BACK 黒岳
2006年12月2日
「道の駅やよい」に車を停めて泊まったのだが、他に泊まってる車もあると何かしら心強くて落ち着くのだ。
朝、6時に目を覚まして行動開始。まだ、真っ暗である。
登山口までは14kmほどあるのだ。夜道を走って行く。
登山口に着いたが、まだ薄暗い。車の中で明るくなるのを待っていたら、小雨になった。雨の中を登山しようとは思わないので今日はあきらめようかとも思ったのだが、車のテレビで天気予報を見ると今日は3時頃か晴れてくるのだそうだ。午前中、時間をつぶして、それから登山をすることにした。
佐伯市のファミレスに行って、朝食をとって、読書で時間をつぶした。登山口に戻ってきたのは11時少し前である。
登山口の前には田んぼをつぶした駐車場がある。朝は1台も停まっていなかったのだが、3台ほど停まっていた。今日は土曜日なのだ。
元越山は国木田独歩が愛した山である。国木田はこの山に登って、涙をこぼすほどに感動しているのだ。その展望が楽しみである。
登山口の入口には「九州百名山」という標識がたてられていて、山頂までは3.2kmという標識があった。
入口にある石仏に挨拶をして歩き始める。
緩やかに登って行くとすぐに竹やぶがあって、これをすぎると尾根に向かって登って行くジグザグの急な道になった。道はえぐれた溝の中を行く。薄暗い樹林のなかの登りが続き、少し急な登りのところにはロープが下がっている。赤土の道でものすごく滑りやすいので、このロープは助かった。
ようやく尾根に着くと明るい道になる。尾根の平坦な道を少し行くと石仏の前に出た。これが下の地蔵である。ここから山頂までは1.5km、やっと半分来たことになる。
檜の林の中を抜け、少し急な道を登ると林道に出てしまった。ススキが茂る荒れた林道である。この林道では視界が開けて、登山口の集落が見下ろせた。
林道を少し行くと、すぐに登山道入口がある。指導標には山頂まで1.0kmと書かれていた。
登山道に入って5分ほどで赤い頭巾をかぶった中の地蔵に着いた。
檜の林の中を緩やかに登って尾根の上にでるが、そこから元越山の山頂が眺められた。すぐに下りになって、鞍部には頂上まで500mの指導標がたっていた。もう少しだ。
鞍部からは10分あまりで山頂に着く。
山頂は開けていて、石の祠や三角点があり、そのほかに新しく作られたのだと思う方位盤のような四角い石の台があった。
それぞれの方位に展望のイラストが刻まれている。そしてその天板には独歩の書いた、元越山に登ったときの文が刻まれているのだ。
山頂にはおばさん4人がいて、私とすれ違いに下山していった。山頂には私一人となった。
さて、その景色なのだが、東側には豊後水道が広がっていて、すぐ下はリアス式の米水津湾である。このリアス式の複雑に入り組んだ海岸線が美しいのだが、今日は霞がひどくて遠くのものはほとんど見えない。国木田独歩はあまりの美しさに感動で涙を流して絶賛したという景色はまったく霞のなかであった。いくら目をこらしてみても、独歩の言うような絶景かどうかはわからなかった。残念。
山頂ではコーヒーを飲みながら霞む景色をしばらく眺めていた。
帰りは来た道を引き返す。
帰りは道が滑りやすくてこまった。溝の中赤土にはさらに細く溝が刻まれていて、歩きにくくてしょうがない。
それでも、山頂からは50分足らずで登山口に戻ることができた。1時45分であった。
今日はもう山に登らないので、昨夜泊まった道の駅にいって、ここにある温泉に入り汗を流してのんびりすることができた。
それから車を走らせて可愛岳の登山口に向かう。今夜はその登山口のすぐそばにある道の駅北川に車を停めた。
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元越山登山口
深い溝の中を登る
急な登りにはロープが下がっている
下の地蔵
林道に出た
中の地蔵
登山道から元越山
元越山山頂
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