緩やかなアップダウンをくりかえして樹林の中を行くと、突然沢の流れがあった。これがガイドブックにあった最後の水場である。私は十分に水を持っているので、水汲みはしなかった。
急な坂を上り詰めて、稜線に出ると巨大な岩壁が行く手に立ちふさがっていた。これが天柱石かと思ったら、違うようだ。
岩壁の下には太忠岳まで1.0kmの指導標があった。
ここからはロープや梯子をつかって、急な登りを繰り返す。稜線の上に出る。そこが石塚の分かれという分岐である。ここから左に行くと花折岳という標高1587mの山頂に行けるはずなのだが、その登山道は見つけられなかった。
稜線を行く。けっこう岩場があって、これをロープを使って越えてゆく。巨岩の重なるトンネルを抜けたりする急峻な道が続くのである。
ようやく天柱石という巨岩の横のピークについた。10時53分であった。
ここが山頂だと思うのだが、太忠岳を指す指導標が立っている。これが山頂の標識なのかと思ったりもするが、三角点もみあたらない。
天柱石には登れないということなのだが、基部をめぐって見ることにした。このピークからは岩が重なる間を下らなければいけない。天柱石の基部に着いたが、そこには祠も何もなかった。岩屑の踏み跡を歩いてみたが、ともかく見上げる天柱石は圧倒的な迫力であった。
またピークに引き返したが、結局、指導標の立つここが山頂でいいのかどうか自信がもてない。でも、ここより高いところは天柱石の上しかないので、とりあえず、ここを山頂ということで納得することにした。
来た道を引き返す。東屋のある登山口に戻ったのは12時20分である。ヤクスギランドから紀元杉に向かうバスは14時18分である。2時間もあるので、ゆっくりとヤクスギランドを観光しながら下って行くことができる。
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