2006年冬九州登山
ごようだけ 1569m

なつきやま 1386m
お化粧山登山口→1:00→お化粧山→30分→ブナの三叉路→30分→お姫山→15分→乙女山→20分→お姫山→20分→五葉岳→30分→崩落地→45分→要山→10分→夏木山→1:00→崩落地→分岐→大吹登山口→お化粧山登山口

この山は春に登ろうとして、車のブレーキがきかなくなって事故ってしまい登山を断念したという、因縁の山である。
五葉岳

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2006年123

「道の駅青雲の橋」から日之影村の谷底へ下る。ここから谷底に続く県道を北に向かうのだ。見上げると青雲の橋が高く頭上にかかっている。
県道は曲がりくねって、そして細い。対向車があったらすれ違うのに苦労するような道なのだ。
ようやく赤川のバス停を過ぎると右に橋がある。これが五葉岳の登山口への入口である。
最初は舗装道なのだが、すぐにガタガタ道になる。この道は本当に洗濯板のようなすごさで、揺れるたびに車の荷物がすごい音をたてる。林道の入口から1km毎に標識がたっていて、登山口は8kmを過ぎたところにあるのだ。わずか8kmなのだが、この間、ひたすら洗濯板に揺られて行くのだ。3kmの標識のすぐ手前で、私はこの春に車を大破させている。
それもあって、今回はすごく慎重に運転してゆく。ギアはセカンドにして、ひたすら、ゆっくりと登って行くのだ。
登山口の入口に着いたのは4時半頃であった。


124

登山口には二つの登山道がある。左の林道を行くのが大吹登山口への道で、右がお化粧山への道である。私はお化粧山への道をとって、帰りに大吹登山口に下るつもりである。
林道を少しだけ歩くと、すぐに山道への入口があって、あやうく見落とすところであった。
登山道は涸れた沢の左側を行くのだ。樹林の中をゆるやかに登ってゆく。
伐採地やザレたところを通過して、やがて道は涸れた沢に合流する。岩がゴロゴロする沢の中を登ってゆく。傾斜はきつい。
行く手に大きな岩が立ちふさがると稜線は近い。この岩の前を右に曲がって沢からはなれ、急な斜面を登ると稜線の上である。
稜線に出て、少し行くとお化粧山山頂に着いた。山頂というよりは尾根の上の少しだけ盛り上がったところといった感じだ。行く手には山頂を岩塊で覆われた山が見えた。これが五葉岳である。すごい。登ってきた方向を振り返ると二つのピークをもった山が見える。これが明日登る二ツ岳のようだ。今日は天気がよくて山々がよく見える。
展望のいい稜線を行くが、道は雪が降ったように白くなっている。これは霧氷が雪のように散り積もったものなのだ。ブナの林が行く手にあって、その梢の霧氷が日の光に白く輝き、すばらしくきれいだ。
霧氷のブナ林のピークに着くと三叉路になっている。右が鹿嵐山に至る道で、私は左の道をとってお姫山に向かう。
葉がすっかり落ちてしまった樹林の中を行くと、左に五葉山が眺められ、行く手には大きな岩山が聳えている。岩のテーブルのような山で、これがお姫山なのだ。名前からはたおやかな山を想像してしまうのだが、すさまじく険しい岩山である。登山道は岩山の真ん中を登るのだ。最後は岩場をロープにすがって登って山頂に着く。
山頂の岩の上からの眺めはすばらしい。まず目を引くのが鋸の歯のように岩塔を連ねる鹿嵐山である。去年の今頃、この山に登ったのだが、このときは雪が降ったあとで、雪の笹薮を掻き分けて行くのにすごく苦労した。

そして隣に間近に聳える五葉岳。すばらしい展望だ。真っ青な空のもと、山々がどこまでも連なっている。コーヒーを飲みなが四周の山並みをらしばらく眺めていた。
名残はつきないが、次の乙女山に向かう。お姫山から北に続く尾根の先に五葉岳が聳えているのだが、まず乙女山を往復するのだ。お姫山三山頂から下ったすぐのところに五葉岳とお姫山の分岐があった。
すっかり落葉した林の中をゆるやかに下って行く。この尾根から眺める鹿嵐山はすごい。ゴジラの背びれのように岩峰を連ねる尾根の眺めが最高である。草原の広場の鞍部に着くと、ここから登りになる。行く手には岩峰が聳えている。乙女山もまた、その名前にまったく反する岩峰の山なのだ。岩峰の上に着いてここが山頂かと思ったら、さらに奥に岩峰が見える。松などが生えて、なにかしら手入れされた庭園の庭石みたいである。その優雅さから乙女山なのだろうかと思ったりした。岩の稜線を行き、山頂に着く。山頂は狭い。でも五葉岳の眺めは最高である。
お姫山の下の分岐に戻って五葉岳をめざす。急な道を下って行く。鞍部に降りたつと、そこは金山谷への分岐があったが道ははっきりしていない。
急登が始まる。このあたりは春ならアケボノツツジがすばらしいところなのだそうだ。冬の今は落葉した木々が見えるだけである。
樹林の中を登って、最後は岩場になる。左から大吹登山口からの道が合わさるとすぐに山頂である。
たどり着いた山頂は大岩の上で、そこに三角点があった。岩の上には山名を書いた二枚の木板が置かれていたが、それは朽ちかけていた。強い風が吹いたら飛んでしまうのではないかと心配してしまう。
山頂から西北の遠くに山頂が白くなった山が見える。地図で確認すると祖母山のようである。すばらしい眺めだ。
山頂から夏木山に向かう。この下りは日陰に入ってしまうのだが、日陰は寒くて、道も白く凍てついていた。これからは軽アイゼンを持って登らなければ…と思った。
下り始めて10分足らずで大吹登山口との分岐があった。帰りはこの道を下ろうと思う。
この分岐から少し行くと兜巾岳の分岐がある。時間があったら立ち寄りたいのだが今回はあきらめるしかない。
夏木山へはこの分岐を右折して、ゆるやかに登る。ピークにたつと視界が開けて、行く手下方に夏木山が見えた。夏木山はここよりも低いところにあるのだ。
気持ちのいい樹林の中をゆるやかに下って行く。樹林といってもすっかり葉が落ちてしまって梢だけの樹林なのだが、こうした樹林の中を冬の日にあたりながらゆくのはけっこう楽しいのだ。樹林越しに夏木山が近づいてくる。この山の左側に連なる尾根は岩峰がいくつも連なっていて、鋸尾根と呼ばれているらしいのだが、すごい眺めである。
崩落地に着く。左手は大きく崩落していて、その崖っぷちを歩いて行く。ロープが下がっていたが、笹薮の中に踏み跡があったので、まっすぐに進んでみた。最後に踏み跡がはっきりしなくなったが、左に進んだら登山道と合流した。
さらにゆるやかに下って行くと、赤い幹の木が目立つようになった。この特徴的な木がヒメシャラというらしい。私は花の名前や木の名前をまったく覚える気がないので、山で見た木や花を説明するときは困ってしまうのだ。
行く手にピークが見えてきて、これを登ったところには分岐があった。夏木山へ向かう道と大崩山に向かう道である。山名の標識はないがここ要山のようだ。左に見える樹林におおわれた山が夏木山である。
ゆるやかなアップダウンを繰り返す。途中、道がはっきりしないところもあった。
夏木山山頂直下は岩場だったが、これは短い。すぐに山頂に着いた。樹林に囲まれた山頂だが、木々はすっかり落葉しているので明るい。山頂の広場の真ん中には大きな切り株があって、そこに夏木山とかかれた標識がたっていた。その奥に少し離れてポツンと三角点がある。
山頂の端に小さな岩が突き出たところがあって、そこから五葉岳を眺めることができる。五葉岳から北に伸びる尾根は岩峰の連なりであった。すごい迫力である。
山頂に着いたのは12時、余裕があるので長めの休憩をとることにした。
空は真っ青で、冬の日差しは少しだけ暖かい。今年の春に登ろうとして、車の事故で断念したこの山にようやく登れた。大満足。
登ってきた道を引き返して、大吹登山口への分岐から谷に向かって下る。
すぐに沢に沿った道になって、涸れた沢の中を下って行く。沢の中の大きな岩を越えて行く急な下りは、すごく長く感じた。
沢の終点は広い伐採地で、沢の右岸に林道が続いている。指導標がないのでこの林道を行っていいのか不安であったが、とりあえずこの道を歩いて行った。荒れた林道で、ところどこ崩落している。
5分ほどで、整備された林道に合流して、この道を左折するとそのすぐ先のカーブの先端に登山口の指導標があった。大吹登山口だった。これで道が確認できたので、あとはこの林道を下って行くだけである。すぐに広場があって、そこに飯場のプレハブがたっていた。ガイドブックにある大吹鉱山跡というのはここなのだろうかと思った。
林道を30分ほど下る。大きなカーブを過ぎて、尾根を回り込むと下に私の車が見えてきた。時計を見ると245分で、意外と早く戻ってこれた。

帰りの林道も気をつかって運転した。ガタガタ道の急な下りなのだ。ようやく県道に出たときは本当にほっとした。
青雲の橋から国道218号線を走って高千穂町に着く。ここでスーパーを見つけ酒を買い出した。昨夜は酒がなくなってしまって困ったのだ。
道の駅高千穂に車を停めて寝た。


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青雲の橋の下をくぐる


お化粧山登山口


涸れた沢を登る


お化粧山山頂


ブナの三叉路


お姫山山頂


乙女山への岩稜を行く


乙女山山頂


五葉岳への登り


五葉岳山頂


兜巾岳との分岐


崩落地


気持ちのいい樹林の中を行く


要山


夏木山山頂


涸れた沢を下る


大吹登山口






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