BACK 倉岳
2006年12月10日
道の駅の清和文楽邑に車を停めて寝ていたのだが、一晩中雨が降っていた。天気予報は晴れるというのだが、雨の中を歩くことになるかもしれないと半分以上あきらめていた。
朝、目が覚めると空は明るく青空が広がっている。天気予報が当たってくれたのだ。うれしい。
道の駅から登山口までは12kmほどである。
曲がりくねった細い道を走って行く。登山口は緑仙峡にあるのだ。バス停の前に着いたが、登山口がどっちなのかわからない。適当に広い道を走っていったら釣堀に着いてしまった。ガイドブックに「舞岳登山口を過ぎる」とあったので、その舞岳をさがして車を走らせた。
ようやく小川岳の指導標を見つけて、これに従って細い林道に入る。急な坂道を登ると登山届けのポストがたっていて、そこに駐車スペースがあった。車はここまでという標識もあった。
青空は見えるのだが、小川岳方向には厚い雲がかかっている。雨さえ降らなければいいと思って歩き始めた。8時45分であった。
細い林道を歩いて行くと民家があった。人は住んでいないみたいなのだが畑は耕かされている。
ここで林道は終わってススキの生い茂る山道になる。昨夜の雨で草木は濡れていて、これを掻き分けながら歩いてゆくのだ。
ほぼ平坦な道を行くが左は深い谷で流れの音が聞こえる。
Uターンして急な登りになる。杉の林の中を急登してゆくのだが、伐採の最中のようで、切った丸太がゴロゴロしていた。
杉の植林帯を抜けると、道は溝の中を歩くようになる。照葉辞林の濃い緑の中を登って行くと「山想の泉」という指導標があった。水場のことで、苔むした倒木の間から水が流れ出ていた。
ここから少し行くと黒岳分岐で広場になっている。木の切り株が置いてあって休憩できるようになっていた。指導標には小川岳まで2000m、70分と書いてあった。
休まずにそのまま歩き続ける。
檜の林の中を登って行くと、いつのまにか自然林になって、地面には緑の苔が広がっていた。
ゆるやかに登って行くと、ブナやナラの林に入た。その樹林がすごくきれいである。すっかり葉は落ちて梢だけの林なのだが、それがまたきれいなのだ。こうした樹林を眺めながらゆくのは本当に楽しい。
登って行くと、樹林には霧氷が目立ち始めた。
10時10分。ひとつのピークに着いた。そこには丸い木の札に7という数字が書かれている。下で4という数字もみたが、これが合目を著しているのだろうか。
行く手に雲に霞んだ小川岳らしいピークが見えた。小川岳から延びる尾根の樹林は霧氷で白くなっている。それが日を浴びて白く輝いている。すごくきれいである。
雲がとれて青空が広がる。日がさすと樹氷が白く輝く。それが真っ青な空に映えてものすごくきれいなのだ。登山道はどんどん傾斜がきつくなっているのだが、この美しい霧氷を眺めながら登って行くので、傾斜のきつさが気にならない。
つい立ち止まって写真を撮ってしまう。
7の表示のピークから10分ほど行くと、再び展望の開けたピークに着いた。ここがガイドブックにいう展望台なのかもしれない。
さらに霧氷を眺めながら登って行く。道には背の高い笹が覆いかぶさっていて、回廊のようになっていた。
傾斜が増すと道には大きな岩が目立つようになる。この岩の混じる急な道を上りきると山頂であった。10時50分であった。
山頂広場は樹林に囲まれて展望はできないのだが、まわりの木々は霧氷で白く輝いている。展望よりも、よほどきれいである。
冬の日がさす山頂には私一人だけで、まったく登山者に会わない。今日は日曜日なのだが…。
山頂ではポットのお湯でコーヒーをつくって飲んだ。冬の日には暖かい飲み物が一番である。
帰りは来た道を引き返す。登りで十分写真は撮ったのだが、きれいな霧氷をみると、ついカメラを構えてしまう。
写真を撮りながら下って、登山口近くの民家まで戻ってきた。振り返ると、山頂付近が霧氷で白くなった小川岳を展望できた。
さて、これから峠を越えて天主岳の登山口に向かうのだが、工事による通行止めが多くて、遠回りをさせられた。
内大臣林道を行くつもりだったのだが、内大臣橋からすこし行ったところで通行止めになっていた。これでは天主岳には登れない。
しかたがないので、先に岩宇佐山に登ることにした。
曲がりくねった細い道を延々と走り続ける。ようやく峠を越えたら、そこに展望台と駐車場があった。ここは二本杉峠で、来たことがあるような気がする。よくよく考えてみたら、大金峰に登るときに立ち寄ったのだった。
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路肩に車を停めた
最後の民家、これを過ぎたら山道
ススキを掻き分けて行く
山想の泉
黒峰分岐
霧氷がきれいだった
7番表示のピーク
展望台
笹の回廊を行く
山頂直下は大きな岩が散らばる道
小川岳山頂 |