、その隙間が道のようになっている。これを通れたら善人で、通れなかったら悪人ということなのだろうか。私はとても通れそうもない。悪人になってしまうので、試すのはやめた。
尾根から絶壁の横をロープで下ると、その絶壁に洞窟が開いている。そんなに深いものではなくて岩屋のようなものなのだが、これが御聖洞で、緩木山高源寺の開祖が修行をしたところなのだそうだ。
さらに急降下を続けて行くと水の流れる音がしてきて、右手に滝が見えた。明神の滝である。私は滝が大好きなので、藪を掻き分けてその下まで行ってみた。水の量が少なくて簾のような滝であった。
樹林の中をひたすら急下降を続けて行くと、今度は仙人枕があった。大きな細長い岩である。人の手が加えられたのではないかと思うほどの石柱であった。
この仙人岩のすぐ下が林道であった。山道は終わった。
長い林道歩きであった。ようやく今朝通った緩木山と越敷岳の分岐まで戻ったが、車を緩木山の登山口まで持っていってしまったので、さらに歩かなければいけない。けっこう急な登りの林道で、きつく感じた。
車の前に戻ったのは1115分であった。

さて、私はこれから大宰府天満宮まで行くつもりだ。別に、天満宮にお参りしたいわけではなくて、新しくできた九州国立博物館を見学したいのだ。明後日、福岡の近くの立花山に登った後で行くつもりだったのだが、その日は月曜日、公共施設は月曜は休みになってしまうのだ。これから高速を使って大宰府に向かうのだ。
ただ、大分自動車道に出るまでが遠い。カーナビでセットすると、ここから九重山の牧の戸峠を越えて行くのだ。
かなりのスピードで走り続けて大宰府に着いたのは220分であった。5時が閉館だから2時間半ほど、ゆっくりと見学できる。
大宰府天満宮の境内を通って、案内表示に従って博物館をめざす。博物館には長いエスカレーターで登って行くのだ。そしてさらに動く歩道で進んで、ようやく博物館の入口広場に着く。全面ガラス張りの大きな建物である。
私は時間があるとそれぞれの土地の博物館を見学することにしている。県立博物館は多いのだが、国立博物館は少ない。私が記憶している範囲では東京・京都・奈良だけである。
そして、博物館を見学して思うのだが、最近の博物館はずいぶん変わってきている。展示のしかたも工夫されているし、映像を使うことが多くなっている。とくに最近はCG(コンピュターグラフィック)を駆使して、製作当時の色彩や形を復元してみせてくれるのだ。
また、ここには最新のハイビジョンの大画面映写があって、沖ノ島の遺物や鎖国前に日本が輸出したすぐれた工芸品のことを見せてくれる。それがものすごくきれいなのだ。
時間が足りなくなったほどで、5時少し前に出た。外はほとんど真っ暗で、その中、大宰府天満宮にお参りに行った。学問の神様菅原道真公を祀るこの神社は受験生が合格祈願に押し寄せる。
私が本殿にいったときも、たくさんの学生が本殿に上がって御祓いを受けていた。

さて、これから平戸まで走らなければいけない。130kmほどの道のりだ。ため息が出るほど遠く感じる。北海道で走り回っていたときはこれくらいの距離は近いと感じたものなのだが…。


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登山道入り口の標識


林道を行くと砂防ダムがあった


鬱蒼とした杉林の中を行く


緩木山右の指導標があった


岩壁を右に回りこんで尾根へ


元宮への分岐


ここから緩木山を往復する


緩木山山頂


祖母山分岐への登り


祖母山分岐


展望が開けた稜線を越敷岳に向かう


稜線の向こうに越敷岳が聳えている


聳え立つ巨岩。この上が越敷岳山頂


小越敷岳の祠


越敷岳山頂


岩壁の基部に戻った


峠の下山路分岐に戻った


明神の滝


仙人枕


最後は長い林道歩き





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