BACK 二ノ岳・三ノ岳
2006年12月8日
さて、まだ12時である。もしかしたらもう一つ山に登れるかもしれない。天草の次郎丸岳は3時間足らずで登れる山なので今日のうちに登れるかもしれない。ともかく天草に向かう。
熊本市街を抜けるときに少し渋滞したが、あとは順調に走って、宇土・宇城と通過して行く。この道を走っていると二十歳の頃に自転車で熊本から天草にサイクリングしたことを思い出した。あの頃は元気だった。
天草五橋を渡って行く。有料だと思っていたら、これは一般道なのだ。
次郎丸岳登山口に着いたのは2時少し過ぎた頃である。充分登山の時間がある。
集落の中を歩いて行く。指導標がていねいにたてられていて迷うことはない。
畑の間の道を行くと行く手には鋭い岩峰の山が見える。これが次郎丸岳・太郎丸岳なのだ。この天草に花崗岩の岩峰が聳えているなんて想像もしなかった。
コンクリートで固められた畑の中の道をゆるやかに登ってゆくのだが、やがて樹林の中にはいって、いつのまにか山道になっていた。
溝のようにえぐれた道を急登すると峠に出て、ここで右折する。ここには竹の杖がいくつもおかれていた。
照葉樹林の中を登ってゆくと沢にでて、そこには長寿の湧水という標識がたっていた。小さな湧き水がある。水量が少ないので、飲むのは止めた。
ここから5分ほどの登りで遠見平に着き、このすぐ先が太郎丸の分れである。太郎丸岳には帰りに登ることにして、左の道をとって次郎丸岳をめざす。
樹林の中の尾根道を行き振り返ると、樹林越しに太郎丸岳が見えた。花崗岩をまとった岩峰である。すごい。
いなづま返しという急な登りがあって、これを登りきったところが次郎落しであった。真っ正面には次郎岳の絶壁が聳えている。すごい眺めである。この岩峰の山に登のかと思うとワクワクしてくる。ロープが張られた急な道を登り、さらに岩にステップが刻まれた階段のような道を登って行くと、大きな花崗岩のスラブが行く手をさえぎった。この巨大な一枚岩にはロープが下がっている。こんなのを越えるのかとビビッてしまうのだが、花崗岩はすべりにくくて、傾斜もそんなにきつくなかったので、意外と簡単に越えることができた。
少し平坦な道を行くと石の祠があった。中には石の観音像が収められている。これは弥勒菩薩なのだそうだ。
この少し先が次郎丸岳山頂である。
巨岩が重なるところで、三角点もある。
巨岩の上に立っての眺めはすばらしい。北には太郎丸岳の岩峰が遠く下に見える。その奥には天草五橋が見え、無数の島々が散らばる景色はすばらしくきれいである。屏風のように絶壁を連ねる山も見えた。天草というのは花崗岩の島なのかと思ったりした。
南には高い山々が見える。右手にきれいな三角峰でそびえているのが明日登ろうと思っている倉岳で、天草の最高峰である。
山頂は絶壁の上にあるので見下ろすと目がくらみそうである。すごい山である。この岩峰にわずか1時間ほどで登れるんだからすごい。
さて、あまりのんびりしていると日が暮れてしまうので、太郎丸岳に急ぐことにする。
太郎丸の分れまで戻って、登り始める。
行く手には大きな花崗岩がいくつも重なる山頂が見える。登山道は花崗岩の露岩の上を登って行くのだ。山頂が近づいてくる。急な登りが続き、山頂直下まできたら道は左に捲いてしまって、山頂の向こう側の尾根に着いてしまった。スイッチバックする形で山頂に向かう道がある。これを登って巨岩の重なる間に出たが、山名の標識はない。これが太郎丸岳山頂ではないのかとまわりを見回すと、北に岩の重なるピークが見えた。もしかしたらあれが太郎岳なのか?と思ってガイドブックをよく読むと、途中に山頂と間違うピークがあると書かれていた。このことだったのかと納得した。
平坦な稜線の道を行き、最後に巨岩の間を登って太郎丸岳の山頂に着いた。山頂には白い棒が立っていて、そこに小さなワープロ文字で太郎丸岳と書かれていた。
ここから眺める次郎丸岳はすばらしい。左に絶壁を持って鋭く聳えている。その手前には太郎岳と間違えた岩峰が聳えている。とても標高が397mとは思えない堂々とした山である。
北には絶壁を連ねた屏風のような山がすごい。夕暮れ迫る山頂で十分景色を堪能して下山した。
登山口に戻ったのは4時25分である。振り返ると、太郎丸岳・次郎丸岳は濃紺のシルエットになって聳えていた。
今夜は「道の駅有明」に泊まることにして車を走らせた。
明日の天気予報は雨なのだが、雨でも倉岳に登るつもりである。
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西辺集落から歩き始める
こんな指導標がたっていた
深くえぐれた溝の中を登る
峠に着いた
長寿の湧き水
太郎丸の分れ
ロープで岩場を登る
次郎丸岳山頂に着く
太郎丸岳への登り
太郎丸岳山頂 |